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脳神経内科

脳神経内科

主病棟 入院棟8階南:SCU
外来 外来棟5階5C外来

ご挨拶

山野 嘉久(主任教授)

診療部長

山野 嘉久(主任教授)

脳神経内科は、脳、脊髄、末梢神経、筋肉などに起こる病気を専門とする内科です。脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、けいれん発作、脳炎・髄膜炎、ギランバレー症候群など、一刻を争う救急治療を必要とする神経疾患から、パーキンソン病、重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症などの慢性疾患、神経難病など、数多くの疾患があります。一方で、頭痛、めまい・ふらつき、手足のしびれ、物忘れなど、日常生活でよく経験する病気も、脳神経内科が診療しています。
神経疾患には、原因不明や治療法が確立されていない難病も多くあります。それゆえに、高い専門性が求められますが、一方で病気の種類によっては、脳神経外科や整形外科、リハビリテーション科など、他科と密に連携をとりながら治療を進めていくことも多くあります。私たち脳神経内科医は、患者様の一日でも早いご快癒、また難病の解決を目指し、患者様と寄り添いながら、他科や多くの医療スタッフと力を合わせ、真摯に医療に取り組んでおります。

  1. 外来・病棟
    当科の外来・病棟診療においては、脳脊髄疾患、末梢神経疾患、筋肉疾患、神経感染症など、脳神経に関する幅広い領域の疾患の診療を行っています。病診連携を強化し、地元の医療機関からの紹介を積極的に受け入れ、精密検査、診断、治療を行ったのち、紹介元の医療機関での治療へと、切れ目がないよう繋いでいます。
  2. 脳卒中センター
    脳卒中センターには、脳卒中集中治療室(SCU)を設置し、超急性期血栓溶解療法にも24時間365日対応し、すべての脳卒中、高度の合併症を有する脳卒中にも対応可能です。経食道心エコー、経頭蓋超音波検査など、先進の診断技術により迅速に脳卒中診断を行い、多職種によるチーム医療により、治療効果を挙げています。また当院では院内発症脳卒中対策チーム(inhospital stroke action team: iSAT)を設けており、入院中に発症した脳卒中に対し迅速な対応、診断、治療を行い、患者さんの後遺症を軽減できることを目指し活動しています。
    (詳しくは、脳卒中センターのページをご覧ください。)
  3. てんかんセンター
    てんかんセンターは、「神奈川県唯一のてんかんセンター」として、てんかん専門医、脳神経外科医、小児科医、救急医、脳神経内科医、精神科医などが連携して、小児から成人まで幅広い年齢層の患者さまの診療を行っています。
    (詳しくは、てんかんセンターのページをご覧ください。)
  4. 専門外来
    当科では、頭痛、パーキンソン病、MS・NMO、HAM・HTLV-1キャリアなどの専門外来を実施しています。病院と研究施設を併せ持つ大学病院の特色を最大限に活かし、各領域の専門医による、最新・最先端の診断・治療技術を提供し、診断困難例や治療に難渋する患者様の診療にも積極的に取り組んでいます。
  5. 治験の積極的な実施
    治験とは、新しい治療薬の有効性(効果)や安全性(副作用)を確認する試験のことです。脳血管障害や治療法に乏しい難病など、一日でも早く最先端の治療薬を届けることが出来るよう、患者様のご協力の下、専任の治験コーディネーターと連携し、新薬の治験に積極的に取り組んでいます。
    (詳しくは、脳神経内科HP 治験等のご案内のページをご覧ください。)

専門外来

名称 受付の仕方 受付時間 概要

パーキンソン病外来

水曜日午後にパーキンソン病の治療を行う患者さんに限ります。

毎週水曜日
13:30~16:00

パーキンソン病の患者さんを対象に、症状の評価や薬物治療を行っていきます。

HAM・キャリア外来

紹介状持参で直接ご来院ください。

毎週月・木曜日
9:00~11:00

HTLV-1関連脊髄症(HAM)の専門外来を行っております。また、妊婦健診や献血などの検査でHTLV-1抗体が陽性と診断された方の精密検査や相談を行っています。

頭痛外来

まず脳神経内科の初診を受診して頂き、重症度(必要)に応じて専門外来(完全予約制)の再診予約となります。

毎週金曜日
13:00~15:00

一次性頭痛と呼ばれる片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛から二次性頭痛のひとつである薬物乱用頭痛まで、頭痛専門医が治療しています。特に片頭痛に対しては各種予防法をとりいれて対応しています。

MS・NMO外来

すでに診断のついている方、およびにその疑いがあり、紹介状持参の方に限ります。

第1・3土曜日
9:00-11:00

多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMO)及び関連疾患、その他中枢性脱髄性疾患の方を対象に、疾患活動性やライフスタイルなど様々な角度からの評価や治療選択を行っています。

特殊検査・処置・入院・手術のご案内

名称 所要日数
(時間)
説明
パーキンソン病評価 3-7日 嗅覚試験(OSIT-J)、3次元加速度計による運動機能解析、夜間寝返り解析、核医学的総合評価
DBS(脳深部刺激療法) 2週間 DBSは、脳深部に電極リードを留置し持続的に電気刺激をして神経機能を改善させます。刺激装置の埋め込みは当院脳神経外科が実施し、当科は刺激適応の判断、刺激調整、長期管理を行います。
デュオドーパ®導入 2週間 進行期パーキンソン病に対して、胃ろうから空腸に持続的にドパミン(デュオドーパ®)を投与する治療の導入をします。
非侵襲的前胸部貼付型テレメトリー式心電送信機Duranta® ~4週間 Duranta®は、潜在性心房細動を非侵襲的に検出するための超小型(縦3.51cm×横7.84cm×幅1.47cm)の軽量(35g)テレメトリー式心電送信機で、脳梗塞の原因解明に役立ちます。
経皮的卵円孔開存閉鎖術 5日間 卵円孔開存(PFO)の存在が脳梗塞の発症に関与していると判断された患者のPFOの閉鎖を目的とする経皮的カテーテルPFO閉鎖機器です。当院循環器内科(Brain Heart Team)とともに適応を決定します。
血管超音波検査 10-20分 救急外来や脳卒中病棟にて、脳卒中専門医が超音波検査を行います。頸動脈超音波検査、経食道心エコー検査、経頭蓋超音波検査、下肢静脈超音波検査を行い脳卒中の病態を正確に評価します。
神経・筋超音波検査 10-20分 末梢神経、筋肉の超音波を行い、難病とされる末梢神経疾患・筋疾患の診断や病状評価を行ないます。日本超音波医学会認定超音波専門医が検査を行います。
経口腔超音波検査 10-20分 通常の頸動脈超音波では観察できない高位の頸動脈病変、口腔内の不随意運動、特殊な咽頭・扁桃疾患といった通常の検査での評価が難しい病態を用いて評価します。日本超音波医学会認定超音波専門医が検査を行います。
嚥下造影検査 20-30分 嚥下障害が疑われる患者様を対象に誤嚥の有無、適切な食形態の評価などを行います。月、火、金の午前中に透視室で検査を行い、後日結果を外来でご説明します。
電気生理検査 20-60分 神経伝導検査、針筋電図、脳波、聴性脳幹反応、視覚誘発電位など様々な検査により病変部位を総合的に診断します。
脳容積測定 30分 頭部MRI検査にコンピュータ解析をかけ脳容積を測定します(川崎市立多摩病院にて施行します)。
MS・NMO
ブラッシュアップ入院
1週間 各種画像検査や高次脳機能検査、身体機能障害を見直し、治療変更の必要性を検討します。
ボトックス注射 30-40分 眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、四肢痙縮患者を対象に注射を行います。注射は木曜日午後のみ。希望される場合は木曜日午前中に診察後、注射スケジュールを相談します。
ドライブシミュレーター 2-3日間 脳卒中後遺症、認知症などで運転再開、継続についての評価を行います。シミュレーターでの評価以外に机上での高次脳機能評価を合わせて行います。
HTLV-1関連脊髄症(HAM)の特殊検査 専門外来にて HAMの疾患活動性評価や治療効果判定に有用な検査(髄液ネオプテリン・CXCL10濃度測定)や、HTLV-1ウイルス量定量検査、成人T細胞白血病リスク検査などを行います。
オンライン診療 適宜 神経難病で通院が困難な患者様などを対象に、オンラインでの診療を行っています。
治療と仕事の両立支援 適宜 脳卒中、神経難病で治療を継続しながら就労復帰、継続についてお困りの患者様に対して、事業所との情報交換を通じて両立支援を行っています。
初診外来 再診外来 専門外来
午前 (交替制) 白石眞
中野瑶子
[HAM・キャリア外来]
○山野嘉久
午後

白石眞

髙石 智

辰野健太郎(15時~)

午前 (交替制) △秋山久尚
佐々木直
午後 鏑木圭
柴田宗一郎
午前 (交替制) 伊佐早健司
鷹尾直誠
午後 伊佐早健司

[両立支援外来]
柴田宗一郎(1)
山徳雅人(3,5)
萩原悠太(2)
長谷川大輔(4)
[パーキンソン病外来]
白石眞

[神経免疫オンライン外来]

櫻井謙三

午前 (交替制) 星野俊
山徳雅人
[HAM・キャリア外来]
佐藤知雄
午後 水上平祐

[DBS外来]
白石眞(4)

[早期AD新薬外来]
交替制(1,3)

[PDデバイス相談外来]
鷹尾直誠(2)

午前 (交替制) 清水高弘
櫻井謙三
午後

櫻井謙三

山徳雅人
深野崇之

[頭痛外来]
△秋山久尚
午前

(交替制)

伊佐早健司(1,3)
赤松伸太郎(1,3)
臼杵乃理子(2,4,5)

辰野健太郎(2,4,5)

[MS.NMO外来]
櫻井謙三(1,3)
午後

〇=部長、△=副部長、[非]=非常勤

都合により変更になる場合があります。

午後は原則再診のみ(予約制)

( )内の数字は第何週目かを示しています。

休診・代診のご案内

日程 診療科 変更内容
白石眞医師の午後外来を休診いたします。
佐々木直医師の午前外来を休診いたします。
櫻井謙三医師の午後外来(神経免疫オンライン外来)を休診いたします。
櫻井謙三医師の外来を休診いたします。
櫻井謙三医師の外来(MS.NMO外来)を休診いたします。
櫻井謙三医師の午後外来を休診いたします。
櫻井謙三医師の外来を休診いたします。
清水高弘医師の午前外来を休診いたします。
山徳雅人医師の午後外来を休診いたします。
鷹尾直誠医師の午前外来を休診いたします。
鷹尾直誠医師の午後外来を休診いたします。
伊佐早健司医師の外来を休診いたします。
柴田宗一郎医師の午後外来を休診いたします。
櫻井謙三医師の午後外来を休診いたします。
櫻井謙三医師の外来を休診いたします。
櫻井謙三医師の午後外来を休診いたします。
櫻井謙三医師の午前外来を休診いたします。
秋山久尚医師の午前外来を休診いたします。
櫻井謙三医師の午後外来を休診いたします。
山徳雅人医師の外来を休診いたします。
伊佐早健司医師の外来を休診いたします。
辰野健太郎医師の午後外来を休診いたします。
櫻井謙三医師の午後外来(神経免疫オンライン外来)を休診いたします。
星野俊医師の午前外来を休診いたします。
櫻井謙三医師の外来を休診いたします。
山徳雅人医師の午後外来を休診いたします。 代診→深野崇之医師

研究内容

  1. 脳血管障害:脳梗塞における凝固線容系因子の研究。頸動脈超音波検査による頸動脈の狭窄・閉塞、経頭蓋的超音波検査による脳血管内血栓、経食道心臓超音波検査による心腔内血栓などの診断、病態と治療の研究。経口蓋超音波検査による新規診断法や治療応用に関する研究。進行型脳卒中の発症機序の研究。 遠隔医療(telestroke)、脳卒中診療システムの研究。国内共同研究、国際共同研究を通じた先進の診断・治療法の開発。塞栓源不明の脳梗塞患者における長時間連続転送テレメトリー式心電計を用いた心房細動検出の有用性に関 する探索的研究。脳卒中と低血糖に関する研究。院内発症脳卒中患者の機能予後改善方法の開発。医療安全システム構築方法の開発。透析脳卒中患者の機能予後など。
  2. 神経変性疾患の研究:脊髄小脳変性症の特徴的画像所見や予後改善に関する研究。パーキンソン病の代謝異常に関する研究。パーキンソン病の運動障害の診断と治療に関する研究。3軸加速度センサーによるパーキンソン病患者の運動機能の解析。3軸加速度センサーによる夜間寝返り運動障害の定量化に関する研究。
  3. 神経免疫疾患の研究:多発性硬化症や視神経脳脊髄炎、免疫性神経疾患の病態解明や新規治療薬の開発に関する研究。
  4. 末梢神経障害の研究:Guillain-Barre症候群、糖尿病性末梢神経障害その他の末梢神経障害の診断、病態と治療の研究。
  5. 頭痛:片頭痛患者におけるCGRP薬の有用性に関する探索的研究。片頭痛患者における睡眠時無呼吸合併に関する研究。低血糖に誘発される片頭痛に関する研究。
  6. IoTを活用した医療の質向上に関する研究:オンライン診療を活用した診療連携の促進や患者のQOL向上に関する研究
  7. HTLV-1関連脊髄症(HAM)の研究:全国的なHAM患者レジストリを活用した疫学研究、患者マテリアルバンクを活用したウイルス免疫学的解析や分子遺伝学的解析研究、HAM専門外来を中心とした病態解明に基づく新規診断・発症予防・治療法の開発に関する研究

取り扱っている主な対象疾患

脳卒中、けいれん発作、脳炎、髄膜炎、ギランバレー症候群、パーキンソン病、重症筋無力症、筋委縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、頭痛、めまい、ふらつき、手のしびれ

■主な手術および検査件数(2021年1月~12月実績)

手術名・検査名 件数
脳波 1475
神経伝導検査 555
針筋電図 178
表面筋電図 21
反復誘発筋電図 50
SEP 5
VEP 11
ABR 5
心筋MIBGシンチグラフィ 89
ドパミントランスポーターシンチグラフィ 86
デュオドーパ 薬剤投与用
胃ろう造設術
1
NJチューブ挿入
(造設前の評価)
3
脳刺激装置(DBS) 植え込み術 6
経頭蓋超音波検査 113
頸動脈エコー 409
下肢静脈エコー 292
経食道心エコー 3
tPA 13
血管造影検査 16
嚥下造影検査(VF) 203
嚥下内視鏡検査(VE) 63
非侵襲的前胸部貼付型
テレメトリー式心電送信機
40
Duranta®
皮下植え込み型長時間心電計 5
SAS簡易検査(起床時頭痛検査) 10
筋硬度測定(緊張型頭痛検査) 10

当院における過去のt-PA静注療法の詳細については下表に示す通りです。

t-PA症例数推移(画像)

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