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専門外来のご案内

成人CAEBV専門外来

CAEBVとは

「慢性活動性EBウイルス感染症(chronic active Epstein-Barr virus infection)」、略してCAEBVは、稀で治療の難しい疾患です。

CAEBVの主な症状は、持続する発熱、原因不明の肝機能障害、肝臓や脾臓の腫大(はれ)です。そのほか、ヒトスジシマカに刺された後、高熱と刺された皮膚の炎症が生じ、黒いかさぶたになり、痕を残す、いわゆる蚊アレルギーをみることもあります。

EBウイルスが白血球の一つであるリンパ球、そのうちのT細胞あるいはNK細胞に感染し、何らかの原因で感染した細胞が徐々に増えることによって発症すると考えられています。増えたT細胞、NK細胞はやがて一部が腫瘍(がん)の性質を持つようになり、リンパ腫、白血病へと進行していきます。もともとT細胞、NK細胞は、体に入ってくる様々な病原体を直接攻撃したり、サイトカインという物質(発熱や炎症をおこす原因の一種の蛋白質)を出すことでマクロファージという免疫担当細胞を刺激し、それらの病原体や感染した細胞を食べてもらったりすること(貪食、どんしょく)で、体を守ってくれる力強い細胞です。そのため、それらの細胞が腫瘍になると増えるだけでなく、働きが強まり(活性化し)、サイトカインが作られ、発熱やだるさなど、さまざまな炎症症状が出てきます。さらに、EBウイルスが感染した細胞は、それ自身はもちろん、他のリンパ球の働きも強めて(活性化)しまいます。そのため、強い炎症反応(感染症や膠原病の時のような発熱やリンパ節のはれ)が起こります。つまりCAEBVは腫瘍としての性質と、炎症性疾患としての性質を持っていることが大きな特徴です。

CAEBVの診断と治療

CAEBVの診断にはEBウイルスに感染したT, NK細胞の同定が必要で、一般検査による診断は困難です。当科は国立成育医療研究センターと共同し、迅速で正確な診断に努めています。

CAEBV診断基準
(厚生労働省研究班、2015年作成)
1) 伝染性単核症様症状が3か月以上持続(連続的または断続的) 
2) 末梢血または病変組織におけるEBウイルスゲノム量の増加 
3) T細胞あるいはNK細胞にEBウイルス感染を認める 
4) 既知の疾患とは異なること 
以上の4項目をみたすこと。

病気を治すためにはEBウイルスに感染し、腫瘍の性質を持った、あるいは持ちつつある細胞を根絶やしにする必要があります。化学療法、造血幹細胞移植(いわゆる骨髄移植)で治療を行います。治療には原則として入院が必要です。

CAEBVに対する詳しい情報は聖マリアンナ医科大学 血液・腫瘍内科HPをご覧ください。

セカンドオピニオンご希望の方へ:
セカンドオピニオンをご希望の方は、病院のセカンドオピニオンから申し込みください。

診療内容

CABEVが疑われる成人(15歳以上)の患者さんに対し、診断を行います。
CAEBVと診断された患者さんに対し治療を行います。治療は原則として入院で行います。

外来日:毎週月曜 9:00~16:00(担当:新井)

受診法:予約制です。紹介状を準備して予約の上、受診ください。