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リハビリテーションセンター

リハビリテーションセンター

ご挨拶

医学としてのリハビリテーションはいわゆる運動とは異なり、根拠に基づいた科学的治療です。弱ってしまったから運動でもしようというものではなく、脳神経の活動性やつながり・筋骨格系の合成・心肺機能の改善などに最適な刺激を入力するものでであり、本人にやる気があっても医学的に不適ならば運動を制限しますし、重症で意識がなくても立位が適切ならば立たせます。様々な疾患・病態に対し、医学的に最も有効な方法で、できるだけ早く最高の機能回復を目指すのがリハビリテーション治療です。

リハビリテーション治療は長い道のりであり、転院先の選択が必要となることも少なくありません。しかし、突然の発症や受傷などで入院する急性期病院におけるリハビリテーションは、基本的に“選ぶことができない”治療です。だからこそ、我々は自信をもって最適と言える質を担保する必要があると考えております。

本大学には2020年4月1日よりリハビリテーション医学講座が新設され、治療体制は更に盤石となりました。特殊な磁力線を用いて脳神経局所の活動性を変化させることで、脳卒中やパーキンソン病などの脳疾患、脊髄損傷や脊髄炎などの脊髄疾患に伴う神経症状を劇的に改善させる最新の治療、反復性経頭蓋磁気刺激治療(rTMS)も開始されました。

反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)
反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)

また脳卒中や脊髄損傷などで手足が固く動きづらくなる“痙縮”に対しては、ボツリヌス療法が非常に有効です。我々はこのボツリヌス療法に装具療法や前述のrTMS、リハビリテーションを組み合わせた強力な治療を提供します。

ボツリヌス療法
ボツリヌス療法

なお、医学の発展に寄与する研究活動、医療者や学生への教育活動、患者様やご家族等への啓発活動についても積極的に行っております。何かご相談がございましたら当センターまでお気軽にお問合せください。

佐々木 信幸(教授)

センター長

佐々木 信幸(教授)

業務の案内

理学療法 (Physical Therapy : PT)

理学療法とは

理学療法とは、身体に障害のある患者さんに対し、主として、その基本的動作能力の回復をはかるため、治療体操、運動、物理的手技を加えることです。

対象

当院では、整形外科疾患(骨折・変形性関節症・肩関節周囲炎・脊椎脊髄疾患)・急性期の脳血管疾患・変性疾患だけでなく、心疾患・糖尿病・呼吸器疾患・開胸開心術後・新生児など多様な患者さんに対して、早期理学療法の提供を行なっています。

どのようなことをするの?

疾患が障害に進展しないように、障害の予防・改善を目的にチーム医療に取り組むとともに理学療法を提供する専門家に留まることなく、呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士、日本糖尿病療養指導士という立場から、療養指導を必要とする患者さんへの援助を可能にしています。

作業療法(Occupational Therapy:OT)

作業療法とは

身体・心理・社会・職業などの諸活動に障害のある方、または予測される方が、充実した生活を送ることができるように、心身の活動を高めるようなさまざまな治療・練習・指導・援助を行うことです。

対象

当院では主に、脳損傷(急性期から回復期)、脊髄疾患、整形外科疾患、変性疾患、神経筋疾患等による身体機能、認知精神機能、日常生活活動、社会生活活動に障害をお持ちの方を対象としています。

どのようなことをするの?

身体機能の障害では、ケガや病気で手足の麻痺や、筋力の低下、関節が硬くなることで、日常生活の様々な動作に支障をきたすことがあります。
それらに対して、手(や足)の筋力をつけるような運動、関節をやわらかくするような運動、スムーズな物品操作の練習(物のつかみ離し、物の持ち運び)手指の細かい操作の練習(箸・書字・積木や紐結びなど)を行います。

言語聴覚療法(Speech-Language-Hearing Therapy:ST)

言語聴覚療法とは

コミュニケ-ションが取りづらくなった方、注意力・記憶力が低下した方、食事をとることが難しくなった方に対して、治療・援助などを行ないます。

対象

コ失語症、構音障害、高次脳機能障害(注意障害・記憶障害など)、嚥下障害の方です。その主な原因疾患は、脳血管障害、頭部外傷、神経疾患などです。

どのようなことをするの?
  • 失語症に対して
    話す障害の他に、理解力や書字にも障害が認められます。そのため、「話す」「理解する」「字を書く」の3つの側面に対してアプロ-チを行います。
  • 構音障害に対して
    発声・発音の練習、発声発語器官(唇、舌など)の運動を行います。
    また、発声・発語に代わって意思を伝達するために、書字や機器類などを使う練習をする場合もあります。
  • 高次脳機能障害に対して
    数字を消す課題や計算問題などを行います。
  • 嚥下障害に対して
    食べる時は、話す時と同じ器官(唇、舌など)を使います。そのため、その器官の運動や口のマッサ-ジを行います。また、障害の状態により、その方に合った方法と食形態で段階的に進めていきます。
受付方法

各診療科担当医師の指示のもとに予約を承ります。
完全予約制を取らせて頂いております。

施設・機器の紹介
運動療法室

運動療法室

検査処置室

検査処置室

心臓リハビリテーションセンター

心臓リハビリテーションセンター

作業療法室

作業療法室

言語療法室

言語療法室

2020年度実績

研究論文研究論文、著書(著書、タイトル、雑誌、年、巻、ぺ―ジ)

研究論文(英文)
  • Chiharu Hotta:Physical activity in patients with pre-dialysis chronic kidney disease is related to physical function.Clinical and Experimental Nephrology 2020;24:1189-1190
  • Akira Saito:Impact of type 2 diabetes mellitus on physical activity in pre-dialysis patients with chronic kidney disease 2020;24:853-855
研究論文(邦文)
  • 畑中康志:手外科疾患におけるADL評価表の開発-第2報-食事評価試案の項目選択について
総説等
  • 横山仁志:COVID-19重症患者の管理③リハビリテーション エキスパートナース 2020;36(9):32-36
  • 平木幸治:こういう工夫でこんなに変わった!アドヒアランスやコンコーダンスを高めるリハビリテーション 慢性腎臓病患者に対する腎臓リハビリテーション  Journal of Clinical Rehabilitation 2020;29(6):601-605
  • 平木幸治:糖尿病患者の重症化予防 PTジャーナル 2021;36(3):246-253
  • 平木幸治:糖尿病腎症を有する慢性腎臓病患者に対する運動療法の関わり 理学療法 2020;37(9):788-796
  • 平木幸治:医師から運動をするようにいわれました。糖尿病に運動は効果があるのですか?運動の種類や回数、時間など教えて下さい。Nutrition Care 2020;13(5):450-453
  • 平木幸治:年齢のせいもあり、最近、体を動かすと疲れやすく感じます。お勧めの運動や注意することはありますか? メディカ出版 Nutrition Care 2020;13(5):454-456
  • 堅田紘頌:ECMO装着患者の早期リハビリテーションの実際 重症集中ケア 2020;12:51-56

2019年度実績

研究論文研究論文、著書(著書、タイトル、雑誌、年、巻、ぺ―ジ)

研究論文(英文)
  • Akira Saito:Relationship between Serum Vitamin D and Leg Strength in Older Adults with Pre-Dialysis Chronic Kidney Disease: Apreliminary Study Int J.Environ. Res. Public Health.2020;17
研究論文(邦文)
  • 横山仁志:人工呼吸患者の抜管時における肺活量評価の有用性 「呼吸」eレポート 2020;0(1):1-7
総説等
  • 大森みかよ:痛みの管理–急性期管理について– 日本ハンドセラピィ学会誌 2019;12(1):40-44
  • 堅田紘頌:ARDSの全身管理と治療を理解するためにキーワード みんなの呼吸器Respica 2020;18(1):33-42
  • 平木幸治:保存期CKD患者の重症化予防を目指した腎臓リハビリテーション 総合リハビリテーション 2020;45(3):213-218
  • 平木幸治:保存期慢性腎臓病患者の理学療法におけるホームエクササイズのポイント 理学療法 2019;36(3):246-253
  • 平木幸治:慢性腎臓病患者に対する腎臓リハビリテーション 専門リハビリテーション 2019;18:3-6
  • 平木幸治:糖尿病腎症の住所化予防における理学療法 理学療法学 2019;46(3):201-208
  • 平木幸治:CKD患者のフレイル・サルコペニア対策としての運動療法 腹膜透析 2019:30-31
  • 平木幸治:腎臓リハビリテーションとは何ですか? Gノート増刊 CKD診療現場の㉝学問 2020;7(2):132-137
  • 鈴木智裕:血友病患者と運動・スポーツ 10代の患者さんのスポーツ参加のポイント ECHO 2020;97:3-4
著書、分担執筆
  • 平木幸治:糖尿病療養指導グリーンノート 糖尿病への運動療法,中外医学社,2019
  • 平木幸治:イラストでわかる内部障害 第12章 腎不全 障害評価と理学療法プログラム,医歯薬出版,2020

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