統合失調症は思春期から青年期に発症することが多く、長期間の治療が必要な慢性疾患です。生涯発病率は約0.85% (120人に1人) で、比較的頻度の高い病気といえます。代表的な症状としては、
があります。
統合失調症の病因は現在も不明ですが、脳内の情報伝達を行う神経伝達物質のひとつであるドパミンのバランスがうまくいかないためであるという仮説が有力です。
このため治療はドパミンの神経伝達を調整する薬物療法が最も重要です。薬物療法は、以前はハロペリドールを代表とする第一世代抗精神病薬が中心でしたが、現在は錐体外路症状(手の震えや体のこわばりなど)や眠気などの副作用が少ない第二世代抗精神病薬が第一選択となっています。
現在も次々に新しい新薬や剤形が開発されており、幻覚や妄想を消失させるだけでなく、治療本来のゴールである病前の機能回復、すなわち社会復帰により近づくことが可能になりつつあります。
しかしながら、薬物治療が中断したり適切に行われなかったりすると、再発や再燃を繰り返しながら徐々に病態が進行して、社会的・職業的機能が低下していく可能性があるため、早期から適切な治療的介入を開始しそれを継続する必要があります。
統合失調症治療センターでは、神経精神科外来において本疾患の臨床研究を行うとともに、当事者の生活の質の向上と社会復帰を目指して、合理的で有効性の高い薬物療法の普及に努めています。
また平成20年4月からは、これから発症する可能性の高い方(ご家族がすでにこの病気を発病されている方など)や、軽い(微弱な)陽性症状が出現し始めている方などを対象として、早期の鑑別診断や、心理社会的支援と薬物療法などの早期介入を目指した専門外来を開設しております。
当センターでは患者さんやご家族と我々との“出会いを大切にする”という思いをこめて、この専門外来をMEET (Marianna Early detection and Early Treatment)と名付け、発症の予防や遅延とともに、患者さんの生活の質の改善と機能向上に努めていきたいと思っています。
センター長
古茶 大樹(主任教授)
神経精神科一般外来および専門外来において、統合失調症患者さんの機能回復と社会復帰をゴールとして、合理的な薬物療法を目指した取り組みを行っています。また、発症リスクの高い方や、すでに何らかの症状が出現しはじめている方などを対象として、発症初期段階での鑑別診断や早期治療、さらには発症予防にもつながる活動にも取り組んでいます。
平日午前に、神経精神科一般外来を受診して下さい。その際は、紹介状を必ずご持参ください。その後、該当する患者さんにつきましては、当センタースタッフが担当させていただきます。
初診は平日9:00~11:00
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認知症(老年精神疾患)治療研究センター