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Medical Emergency Team

Medical Emergency Team

聖マリアンナ医科大学病院では、院内で発生したあらゆる救急患者の救命を目的としたシステムを整備しています。2004年度より全職員で対応するコード・ブルーを整備したことに引き続き、2010年度より院内救急対応システム(RRS:Rapid Response System)を導入しています。
RRSとは、①患者さんが急変する前にその病態を覚知してMedical Emergency Team(MET)をコール(RRSの起動) ②Medical Emergency Teamが現場に急行して、主治医グループらと診療を行う ③急変データを収集、解析して改善点を探る ④病院全体で問題点を改善して、患者安全を更に推進させていくという4つのコンポーネントから成り立っています。
METの活動は24時間体制で医療安全を推進するためのチーム医療を提供しています。当院ではわが国でもいち早くシステムを導入して、その成果を全国に発信しています。

METとは

Medical Emergency Team(MET)は、救命救急センター所属医師と看護師からなるチームで、運営にはその他のコメディカルや医療事務スタッフが携わっています。RRSが起動された場合、専用PHSで連絡を受けたMETリーダーの指示により患者さんの診療を行います。
METリーダーは日本救急医学会・日本集中治療医学会専門医資格を有し、その他にも指定された資格を取得することで診療の質を担保するようにしています。
診療は自己完結ではなく、院内における救急・重症患者さんの救命を目的に共同診療を推進する要として活動しています。

RRS起動基準とは

Rapid Response System起動基準-1-

項目 内容 指標 Code
全般事項 患者に関する何らかの懸念 Ga
呼吸器系 新たな自発呼吸回数の変化 8回/分以下 又は 28回/分以上 Ra

新たな酸素飽和度の低下

SpO2 90%未満

Rb
循環器系

新たな収縮期血圧の変化

90mmHg 未満

Ca

新たな心拍数の変化

40bpm以下 又は 130bpm以上

Cb

尿路系

新たな尿量の低下

50mL/4hr以下

Ua

神経系

新たな意識レベルの変化

  Na

医療安全全国共同行動(行動目標6)による

上記のいずれかを満たし、かつMedical Emergency Teamの起動が適当と判断された場合

Rapid Response System起動基準-2-

項目 内容 指標 Code
全般事項 患者に関する何らかの懸念 G1
呼吸器系 自発呼吸回数 8回/分未満 又は 36回/分以上 R1
呼吸苦 新たな呼吸苦の出現 R2
SpO2 5分以上にわたる新たなSpO2 ≦85% R3
そのほか 気道内出血、もしくは気道内出血に伴う誤嚥 R4
循環器系 脈拍 新たな症状を伴った40回bpm以下か
130bpm以上 又は 160bpm以上
C1
収縮期血圧 90mmHg未満 又は 200mmHg以上 C2
胸痛 新たな胸痛 C3
ニトログリセリンに反応しない胸痛、
もしくは医師の指示が仰げない胸痛
C4
不整脈 新たな異常な脈 C5
尿路系 尿量 新たに発生した50mL/4hr以下 U1
神経系   急激な意識消失 N1
新たな意識状態の変化、歩行障害 N2
意識障害に伴う急激な転倒 N3
新たな脳卒中、痙攣 N4
新たな顔面や四肢の麻痺 N5
そのほか   緊急に医師の処置が必要であるにもかかわらず迅速に連絡が取れない時 O1
チアノーゼなど皮膚色の急激な変化 O2
10分以上の異常な興奮 O3
自殺企図 O4
制御不能な出血 O5
麻薬拮抗薬に反応しない意識障害 O6
HCU内における新たな外傷 O7
制御不能な疼痛 O8

制御不能な30分以上にわたる嘔気/嘔吐

O9

上記のいずれかを満たし、かつMedical Emergency Teamの起動が適当と判断された場合

RRSの4つのコンポーネント

Afferent component
(Crisis detection)
(Triggering mechanism)
患者の異常に気付くこと
患者のモニター
RRSの起動
Efferent component METが現場に急行する
RRS起動に対する対応
Process improvement component RRS起動記録を作成して、アウトカムを評価する
データ収集と解析
改善のための提言
Administrative component MET/RRT、起動者にフィードバックをする
システムの維持
スタッフ教育
資源提供

RRSとMET

RRSとMETの図