キービジュアル

呼吸器外科

呼吸器外科

主病棟 入院棟7階東
外来 病院本館2階東外来

ご挨拶

呼吸器外科専門医、がん治療認定医、気管支鏡専門医などの資格を持つ熟練スタッフが責任をもって最新の治療を行います。

原発性肺癌をはじめとし、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、自然気胸などさまざまな疾患を対象とした外科治療を行っています。最近は胸腔鏡・機能温存手術など「身体に優しい手術」を心がけています。進行した肺癌にも呼吸器内科・放射線治療科と密接な相互連携のもと集学的治療により「あきらめない肺癌治療」も提供しております。川崎北部の高度先進医療機関として地域の病院・クリニックの先生方と協力体制を構築しております。身近なかかりつけの先生とご相談しご紹介下さい。

佐治 久(主任教授)

診療部長

佐治 久(主任教授)

診療内容

原発性肺癌をはじめとし、転移性肺悪性腫瘍、良性肺腫瘍、縦隔腫瘍、自然気胸、嚢胞性肺疾患、胸壁疾患、先天性肺疾患、慢性膿胸、手掌多汗症などさまざまな疾患を対象とした呼吸器外科手術を年間280例以上行っています。
肺癌は高齢化に伴って急速に増加していますが早期に発見された場合は、外科治療で完治させることも可能です。通常のレントゲン写真のみでは発見困難な肺癌に対し、胸部CT、FDG-PET、蛍光気管支鏡、超音波気管支鏡などを行い、的確かつ迅速な診断・治療を行っています。
長引く咳や血痰のある方、喫煙歴のある方、胸部検診で異常を指摘された方などは、是非一度ご相談においで下さい。

対象疾患

  1. 原発性肺癌
    呼吸器外科の治療対象疾患は原発性肺がんが最も多く、呼吸器内科医・呼吸器外科医・放射線科医等が参加する多職種カンファランス(Cancer Board)での検討に基づき治療方針を決定しております。手術適応と診断される場合には根治を目指した外科手術を行っております。主に低侵襲機能温存を目的とした胸腔鏡・縮小手術を行っております。
    進行例に対しては適切な治療を選択し、術前に化学療法、放射線療法などの導入療法を行い、腫瘍を縮小させてから根治切除を行うこともあります。さらに症例によっては先端医療を導入した臨床治験にご参加いただき、最近では周術期に分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤を加え、手術を行う集学的治療も積極的に行っております。肺がんは他のがんと比較して予後不良であり、術後の再発リスクが高いという特徴があります。術後外来では定期的検査を行い、再発症例に対しては臨床治験も含めて積極的に薬物治療を行います。最近では、分子標的治療薬や免疫治療薬の開発が進み、その成績も向上しており、切除例では肺がんの各種遺伝子異常やタンパク質発現を検索し、再発の際に適切な薬剤選択が迅速にできるようにしております。ご本人、ご家族に対しては、検査や治療方針について担当医から十分な説明を行い、ご理解を頂いた上で、ご納得いただける診療を行っております。
    セカンドオピニオン外来の受診を希望される場合にはメディカルサポートセンターまでご連絡下さい。
    術後の傷跡
    胸腔鏡・縮小手術の様子
  2. 転移性肺悪性腫瘍
    転移性肺悪性腫瘍には様々な癌腫からの肺内転移があり、多くは他科からの依頼によって手術適応を判断することになります。原発性肺がん同様に低侵襲機能温存を目的とした胸腔鏡手術を行っております。
  3. 気胸
    気胸には自然気胸と続発性気胸があります。自然気胸は10代、20代の若年男性に突然発症することの多い疾患です。一方、続発性気胸は肺気腫のある高齢者に多い疾患です。肺の虚脱によって呼吸困難となることがあり、早急な対応が必要です。呼吸器外科では近隣の診療所からの紹介を常時受け付けており、緊急手術にも対応しています。
  4. 縦郭腫瘍
    縦隔腫瘍は、のう胞性病変などの「良性腫瘍」から、胸腺癌や悪性リンパ腫といった「悪性腫瘍」まで、さまざまな腫瘍があり場所により発生しやすい腫瘍が異なります。最も多い縦隔腫瘍は前縦隔に発生しやすい胸腺腫です。その他、胸腺のう腫、奇形腫、胚細胞腫瘍、気管支のう腫、心膜のう腫、神経鞘腫などがあります。主に胸腔鏡下切除を行います。比較的大きな悪性腫瘍に対しては拡大手術や抗がん剤や放射線を併用した集学的外科治療も積極的に行っています。
初診外来 再診外来 専門外来
午前 木村祐之 木村祐之
○佐治久(紹介のみ)
午後

【単孔式外来】

本間崇浩

午前 ○佐治久 ○佐治久
午後
午前 △小島宏司 △小島宏司
午後 酒井寛貴
午前 本間崇浩 本間崇浩
午後

【単孔式外来】

本間崇浩

午前 △丸島秀樹 △丸島秀樹
午後
午前

○佐治久(8月3日・10日・17日・24日・31日)

交替制

午後

〇=部長、△=副部長、[非]=非常勤

都合により変更になる場合があります。

午後は原則再診のみ(予約制)

( )内の数字は第何週目かを示しています。

休診・代診のご案内

日程 診療科 変更内容
小島宏司医師の外来を休診します。
木田博隆医師の午後外来を休診します。
小島宏司医師の外来を休診します。
  1. 臨床応用可能な人工気管開発を目指し動物実験を行っています。従来は気管腫瘍に対する広範囲切除は困難でしたが、われわれの動物実験では特殊な人工気管を移植して長期生存が可能になりました。今後は再生医療技術も導入し、さらに実用化に近づける予定です。
  2. 肺癌細胞の遺伝子やタンパク質の解析を行って、治療効果や腫瘍悪性度との関係を研究しています。肺癌の遺伝子異常やタンパク質発現異常を分析することで、個々の症例に適した手術方法や、治療薬剤の選択(個別化治療)が可能になると考えています。
    現在、臨床情報や臨床上得られた検体材料を2次利用した各種臨床研究(下記ご参照)を進めています。外科的治療経過中のインフォームドコンセントにおいて包括的同意も含めてご説明しております。目的に関わらず臨床情報を利用する際には、個人が特定されるような情報を除いて使用いたしております。
    下記臨床試験に関するご質問・お問い合わせや2次利用にご同意いただけない場合には担当医に申し出て下さい。
    1. 肺癌遺伝子解析に基く至適治療法の開発に関する研究
    2. 肺癌症例データベース構築による臨床病理学的因子のレトロスペクティブ解析
    3. コバスEGFR法とLDT法を用いたEGFR変異検出に関する比較研究(アストラゼネカ共同研究)
    4. 臨床プロテオゲノミクス(MS-based Clinical Proteogenomics)による、非小細胞肺癌(NSCLC)患者EGFR遺伝子変異の有無(EGFR(+/-))と結びついた疾患関連タンパク質-タンパク質相互作用ネットワーク/癌関連パスウェイの探索研究(中外製薬共同研究)研究情報
  3. 肺癌登録合同委員会・日本呼吸器外科学会学術委員会・National Clinical Databace等各種登録事業に関する臨床研究
    日本肺癌学会、日本呼吸器学会、日本呼吸器外科学会、日本呼吸器内視鏡学会の4学会が合同で運営する肺癌登録合同委員会は、日本の肺癌診療の診療成績を把握するため、定期的に全国の施設に協力を求めて、大規模データベースを構築してきました。
    肺癌登録合同委員会は、今回、第7次事業として2010年の原発性肺癌外科治療症例の後ろ向き登録を開始することになりました。登録症例の解析結果をもとに、最新の肺癌治療成績を把握し、今後の肺癌診療に活かしていく予定です。また当事業の症例データベースは世界肺癌学会の国際データベース事業とも共同して、国際対癌連合(Union internationale contre le cancerあるいは The Union for International Cancer Control、略してUICC)による TNM分類の改定にも貢献する予定です。研究計画書は、事務局である大阪大学 呼吸器外科学のホームページにも掲載されていますので、必要な場合はご確認ください。

    研究計画書の図

    • 研究課題名:2021年に外科治療を施行された肺癌患者のデータベース研究(承認番号:第5332号)研究内容
  4. 胸部外科手術に対する術前シミュレーション・術中ナビゲーションシステムの開発を行っております。術前CT画像(DICOMデータ)により高次元医療画像解析ソフト(3D)を用いて安全・確実・高品質な手術の遂行に役立てています。最近ではAIを用いた周術期管理ソフトの開発も進めています。

    術前CT画像

  5. 肺癌治療における臨床試験・先進医療・治験による新しい治療の開発を行っております。日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)をはじめとする多施設共同臨床試験グループに参画・立案・企画・遂行し、本邦から新しいエビデンスを発信する中心施設の一つとして日々努力しております。現在、下記多施設共同臨床試験を遂行しております。各種試験に関するご質問・お問い合わせは担当医に申し出て下さい。
    1. JCOG1413
      臨床病期Ⅰ/Ⅱ期非小細胞肺癌に対する選択的リンパ節郭清の治療的意義に関するランダム化比較試験
    2. JCOG1708
      特発生肺線維症(IPF)合併臨床病期I期非小細胞肺癌に対する肺縮小手術に関するランダム化比較第III相試験
    3. JCOG1906
      胸部薄切CT所見に基づく早期肺癌に対する経過観察の単群検証的試験
    4. JCOG1909
      肺葉切除高リスク臨床病期IA期非小細胞肺癌に対する区域切除と楔状切除のランダム化比較試験
    5. JCOG1916
      病理学的N2非小細胞肺癌に対する術後放射線治療に関するランダム化比較第III相試験
    6. JCOG2012
      病理病期II-IIIA期非小細胞肺癌に対する術後サーベイランスに関する ランダム化比較試験
    7. JCOG1710A
      高齢者肺癌手術例に対するADLの転帰を評価する前向き観察研究
    8. JCOG2208A 
      cIA期肺癌を対象として薄切CTと臨床所見から人工知能で病理・予後予測アルゴリズムを探索的に構築する統合解析研究
    9. PIT-2
      縦隔リンパ節転移を有するⅢA期肺原発扁平上皮癌に対する術前導入療法としてのCDDP+TS-1+同時胸部放射線照射(45Gy)後の手術の第Ⅱ相試験
    10. CRES3T
      Superior sulcus tumor に対する術前導入療法としてのCDDP+TS-1+同時胸部放射線(66Gy)後の手術の有効性検証試験
    11. JACS1303
      高齢者肺癌に対する外科治療の安全性と有効性を評価するための多施設共同前向き研究
    12. REVEAL-IP
      間質性肺炎合併肺癌切除患者における術後急性増悪予測リスクスコアバリデーションスタディー -多施設共同非介入前向き研究-

    試験の記述資料

一覧に戻る

診療科・部門のご案内