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臨床工学技術部

臨床工学技術部

技師長挨拶

現在の医療は最先端医療に対応できる専門性とあらゆる場面に対応できる多様性のどちらも求められています。臨床工学技術部は病院のニーズに応えつつ、スタッフの適正や希望に合わせた業務ができるようなやりがいのある職場環境を目指しています。

技師長 大川 修

臨床工学技士の仕事

臨床工学技士は、病院の中で働く医療技術者の国家資格の一つです。多くの医療機器を扱う医療のなかで、医師の指示のもと特に命に直結する『生命維持管理装置』を操作・保守管理する医療技術者として医師・看護師や他の医療技術者と共にチーム医療に貢献し、医療技術の進歩により医療機器の高度化が進むなか、さらになる活躍が求められています。

※生命維持管理装置には、肺の機能が低下した際に呼吸を補助する『人工呼吸器』、心臓手術の際に心臓と肺の機能を代行する『人工心肺装置』、体内に貯まった老廃物などの排泄や代謝する機能が低下した際に代行する『血液浄化装置』などがあります。

臨床工学技術部の紹介

臨床工学技術部(旧クリニカルエンジニア部)は、臨床工学技士49名と事務職員1名で構成されています。主な業務は、医師の指示の下、人工心肺装置、人工透析装置、人工呼吸器などの生命維持管理装置の操作と保守・点検です。また,院内で使用される医用工学機器である輸液ポンプ、シリンジポンプ、生体モニター、除細動器、パルスオキシメータ、電気メスなどの保守管理も行っています。
 診療の場面では,チーム医療の一員として看護師、医師と連携して患者さんが安心して治療を受けることができるよう、安全な機器の供給と高度な臨床技術の提供に努めています。また、機械だけを見るのではなく、患者さんに寄り添い,気持ちや心の動きのわかる感性を持った技士の育成にも力を注いでいます。これらの目標を達成する為に、当部は次のような体制で臨んでいます。

特 徴

  1. 業務内容が多種多様で特殊性が高いため、中央手術・IVRセンター、血液浄化療法ユニット、救命救急センター、集中治療センター、機器管理室に専任スタッフを配置しています。
  2. 人工呼吸器、輸液ポンプ、シリンジポンプ、経腸栄養ポンプ、パルスオキシメータは中央管理システムにより、安全な機器を効率よく運用しています。
  3. 病棟ラウンドを強化し、使用中の人工呼吸器、モニターなどをチェックしています。
  4. 当直体制によって、緊急心臓カテーテル治療、補助循環装置(PCPS、ECMO、IABP、IMPELLA)の導入・管理、持続血液浄化療法などに対応しています。
  5. オンコール体制によって、夜間や休日の緊急心臓手術、緊急血液浄化治療などに対応しています。
  6. 体外循環技術認定士、透析技術認定士、呼吸療法認定士、集中治療専門臨床工学技士など、各分野での専門認定資格を取得しています。

各業務の紹介

ME機器管理・保守点検業務

当院では約4000台のME機器を管理しています。これらに対し、日々の日常点検や年間を通しての定期点検等行っております。また、病棟、手術室の医療機器トラブルにも私たちCEが対応をしています。


貸出機器の点検

救命センター業務

当院では24時間体制で救急患者の受け入れを行なっているため、当直体制を設けることで対応しており、医師を始めとした他職種と連携し、患者様の救命に努めております。 

Doctor CAR

Hybrid ER System (HERS)

集中治療業務

当院では集中治療センター(GICU、GHCU、EICU、EHCU)に臨床工学技士を配置し、毎日の機器チェックおよび医師を始めとした他職種と連携し、患者様の治療に努めております。

IABP装置

ECMO装置

持続緩徐式血液浄化装置

NO装置

IMPELLA装置

人工心肺業務

心臓血管外科などの手術時に人工心肺装置の操作や管理を行います。当院では成人、小児ともに症例があり、緊急手術はオンコール体制で対応しています。また、ステントグラフト手術時の補助循環や術中の輸血軽減のための自己血回収血業務も行っております。

人工心肺装置

自己血回収装置

SHDインターベンション業務

経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)や経カテーテル的僧帽弁接合不全修復術(Mitra Clip)などでは、緊急時循環動態確保のために人工心肺、または補助循環装置のスタンバイとペースメーカやポリグラフなどの操作をハイブリット手術室やIVR室で行なっております。

Hybrid手術室

IVR室

術中誘発電位モニタリング業務

整形外科や心臓血管外科領域ではSEP、MEPが主に行われ、脳神経外科領域では、SEP、MEPの他に、聴性脳幹反応(ABR)や視覚誘発電位(VEP)、さらに覚醒下手術において、脳波測定も行っております。

術中誘発電位モニタリング装置

手術支援ロボット業務

本年より整形外科領域(胸椎・腰椎)の手術支援ロボット業務を行っています。

手術支援ロボット

心臓カテーテル業務

虚血カテーテル業務では、冠動脈造影(CAG)や経皮的冠動脈インターベンション(PCI)時のポリグラフを用いたモニタリング、血管内超音波検査(IVUS)、光干渉断層法撮影(OCT、OFDI)といったイメージングデバイスを用いた治療のサポートを行なっております。
不整脈関連業務では、カテーテルアブレーションにおいて心臓3Dマッピング装置や心臓カテーテルモニタリングシステム装置(カーディオラボ)の操作を行っています。
小児心臓カテーテルでの検査・治療時にポリグラフの操作を行っています。

虚血カテーテル室

不整脈カテーテル室

デバイス関連業務

ペースメーカ、ICD、CRTD、SICD、LLPMなどの植え込みや交換手術、外来などでプログラマーやアナライザーを操作し、外来業務は遠隔モニタリング業務も行っています。

ペースメーカプログラマー

人工呼吸器ラウンド業務

当院では、呼吸器を使用している全ての患者様(成人・小児・新生児)のベッドサイドまで赴き、患者様のアセスメントなどを日々の業務として行なっております。また、日々のラウンドとは別で、週に一度RST(Respiratory Support Team)という、多職種で構成された呼吸器専門チームでのラウンドも行なっており、CEもチームの一員として参加しております。
在宅呼吸器の導入も行っており、我々CEが導入、および使用方法、管理等の説明を行うことで、患者様やご家族様が安心して自宅で呼吸器の使用が出来るようサポートしております。

人工呼吸器(成人用)

血液浄化業務

透析導入を含めた入院患者様に対して腎臓病センター内で血液浄化療法を行っています。当院では、補充液に透析液を使用するオンラインHDFやI-HDF(間歇補充型血液透析濾過)を施行しているため、透析液の水質管理を徹底しています。在宅血液透析の患者様に対しては透析装置の操作などにおける技術指導や透析中のトラブル対応を行っています。また、定期的に患者様のご自宅に訪問し、物品管理や透析装置の保守点検を実施しています。腹膜透析の患者様には導入時の装置説明や遠隔モニタリングシステムを用いた治療解析を行っています。処方変更の検討やトラブル解析結果を活かして在宅治療における患者様の不安軽減に努めています。

血液浄化療法ユニット

腹膜透析装置

特殊血液浄化業務

当院では、単純血漿交換療法・二重膜濾過血漿交換療法・血液吸着療法(エンドトキシン吸着療法・顆粒球吸着療法)・血漿吸着療法・腹水濾過濃縮再静注法・末梢血幹細胞採取のアフェレシス治療を行っています。腎臓・高血圧内科だけでなく、脳神経内科やリウマチ・膠原病・アレルギー内科をはじめとして様々な診療科からの依頼を受けて治療を行っています。

血液吸着療法装置

末梢血幹細胞採取装置

小児・新生児業務

小児や新生児の領域においても医療機器は多く使用されているため、呼吸器や保育器のラウンドや点検を日々行っております。小児新生児領域にて多く使用される一酸化窒素吸入療法(NO)の導入や管理も行っております。

人工呼吸器(新生児)

保育器

他職種への勉強会

我々CEは他職種に比べて、様々なME機器の取り扱い方法や特性などを理解しています。CEが主体となり(依頼を受けて)勉強会を行なうことで、スタッフにも安全かつ安心して使用してもらえるよう心がけております。

チーム医療の参加

医師や看護師、その他の医療従事者と共にチーム医療の一員として参加しております。
RST・心不全チーム・ハートチーム・術後疼痛管理チーム

認定資格(2023.6.10現在)

第1種ME技術実力検定 1名
第2種ME技術実力検定 22名
認定医療機器管理関連臨床工学技士(日本臨床工学技士会)1名
医療機器情報コミュニケータ(日本医療機器学会)2名
体外循環技術認定士 6名
周術期管理チーム臨床工学技士 2名
不整脈治療関連専門臨床工学技士(日本臨床工学技士会)2名
日本心血管インターベンション治療学会心血管インターベンション技師 3名
植込み型心臓不整脈デバイス認定士(日本不整脈心電図学会)2名
透析技術認定士 14名
透析技能検定2級 1名
日本アフェレシス学会認定技士 2名
急性血液浄化認定指導者(日本急性血液浄化学会)2名
認定血液浄化関連臨床工学技士(日本臨床工学技士会)4名
3学会合同呼吸療法認定士 14名
呼吸治療関連専門臨床工学技士(日本臨床工学技士会)1名
集中治療専門臨床工学技士(集中治療医学会)2名
認定集中治療関連臨床工学技士(日本臨床工学技士会)5名
CPAP療法士(日本睡眠総合検診協会)1名

          

臨床工学技士養成校の実習受け入れ先

東京電子専門学校(臨床工学科)
東京工科大学(医療保健学部臨床工学科)
首都医校(高度臨床工学学科、臨床工学技士特科)
神奈川工科大学(健康医療科学部 臨床工学科)

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