薬剤部では、「患者のクオリティオブライフを改善するという明確な成果を引き出す目的のために、責任ある薬物治療を提供する」との理念を掲げ、「薬物治療に責任をもつ臨床薬剤師」を育て、「チーム医療での薬剤師職能の発揮」を目標としています。具体的なミッションとして、適正で合理的な薬物治療を推進すること、副作用を収集・解析し医療安全に貢献すること、廉価で適正な薬物治療を実現することを掲げています。臨床面では1病棟に1人ずつの薬剤師を配置していますので、患者さんが投薬を受けた後の治療効果・副作用をモニタリング・評価して、治療効果が不十分な場合や副作用が発現した場合などは、医師に対し適切な対応案を提案しています。
適正使用の面では医薬品採用プロセスに関与することで職能を発揮しています。近年高額な新薬が次々に発売され、患者さんのクオリティオブライフを改善している一方で、医療保険財政が圧迫されているとの報道を目にします。これらの新薬が、有効性,安全性,費用対効果の面で、はたして既存の薬剤に比べて有用なのかを評価し、医薬品採用プロセスの中で薬剤部としての意見を述べています。また、フォーミュラリー(医薬品の院内使用推奨基準)を作成し、標準的な薬物治療の推進、廉価で適切な薬物治療の推進に寄与しています。
当院では通常の薬物治療で十分に治療できない難病や重症の患者さんも多数入院しています。このような患者さんの、医薬品アンメットメディカルニーズについても、薬剤部で有効性・安全性を適切に評価することで、患者さんの治療選択肢を確保し安全を守ります。これらの業務を行うために薬剤師は、薬物治療についての高度な知識を有するとともに、個々の患者さんに必要な医薬品情報を、適切に評価・取捨選択できる能力および医師や看護師等に提供できる能力が必要です。これらの能力を身に付けるために、薬剤部では新人研修を始めとする充実した教育・研修システムを構築しています。また、薬剤師個々が「患者さんのために」との高い意識を持って自己研鑽に励んでいます。
最後に、薬剤部ではこのように薬物治療の適正化,医薬品の適正使用,医療事故の防止を推進しています。常に、患者さんのクオリティオブライフの向上を目指し、患者さんと話し合いながら薬物治療を進めていくことを心がけています。くすりについてのご相談は薬剤師におたずねください。
私たち聖マリアンナ医科大学関連4病院薬剤部では、すべての行動を薬剤部理念に基づくものとし、理念の具体化に向け一丸となり邁進してまいります。
また、その理念を実現するために、目指すべき姿をビジョンとして、薬剤部員がとるべき行動をミッションとして定めています。
患者のQOLを改善するという明確な成果を引き出す目的のために、責任ある薬物治療を提供いたします。(ファーマシューティカルケア)
世界標準のファーマシューティカルケアを実践いたします。
専門資格 | 人数 |
---|---|
医療薬学専門薬剤師(日本医療薬学会) |
1名 |
がん専門薬剤師(日本医療薬学会) |
1名 |
がん薬物療法認定薬剤師(日本病院薬剤師会) |
3名 |
精神科薬物療法認定薬剤師(日本病院薬剤師会) |
1名 |
病院薬学認定薬剤師(日本病院薬剤師会) |
10名 |
外来がん治療認定薬剤師(日本臨床腫瘍薬学会) |
5名 |
日本糖尿病療養指導士(日本糖尿病療養指導士認定機構) |
4名 |
心不全療養指導師(日本循環器学会) |
1名 |
小児薬物療法認定薬剤師(日本薬剤師研修センター) |
2名 |
栄養サポート(NST)専門療法士(日本静脈経腸栄養学会) |
2名 |
日本腎臓病薬物療法学会認定薬剤師(日本腎臓病薬物療法学会) |
1名 |
認定実務実習指導薬剤師(日本薬剤師研修センター) |
5名 |
認定薬剤師(日本薬剤師研修センター) |
14名 |
認定指導薬剤師(日本病院薬剤師会) |
1名 |
抗菌化学療法認定薬剤師(日本化学療法学会) |
6名 |
感染制御認定薬剤師(日本病院薬剤師会) |
1名 |
スポーツファーマシスト(日本アンチ・ドーピング機構) |
4名 |
日本麻酔科学会周術期管理チーム認定薬剤師 |
3名 |
日本救急医学会ICLSインストラクター |
1名 |
救急認定薬剤師(日本臨床救急医学会) |
1名 |
当院では、ICU・CCU・NICU等を含むすべての病棟に専任の薬剤師を配置し、患者さん一人一人の薬物治療に参画しています。
6Rightsの確認を元に、効能効果、禁忌、相互作用など入院患者さんの処方を確認しています。
国内外のガイドライン、添付文書、文献を参考に、更に経済的観点を踏まえて、医師に処方提案をしています。
臨床症状や検査値を参考に薬物治療の効果・副作用などをモニタリングしています。モニタリング内容をカルテに記載し、継続的な観察を行っています。
入院・外来患者さんを対象に、バルプロ酸・バンコマイシン他、約30種類の薬剤を対象にTDMを行い、最適な投与量・投与間隔を算出し、医師にコンサルテーションを行っています。 また、入院患者さんのTDMは病棟薬剤師が病棟業務の一環として行ってます。
入院患者さんのTDMは病棟薬剤師が病棟業務の一環として行っているため、TDM係では1・2年目の薬剤師を対象にTDM研修を行っています。
栄養サポートチーム(NST)、緩和ケアチーム(PCT)、感染管理チーム(ICT)、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)などチーム医療への参加、また医師回診への同行により、医師、看護師、栄養士など他職種との関わりの中で、薬剤師の視点から意見を述べ、患者さんの薬物治療の向上に努めています。
専従者としてチームに参画し、病棟担当薬剤師を含む主治医のチームと連携することで患者さんの抗菌薬適正使用に貢献しています。
適切な栄養療法を提案し、患者の栄養状態の改善をサポートするチームです。多職種カンファレンスや回診に参加し、薬剤師の視点から栄養療法を評価、立案しています。
毎日の回診やカンファレンスに参加し、疼痛コントロールを始め適切な薬物治療を提案することで、患者のQOL向上に貢献しています。
感染制御の専門チームです。多職種カンファレンスや回診に参加しています。手指衛生や消毒薬の適正使用による院内感染対策に寄与しています。
海外の文献や専門雑誌を含めた幅広い情報源を用いて、医師・看護師をはじめとした当院の教職員からの問い合わせに対応しています。さらに、新薬や副作用などのくすりについてのあらゆる情報を集積し、“DIニュース”などの院内情報誌を定期的に発行するなどして院内へ情報を発信しています。2017年度からは、未承認新規医薬品・医療機器担当部門の窓口として未承認医薬品等の評価、医薬品の適応外使用・禁忌使用事例の収集と評価を行っています。
未承認・適応外・禁忌医薬品を臨床上使わざるを得ない症例が存在します。これらの医薬品を使用する場合、病院として評価・把握する必要があります。医薬品の専門家として、評価・管理に携わっています。
入院処方箋は約600枚/日、外来処方箋は約80枚/日を扱っています。外来患者さんの処方は、原則院外処方としており、院外処方箋発行率は約95%です。 監査時には薬剤師の目だけでなく、機械を用いた画像監査システムを導入し、安全対策にも取り組んでいます。
HIVの患者さん、慢性C型肝炎の患者さん、腎移植患者さんに対し、専任薬剤師が服薬指導を行います。治療薬について説明し、継続的な服薬状況の確認を行うことで、アドヒアランスの向上に寄与しています。また、副作用や相互作用についてもモニターし、薬物治療が安全に継続できるよう努めています。
注射処方箋(入院、外来)は約1,800枚/日を扱っています。調剤同様、監査時には薬剤師の目だけでなく、機械を用いた画像監査システムを導入し、安全対策に取り組んでいます。
手術室に薬剤師が常駐し、リスクの高いくすりの管理や術中・術後に使用する麻酔薬を無菌調製しています。また、電子カルテより術前中止薬や薬剤アレルギーの有無などを確認し、医師へ情報提供しています。
麻酔科医師、看護師、栄養士と共に、手術を予定している患者さんと面談し、内服薬の確認(特に抗血小板薬など手術に影響する薬剤の服薬の有無)、アレルギーの有無、既往歴などを確認しています。
【閲覧におけるお願い】
上記推奨期間は、当院での取決めをご紹介しております。手術の種類によっては休薬が不要な手術もあります。参考資料としてのご活用をお願いいたします。
メディカルサポートセンター専任の看護師と連携し、手術や検査を予定している患者さんから内服薬、サプリメント使用の有無、アレルギー歴、副作用歴などを聴取しています。薬の影響による手術の延期など患者さんに不利益が生じないよう支援しています。
市販されていない院内製剤(無菌製剤、滅菌製剤、一般製剤)を調製しています。特殊な組成の高カロリー輸液の無菌調製もしています。 また、がん化学療法導入時の服薬説明や治療中の副作用の確認をしています。必要に応じて、医師へ副作用に対する処方提案をしています。
抗癌剤調製
がんの治療に使われる注射薬の処方内容、スケジュールは非常に複雑なものも少なくありません。患者さん一人ひとりの処方内容・スケジュールを確認し、検査値による投与量等の変更がない事を確認して、注射薬抗がん剤を調整しています。
投薬説明
外来通院で点滴及び内服の抗がん剤治療を受けられる患者さんに対して、くすりの内容や治療スケジュール、副作用の予防や対応方法について説明しています。さらに、その後の治療時にも面談し、自宅での様子や治療についての不安などを伺い、薬剤師の視点で副作用の早期発見に努めています。面談で得られた情報は、医師、看護師と共有し、症状に合わせた処方提案をするなど患者さんが安心して治療を受けられるようサポートしています。
市販されていない医薬品で治療上必要不可欠かつ特殊なくすりを病院内で調製しています。注射薬、点眼薬など無菌的な調製が必要な場合には、無菌室やクリーンベンチを用いた清潔な環境下で調製を行っています。
長期的に食事をとることができない患者さんに対し、高カロリーの栄養輸液を中心静脈から投与する治療を行います。製剤係では、医師が患者さんの検査値、病状を考慮して処方した中心静脈栄養輸液の調製を、無菌室クリーンベンチ内の清潔な環境下で調製しています。
1期当たり30名、年間3期で合計90名の学生を受け入れる体制を整え、薬学部5年生の病院実務実習を行っています。調剤、注射、製剤、医薬品情報、TDM、病棟業務などの実習を行い、将来の薬剤師に必要な資質やスキルを身につけるための教育を行っています。
がん化学療法・TDM・DI・他職種講義
臨床において必要な知識を講義形式で行い、必要に応じて実践実習を行います。また、他職種の講師及び薬剤師から1週間かけて集合講義を行っています。
中央業務・病棟実習
各部署の担当者が実習生を受け持ち、実習生の疑問をその場で解決します。病棟実習では他の医療従事者、患者さんとコミュニケーションを図ることができます。
症例報告会
病棟で担当した患者の中から症例を選び、最適な薬物療法を検討し、症例報告としてまとめます。病棟実習の集大成として、症例報告会で発表します。
ファーマシューティカルケアの理念を実践するために、新入職員を対象とした初期教育から始まり、勤務年数に応じた教育プログラムを用意しています。グローバルな臨床薬剤師を育成するために、臨床教育を積極的に取り入れています。
基礎編では、処方監査に必要な基礎知識やコミュニケーションスキルを学びます。応用編では、代表的な疾患(糖尿病・虚血性心疾患・感染症等)についての薬物治療を学ぶとともに、薬剤ごとのTDMについての理解を深め、臨床薬剤師としての視点を養います。
エビデンスに基づいた治療の実践に不可欠な論文の読み方を演習形式で学びます。臨床への応用力を段階的に身に付けます。研修後は国内外の最新の論文を読み、患者の治療に役立てます。
4病院合同で、毎月第2木曜日委に開催しています。薬局の方にもご参加いただいております。主に、病棟担当薬剤師が、症例を振り返り、最新のエビデンスを元に薬物療法について検討します。その他、検収報告や外部講師を招いて特別講演なども取り入れています。
当院で実施される治験に使用する薬剤を適切に保管し、処方された内容がプロトコールを遵守しているか、また併用禁忌薬が一緒に処方されていないか確認のうえ調剤を行い、被験者の方にお渡ししています。
医療用麻薬は疼痛治療や手術時に使用され治療上重要な薬剤ですが、法律で取り扱いや保管方法が厳しく規制されています。院内で使用される麻薬の購入から施用、残薬の廃棄まで適正に管理を行っています。
令和2年の診療報酬改定に伴い、当院独自の服薬情報提供書を作成いたしました。次回外来受診時までに医師へ伝達が必要と思われる重要な情報がありましたら、下記PDFファイルをダウンロードしご利用ください。
※ 注意事項
抗がん剤については、情報提供書の様式が異なります。聖マリ式 服薬情報レポート(抗がん剤)をご利用ください。
【電話・FAX 番号】
薬剤部調剤室 044-977-8111(代表) 内線:6460
抗癌剤調製室 044-977-8111(代表) 内線:80846 または 5240
FAX 044-977-5752
当院の腫瘍センター(外来化学療法)で実施されるがん化学療法のレジメン情報を公開しています。保険薬局をはじめとする医療機関で患者さんの診療や服薬指導時の参考にしてください。レジメン内容は随時更新していきます。
※ここで公開しているがん化学療法レジメンは、聖マリアンナ医科大学病院レジメン審査委員会で審査され、院内レジメンとして承認されたレジメンです。本資料は、がん治療を受ける患者さんの適正な投与管理を目的として保険薬局薬剤師等に提供されるものであり、その他の目的での用途を想定していません。また、投与量、投与スケジュールについては、患者さんの状態によって変更される可能性があります。
レジメンと同様に、当院の腫瘍センターで共通して用いられる支持療法薬の説明パンフレットを公開しています。副作用に対する対応に関して参考にしてください。
地域医療機関・保険調剤薬局の方へ
当院では、がん化学療法を受けている患者さんの下記のような治療状況の相談、報告を「治療日誌」や「お薬手帳」を介して情報共有しています。
【対象】
・ 抗がん剤治療によるGrade2以上の副作用症状
(緊急性がなく次回の診察への情報提供)
・ その他、患者さんに対する病院側への情報提供(次回の診察への情報提供)
※緊急性のある場合は、医師または腫瘍センター薬剤室にご連絡ください。
◆受付時間 平日8:30~17:00
◆電話番号 044-977-8111(代表)
1.訪問は原則としてアポイント制とする。
2.明確な用件がない場合は敷地内への立入を禁止する。
3.アポイントの時間までMR控え場で待機し、大学・病院内を歩き回ることを禁止する。
4.大学医局、病院のカンファレンスルームなどに無断で立ち入ることを禁止する。
5.訪問時間
月~金曜日 12:15~13:45、16:00~19:00
6.用件が終了したら、速やかに敷地内から退去すること。
新薬ヒアリングは、医薬品の特徴、治療上の位置づけ、監視すべき薬物有害反応、及びRMPに基づいた安全性について説明してください。ヒアリングを申し込まれる場合は、医薬品情報室にお問い合わせください。院内でのプロモーション活動は、ヒアリング後、薬事委員長の承認を得て、実施可能となります。
病院見学を随時受付けておりますので、新卒/既卒に関わらず希望の方は下記の
見学申込アンケートにご記入ください。
見学申込アンケート
また、関東圏以外にお住いで見学を希望されている方は、別途ご相談ください。
薬剤部 担当 前田
TEL 044-977-8111(代表)
メールアドレス:maedam*marianna-u.ac.jp
メール送信の際はアドレス内の「*」を「@」に変換の上、送信してください。
また、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院
☎045-366-1111(代表)
川崎市立多摩病院(指定管理者 学校法人 聖マリアンナ医科大学)
☎ 044-933-8111(代表)
でも見学を随時受け付けておりますので、薬剤部までご連絡ください。
薬剤師正職員(新卒2025年3月卒業対象)を募集しております。応募を希望される方は応募・選考要領の記載に従い応募ください。下記ご参照ください。
https://saiyo.marianna-u.ac.jp/staff/44.html
既卒者若干名および聖マリアンナ医科大学ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニックスタッフ1名を募集いたします。
就職説明会開催のご案内
期日:2024年9月11日(水)
時間:9時~13時
場所:聖マリアンナ医科大学病院
薬剤部 担当 前田
TEL 044-977-8111(代表)
メールアドレス: maedam*marianna-u.ac.jp
メール送信の際はアドレス内の「*」を「@」に変換の上、送信してください。
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