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ハートセンター

ハートセンター

ご挨拶

原田 智雄(病院教授)

センター長

原田 智雄(教授)

聖マリアンナ医科大学病院ハートセンターでは、循環器内科、心臓血管外科の専門医が24時間体制で循環器系救急および慢性疾患の診断、治療にあたっております。病床はCCU6床を有するハートセンター北病棟、POST CCU、一般病床を有するハートセンター南病棟にわかれ、約80床がほぼ年間を通して95%の稼働率をほこっています。急性心筋梗塞・不安定狭心症などの重症冠動脈疾患の治療に関しては、人工呼吸器、大動脈内バルーンパンピング、経皮的心肺補助装置といった救命装置も常時稼働可能であり、急性心筋梗塞の救命率は97%以上であります。
当大学病院には救命救急センターが設置されていますので、急性大動脈解離や大動脈瘤破裂、外傷性大動脈破裂などの症例も多く、これらに対しても昼夜を問わず積極的に心臓血管外科医による緊急手術を行って救命に努めています。

また、急性期治療のみならず社会復帰にむけての心臓リハビリテーションも充実しており、全国的評価を得ています。
循環器内科では年間1,248例のカテーテル検査、治療が行われ、そのうち458例の冠動脈あるいは末梢血管へのカテーテル治療(経皮的冠動脈あるいは血管形成術)、339例の不整脈(心房細動、WPW症候群、心室頻拍を含むほぼすべての不整脈)へのカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)が行われています。
またデバイス治療としてはペースメーカ植込み術、植込み式除細動器治療、またペースメーカによる難治性心不全への心臓再同期治療といった特殊治療を行い、年間185例に達します。平成28年1月より大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療(TAVI)も施行を開始し、地域の患者様のみならず他県の医療機関からの治療依頼も受け、2019年度は146例行われております。
また僧帽弁閉鎖不全症重症患者さんにカテーテル治療(Mitral Clip)がはじまり、2019年度は56例行われました。心臓血管外科手術に関しても、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対する人工心肺を用いないで心拍動下に吻合を行う低侵襲冠動脈バイパス術に力を入れています。
さらに足の静脈(大伏在静脈)よりも長期の開存性の良い動脈グラフト(内胸動脈、右胃大網動脈、橈骨動脈)を多用して、手術の効果が持続するように心がけています。
僧帽弁閉鎖不全に対しては、人工弁を使用しないで自己弁を修復する僧帽弁形成術を第一選択としており、65歳以上の高齢者への弁置換術では、ワーファリンという抗凝固薬を服用する必要のない生体弁を第一選択としています。
平成23年度より、胸部および腹部大動脈瘤に対してステントグラフト治療の専門医が赴任し、開胸、開腹手術の困難な症例や高齢者などへ低侵襲治療として、約88例行われています。
2019年度の総手術件数は約658例、冠動脈バイパス手術、弁膜症手術、大動脈弁手術などの心・大血管手術は220例でした。
当センターは、大学に付属する教育病院という性格もあり、若いスタッフが多数勤務しています。
「愛ある医療、患者さんのために」をモットーに、これらの医師・看護師スタッフが一丸となって、一刻を争う心臓病に対して、昼夜全力で戦っています。

業務の案内

心臓カテーテル検査

狭心症・心筋梗塞といった冠動脈疾患、心臓弁膜症、心筋症などに対して正確な評価をおこない、その後の適切な治療方法を決定するために、重要かつ必須な検査です。当センターでは、基本的には2泊3日の入院検査としておこなっています。また、緊急性がある場合には、24時間体制で施行可能です。

受付方法 心臓カテーテル検査の適応を確認してから施行します。したがって、まず循環器外来にいらっしゃって頂き、心臓のみならず、全身状態をチェックさせて頂いて検査予定を組みます。他院からご紹介がある場合は、その限りではありません。
担当科 循環器内科
施設・機器の紹介 東芝デジタルアンギオ装置、東芝フラットパネルアンギオ装置、CMS定量的冠動脈造影解析装置
担当表 平日は、毎日。緊急のカテーテル検査は、365日24時間体制で施行可能。

経皮的冠動脈形成術(PTCA、PCI)

直径が2mm前後の管(カテーテル)を用い、狭心症・心筋梗塞など狭くなった冠動脈を広げる治療です。風船(バルーン)や金属の網(ステント)を使用したり、動脈硬化自体を削りとったりします。ほとんどの方は、2泊3日の入院で治療可能です。

受付方法

当院で診断カテーテル検査を受けて頂いた方は、その時に治療予定を決定します。

他院からのご紹介の方は、紹介元の先生からのご連絡で日時を決めます。

担当科

循環器内科

施設・機器の紹介 高速回転式アテレクトミー 施設基準取得日本心血管インターベンション学会 研修認定施設、指導医2名在籍
担当表 待機的な治療は火・水・木・金。緊急のカテーテル治療は、365日24時間体制で施行可能。

心臓電気生理検査

不整脈の診断、および治療(薬物治療、カテーテル心筋焼灼術、ペースメーカ植込み術、植込み型除細動器植込み術)の適応を決めるために行う検査です。鼠径部の血管(静脈)から、心臓内に数本の電極カテーテルを挿入します。そこから得られる心内心電図を記録しながら、不整脈の誘発・停止、薬物負荷などを行います。局所麻酔で検査を行い、検査時間は約2時間。検査のために入院(約3日間)が必要です。

受付方法 予約制:循環器内科外来で、入院と検査の予約をする。
施行日:平日は、毎日。
担当科 循環器内科

カテーテル心筋焼灼術(カテーテル・アブレーション)

カテーテル心筋焼灼術(カテーテル・アブレーション)は、頻脈性不整脈(心房細動、WPW症候群、発作性上室頻拍、心房粗動など)に対する根治療法で、通常は心臓電気生理検査と同時に行います。心臓電気生理検査で不整脈を解析した後、鼠径部の血管(動脈または静脈)から心臓内に心筋焼灼術用カテーテルを挿入。高周波で不整脈の原因となる部分(心筋)を焼灼します。手術は局所麻酔で施行可能であり、手術時間は約2~4時間。手術のために入院(約3-5日間)が必要です。当科では2019年度に、カテーテル心筋焼灼術を339件施行(心房細動は256件)。

受付方法 予約制:循環器内科外来で、入院と手術の予約をする。
施行日:平日は、毎日。
担当科 循環器内科

ペースメーカ植込み術ペースメーカ交換術

ペースメーカは、主に徐脈性不整脈(洞不全症候群、房室ブロック)に対する治療法です。通常は左前胸部にペースメーカ本体を植込み、鎖骨下静脈から心臓内に電極リードを挿入(1本または2本)します。電極リードを介して、自己心拍の感知と心臓の刺激が可能であり、自己心拍が低下した時にペースメーカが心拍を補います。局所麻酔で手術可能であり、手術時間は約2時間。手術のために入院(約7日間)が必要です。当科では2019年度に、ペースメーカ植込み術・交換術を計126件施行(リードレスペースメーカ39件含む)。

受付方法 予約制:循環器内科外来で、入院と手術の予約をする。
施行日:平日は、毎日。
担当科 循環器内科

植込み型除細動器(ICD)植込み術

両心室ペースメーカ機能付き除細動器(CRTD)植込み術
ICDまたCRTD交換術

植込み型除細動器(ICD)とは、難治性の頻脈性不整脈(心室頻拍、心室細動)に対する治療法です。通常は左前胸部にICD本体を植込み、鎖骨下静脈から心臓内に電極リードを挿入(1本または2本)します。電極リードを介して不整脈の検出が可能であり、高頻拍刺激・ショックで停止させます。手術自体は局所麻酔で施行可能ですが、不整脈を誘発して作動の確認を行うため、静脈麻酔も併用します。CRTDではさらに冠静脈に電極リードを挿入します。手術時間は約3時間。手術のために入院(約7日間)が必要です。当科では2019年度に、ICD植込み術・交換術を計17件、CRTD植込み術は35件、CRTP植込み術は7件施行。

受付方法 予約制:循環器内科外来で、入院と手術の予約をする。
施行日:平日は、毎日。
担当科 循環器内科

経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)

高度大動脈弁狭窄症に対する低侵襲治療として経カテーテル的大動脈弁置換術(Transcatheter Aortic Valve Implantation ; TAVI)を2016年1月より導入しています。外科体手術が困難な患者さんに行うことができます。

受付方法 循環器内科外来、弁膜症外来で入院と検査の予約をします。
担当科 循環器内科、心臓血管外科

経カテーテル的僧帽弁接合不全修復術(Mitra Clip)

高度僧帽弁併閉鎖不全症は高齢化に伴い増加し、心不全の病態を憎悪させます。従来の僧帽弁閉鎖不全症に対する外科手術がリスクが高く受けられない患者さんに対するカテーテル治療であるMitra Clipは安全かつ低侵襲僧帽弁閉鎖不全を減らすことができます。全身麻酔、経食道心エコーガイドで行います。

受付方法 循環器内科外来、弁膜症外来で入院と検査の予約をします。
担当科 循環器内科

心臓開心手術

小児から高齢者までの心臓・血管の疾患に対して専門医が外科治療を行っています。その対象は先天性心疾患、弁膜疾患、虚血性心疾患、大血管から末梢動脈、静脈疾患です。最近では、高齢の患者さんなどのハイリスク症例が増加したので、できるだけ低侵襲手術を積極的に行っており、特に狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対しては、人工心肺を用いないで心拍動下に吻合を行う低侵襲冠動脈バイパス術に力を入れています。さらに足の静脈(大伏在静脈)よりも長期の開存性の良い動脈グラフト(内胸動脈、右胃大網動脈、橈骨動脈)を多用して、手術の効果が持続するように心がけています。また大動脈瘤や閉塞性動脈疾患に対してはカテーテルを用いた治療も行っております。弁手術では、特に患者さんの生活の質を大事にした術式の選択を行っています。僧帽弁閉鎖不全症に対しては、人工弁を使用しないで自己弁を修復する僧帽弁形成術を第一選択としており、後尖の逸脱のみならず、比較的難しい前尖の逸脱例に対しても積極的に形成術を行っております。また65歳以上の高齢者への弁置換術では、ワーファリンという抗凝固薬を服用する必要のない生体弁を第一選択としています。さらに不整脈(心房細動)を合併した症例には、不整脈を解消する手術(メイズ手術)も同時に行っています。

担当科 心臓血管外科

ステントグラフト治療、ステント治療

胸部大動脈瘤や腹部大動脈瘤に対して、手術治療が困難な方や御高齢などの理由で手術が困難な方などはステントグラフト治療が行われます。平成23年4月より、専門の西巻 博先生が赴任され、2019年度のステントグラフト治療は88例行われています。解剖学的にステントグラフト治療ができない場合もありますが、最近は困難な症例にも様々な工夫をしてできる症例もあります。動脈の狭窄が主体の場合は、カテーテルによる血管拡張を行い、ステント治療が行われます。

担当科 心臓血管外科

末梢血管病変に対する外科治療

先にも示した様に、最近の血管治療は身体の中心に近いところはカテーテル治療が行われることが多くなってきました。当センターでは下肢や上肢などの細い血管に対して、カテーテル治療も行われていますが、症例によっては手術治療が必要となる場合もあります。特に、下腿まで病変が進行し、カテーテル治療が困難な場合はバイパス治療が行なわれます。何れの場合も、当センターを中心に、関連する診療科で治療に関する検討を行っております。

担当科 心臓血管外科

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