センター長
山野 嘉久(主任教授)
聖マリアンナ医科大学病院 ゲノム医療推進センターは、「がん」や「難治性疾患」で苦しむ患者さんの新たな治療の選択肢としての「ゲノム医療」を実施・推進していくことを目的に、2019年4月に設立、同6月より運用が開始されました。
従来の医療は、各種検査によって病気を診断し、その病気に対して適切な治療を行うことが主流ですが、ゲノム医療は、患者さんや腫瘍の遺伝子の異常を調べることにより、患者さん一人ひとりの病気の状態や体質に合った最適な薬や治療法をテーラーメイドで提供するもので、「精密医療」ともいわれています。ゲノム医療の実践により、病気の治療をより効果的かつ効率的に行うことができると同時に、従来の方法では治療が困難な「がん」や「難治性疾患」等に対して、新たな治療が提供できる可能性を秘めています。
当センターでは、様々な診療科にゲノム医療担当医を配置して、医師、看護師、臨床検査技師、コーディネーター等と綿密に連携を取りながら、より迅速かつ円滑に、患者さんに最善・最適なゲノム医療を提供できる体制を整えています。また、治療に対して心配や不安を抱える患者さんやご家族を支援できるよう、認定遺伝カウンセラーや看護師を配置して相談に応じます。ゲノム医療にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
当病院は「特定機能病院」「地域がん診療連携拠点病院」「難病診療拠点病院」等の指定を受けており、それぞれの分野でより高度で専門的な医療の提供に努めています。また2018年には、厚生労働省の「第3期がん対策推進基本計画」における「がんゲノム医療拠点病院」に指定され、中核拠点病院との連携のもとゲノム医療を実践して参りました。そして、2019年9月には厚生労働省により「がんゲノム医療拠点病院」に指定されました。
当センターの設置により、より多くの患者さんにゲノム医療のことを知っていただき、安心して安全なゲノム医療を受けていただけるよう努力して参ります。また、ゲノム医療は、将来的には「がん」や「難治性疾患」のみならず、幅広い疾患に対して応用されていくことが期待されています。当センターでは、すべての診療科と幅広く連携し、新たなゲノム医療を開発すべく研究推進・普及に積極的に取り組み、より多くの患者さんに、最先端のゲノム医療を安心できる環境で受けていただけるよう、さらに充実させるよう努めて参ります。
がんゲノム診療部 部長
砂川 優(主任教授)
がんゲノム診療部では、がん遺伝子パネル検査を用いた「がんゲノム医療」の普及に努め、地域の患者さんにより最適ながん治療を提供することを目指しています。がんの組織または患者さんの血液を使って多数の遺伝子を同時に調べる「がん遺伝子パネル検査(包括的ゲノムプロファイリング検査)」によって、がん患者さん一人一人の遺伝子の変化や生まれ持った遺伝子の違いを解析し、がんの性質を明らかにすることや、遺伝子異常に基づいた治療を行っています。通院圏外のがん患者さんに対しても新規薬剤のチャンスを提供できるよう、多くの治験を実施、国立がん研究センター等と連携を図り、最新の治療を提供できる連携体制を整えています。受診希望やご質問などありましたらお問い合わせください。どうぞよろしくお願い申し上げます。
遺伝診療部 部長
右田 王介(教授)
当院では、患者さんご自身やご家族の疾患の遺伝に対する不安や心配を相談できる専門外来を開設しております。遺伝医療の発展により、疾患の診断や治療法の選択、発症リスクの予測に遺伝情報を利用することが増えてまいりました。当診療部では、全診療科横断的な協力体制のもと疾患の遺伝学的な問題について取り扱っております。ご本人が病気とは限らなくとも、遺伝にまつわる問題について疑問や不安をお持ちの方に、遺伝学的な情報をお伝えし、取りうる選択肢や対応について一緒に考えるお手伝いをいたします。どうぞお気軽にお声かけください。
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認知症(老年精神疾患)治療研究センター