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専門外来のご案内

腹膜透析外来

腹膜透析とは

自分のおなかの中に透析液を注入して一定時間(3〜8時間程度)貯めておくと、余分な老廃物や水分が、血液から腹膜を介して透析液側に出てきます。その液を体の外に排液することで老廃物が除去されます。これを腹膜透析といいます。

腹膜透析の特徴

  • 自宅で患者さんご自身、もしくはご家族で行うことができます。
  • 透析バックをおなかのカテーテルにつないで透析液をいれ、一定時間貯めた後に排液します。1回の交換にかかる時間は30分程度で、これを1日に何回か行います。生活スタイルに合わせて交換時間を決めます。
  • 清潔な場所であれば、職場、学校、旅先などでも交換可能です。
  • 通院は月に1〜2回程度です。
  • 個人差はありますが、透析導入後でも残っている腎臓の機能を長く保つことができるといわれています。
  • 週に3回行う血液透析とは異なり、連続して行う透析方法なので、心臓への負担や血圧の変動は少ないといわれています。
  • 日中に透析液を数回交換する方法と、寝ている間に機械を使って自動的に行う方法があります。

腹膜透析をはじめるために

透析液をおなかから出し入れするために腹膜カテーテルというシリコン製の管をおなかの中に入れる手術を行います。体とカテーテルを固定する「カフ」が2〜3ヶ所についています。おなかからカテーテルが出ている部分は「出口部」といわれ、ベルトなどの邪魔にならないところに作成します。

腹膜透析外来について

当院では腎不全患者さんの10~15%が腹膜透析を選択しており、徐々に腹膜透析患者数が増加しております。2018年3月末までに30名の患者さんを腹膜透析外来で管理しており、最近では2ヶ月に1〜2名程度の割合で腹膜透析を導入しています。そのなかには腎移植を待機している患者さんも数名います。
腹膜透析に興味がある患者さんや腹膜透析導入を希望される患者さんがいらっしゃいましたら、当院の腎臓・高血圧内科外来へ受診またはご紹介いただくようにお願いします。

おわりに

腹膜透析は自分の体(腹膜)で腎不全に対抗することができる唯一の透析療法であり、残存腎機能(自尿)がなければできない透析療法です。
また、残存腎機能を保持する透析であるため「PDFirst:まずはPDで!」という考え方も少しずつ広まっており、在宅医療を推進する国の方針からも、今後注目される透析療法と考えられます。