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お知らせ

アルツハイマー病新薬「レカネマブ(製品名レケンビ®)」に関するお知らせ(更新)

2024.07.22 患者さん・ご家族の方へ

関係各位

アルツハイマー病新薬「レカネマブ(製品名レケンビ®)」に関するお知らせ  更新)2024.07.22

 「レカネマブ(製品名レケンビ®)」は令和5年12月20日付けで国内販売が開始となった、「アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度の認知症(≒早期アルツハイマー病)の進行抑制」を効能・効果とする新規認知症治療薬です。
 この新薬は、治療導入に際して、厚生労働省の最適使用推進ガイドラインが定める複数の基準を遵守することが定められていることから、全国的にも治療導入が可能な施設(医療機関)は限られています。当院では安全かつ確実なレカネマブ治療体制の準備を整え、今春から新薬診療を開始しております。
※なお新薬は早期アルツハイマー病の進行抑制が治験結果から示されていますが、「完全な治癒」をもたらす作用は示されておりません。

受診のご案内
 当院では脳神経内科と神経精神科が全面的に協力体制を取りながら新薬診療に臨んでいます。
近隣医療機関様で先ず診療情報提供書を作成して頂き、専門外来枠を初診にて受診してください。専門外来枠とは、両診療科に設置した「早期AD新薬相談外来」になります(隔週木曜:脳神経内科、毎週水曜・金曜:神経精神科に予約枠があります)。《お申込みは通常紹介と同様の流れですが(https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/medical/referral.html)、お申込みの際に「早期AD新薬相談外来」の予約希望であることを必ずお伝えください。》
 専門外来を受診したのちに、頭部MRI、臨床重症度判定、認知機能検査等の目的を1日で実施する「日帰り入院」をして頂きます。新薬治療適応の可能性があると判断された患者さんについては、引き続きアミロイドPET検査等の詳細検査がございます。医師が全体の結果を説明したうえで、最終的に新薬の治療導入になると判断した場合には、新薬導入目的での短期入院(2泊3日)の予定日程を決め、治療開始となります。

対象となる患者様
 上記の通り、「アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度の認知症と診断された方」に限定されます。医学的には上記の状態を「早期アルツハイマー病」の状態にある、ともいいます。「中等度の認知症」や「アルツハイマー病以外の疾患による軽度認知障害」の患者様等は対象から外れますことにご留意ください。
 また、副作用リスクや脳内アミロイド蓄積の程度などを各種の画像検査で確認・検討したうえで、この新薬の投与対象に該当するどうか、総合的に決定していきます。そのため、希望した方全員が新薬導入対象者となるわけではありませんことをご了承ください。

投与開始時・開始後のスケジュール
初回投与は副作用確認のため、短期入院(2泊3日)体制で実施いたします。その後は2週間おきにご来院いただき、外来処置室で薬剤を投与します。投与方法は点滴による薬剤投与です。約1時間で終了します。投与開始後に、脳の浮腫や微小な出血といった副反応が生じる可能性があるため、投与開始後も複数回、脳MRI検査を行いながら副反応の有無を確認します。具体的には投与開始後はじめの半年間の間に、2か月後・3か月後・6か月後の3回頭部MRIを実施することが最適使用推進ガイドラインに定められています。

治療費用について
健康保険が適用となる薬剤です。また、この新薬を使用した治療にかかる医療費に関しては「高額療養費制度」が適応となります。詳細は当院医事課にご確認ください。

                                                                                        
 病 院 長 

更新日:2024年7月22日 
認知症(老年精神疾患)治療研究センター

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