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放射線治療センター

放射線治療センター

外来 病院本館1階

ご挨拶

当センターでは2台のリニアック(外部照射装置)と小線源治療装置を有し、強度変調放射線治療(IMRT)や定位照射などの高精度照射を含め、年間700人程度の患者さんに放射線治療を行っています。
放射線治療の適応となる疾患、病態は多岐に渡ります。また、がんを治す目的だけではなく、がんに伴う痛みなどを和らげる目的でも放射線治療を行うことがあります。
現在のがん治療は集学的治療といって、放射線・手術・薬物療法の「どれを行うか」ではなく「どう組み合わせるか」が重要となっており、治療法選択はより複雑となり、より綿密な適応判断が求められます。当センターではカンファレンスなどを通じて関係診療科との連携を密にとり、各々の患者さんに最適な時期に最適な放射線治療を提供することを重視して診療に取り組んでいます。
より多くの患者さんに、短い待ち時間で、質の高い放射線治療を提供できるようにスタッフ一同で日々努力しておりますので、安心してお任せください。

中村 直樹

センター長

中村 直樹(教授)

業務の案内

放射線治療

放射線治療の照射法には外部照射、密封小線源治療、非密封小線源治療(アイソトープ内用療法)があります。
外部照射は、体外から癌にX線を集中的に照射します。根治あるいは緩和目的に様々な疾患に適応となります。紹介科と連携して適応があれば抗癌剤やホルモン療法を併用します。前立腺や頭頸部癌などでは強度変調放射線治療(IMRT)を行います。転移性脳腫瘍、初期の肺癌や肝癌には定位照射が適応になるかもしれません。
密封小線源治療は、婦人科癌に対する腔内照射に利用しています。体内の腔にアプリケータという専用の器具を一時的に留置し、それを使ってガンマ線を癌に集中照射します。
アイソトープ内用療法は,治療目的に適したアイソトープを服用や注射で投与します。

2014年〜2020年の年間外部照射、腔内照射症例数を疾患別に記します。

2020 2021 2022
外部照射総数 720 760 765
乳癌 330 415 399
肺癌 39 36 43
食道癌 26 22 31
女性骨盤 25 22 27
頭頸部癌 31 38 36
前立腺癌 42 22 25
緩和照射 141 98 118
IMRT
(前立腺・脳 2014年11月より開始)
92 76 63
SRT
(肝・肺・脳)
41 37 36
小線源
(子宮頸癌)
18 8 11
脳転移 47 17 38
骨転移 60 36 52

非密封小線源治療

担当科と協力して以下のアイソトープ内用療法を行っています。

  • 去勢抵抗性前立腺癌の骨転移(ラジウム223)
  • 治療抵抗性B細胞性悪性リンパ腫(イットリウム90)
  • 術後残存甲状腺癌(ヨード131)
  • 甲状腺機能亢進症(ヨード131)

放射線治療の流れ

  1. 診察
  2. 治療計画
  3. 治療
  4. 経過観察

まず診察を行い放射線治療の適応、治療方針を決定します。治療回数や予想される効果、副作用などを説明します。後日治療計画を行います。治療計画とは、照射時の姿勢でCTを撮影し、皮膚にインクで印を書きます。頭や体を固定するプラスチック製の固定具を作るかもしれません。得られたCTデータをコンピューターに取り込み放射線治療の設計図(線量分布図)を作成します。放射線治療が始まって数週経つと様々な変化がおこるかもしれません。わからないことがあったら技師、看護師、医師のだれでもよいので聞いて下さい。

受付方法

放射線治療センター外来

受付時間

AM8:45〜AM11:00

当施設の高精度照射について

強度変調放射線治療(IMRT)

IMRTは標的体積の形状に合わせて集中性を高めることが可能な照射法です。それにより周囲の正常臓器線量の低下が可能です。当施設では主に前立腺癌,頭頸部癌などに用いています。前立腺癌に対する線量分布図です。

前立腺癌に対する線量分布図

定位放射線治療
(Stereotactic radiotherapy)

頭蓋内病変は主に転移に対して行っています。単発性脳転移に対する線量分布図です。

単発性脳転移に対する線量分布図

体幹部病変は、原発性肺癌、肝臓癌に行っています。
肺癌と肝臓癌の線量分布図を示します。

            

研究内容

  • 転移性骨腫瘍に対する放射線治療の多施設共同前向き観察研究
  • 病理学的 N2 非小細胞肺癌に対する術後放射線治療に関する ランダム化比較第 III 相試験(JCOG1916試験)
  • Borderline Resectable 膵癌を対象とした術前ゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法と術前S-1併用放射線療法のランダム化比較試験
  • 骨転移キャンサーボードの実態に関する多施設共同観察研究

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