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呼吸器内科

呼吸器内科

主病棟 新入院棟7階東
外来 病院本館2階内科東
対応疾患 呼吸器疾患一般、肺癌、間質性肺炎、COPD(肺気腫)、胸膜中皮腫、気管支喘息、再発性多発軟骨炎、気管気管支軟化症、難治性気胸

ご挨拶

肺癌、肺気腫、気管支喘息、間質性肺炎、呼吸器感染症など様々な呼吸器疾患について、呼吸器病センターをともに形成する呼吸器外科と密接に連携し、『特定機能病院の呼吸器内科』としての役割を果してまいります。

種々の呼吸器疾患を的確に診断し、治療に際しては患者さんの立場を配慮し、QOLを重視してベストの治療法を選択する、という姿勢で努力していく所存ですが、私共の診療はこの地域の医療機関の皆様に支えられてこそ成り立つもの、と考えております。今後ともよろしくお願い申し上げます。

峯下 昌道(主任教授)

診療部長

峯下 昌道(主任教授)

診療内容

  1. 肺がんの診断および治療
    気管支鏡による肺がん診断率は90%前後と高い水準を維持しております。呼吸器外科、放射線科と連携し、適切な治療を行います。また多施設共同臨床試験や治験にも参画しております。
  2. 慢性閉塞性肺疾患
    薬物治療に加え、理学療法にも取り組みます。
  3. 気管支喘息
    生物学的製剤を用いた治療や気管支熱形成術にも対応しています。
  4. 間質性肺炎
    適応に応じて抗線維化薬による治療を行い、膠原病関連についてはリウマチ・膠原病・アレルギー内科と連携して診療にあたります。
  5. 各種肺炎
    地域の病院や診療所と連携して診療にあたります。

その他、各種呼吸器疾患に対応いたします。

対象疾患

  1. 当科の特徴である『呼吸器インターベンション』については、本邦のパイオニア的存在である宮澤輝臣前教授の指導の下、中枢気道狭窄病変に対する硬性気管支鏡を用いたレーザー焼灼、バルーン拡張、ステント留置等を組み合わせた気道拡張術を今後も継続して行います。なお気管支腔内の早期肺癌に対してはダイオードレーザーによる光線力学的治療を施行し完治を目指すことも可能です。また難治性気胸に対して気管支塞栓子(EWS)と胸膜癒着を組み合わせた治療にも取り組み、成果をあげています。
    重症難治性喘息に対する気管支熱形成術(Bronchial Thermoplasty)は平成26年に保険承認され、平成27年6月から当院でも開始いたしました。また肺気腫に対しても、一方向弁による気管支鏡的肺容量減量術の臨床治験に参加し1例実施、また本邦1例目の形状記憶コイルによる肺容量減量術を実施する等、近い将来の気管支鏡的肺容量減量術の導入に備えて準備中です。
    当医局はこれまでの実績からこれらの新技術を本邦に導入する際の中核的施設の一つと位置付けられております。
    今後もこれまでと同様に呼吸器外科、麻酔科の協力を得て、呼吸器インターベンションの分野で国内外をリードし続けていけるよう力を注いでまいります。
  2. 気管支鏡や胸腔鏡を用いた呼吸器疾患の診断は当科の最も得意とする分野であり、これまで蛍光気管支鏡、狭帯域光気管支鏡、あるいは気管支腔内超音波等の気管支鏡技術の進歩を臨床に導入してまいりました。最近では気管支鏡による肺がん診断率は90%前後と高い水準を維持しております。クライオ生検等、新たな診断技術を積極的に導入し、より高い診断率を得ることができるよう研鑽していきたいと思います。
  3. 患者が急増している肺がん治療にも重点的に取り組みます。週1回呼吸器外科、放射線科とカンファレンスを開催し肺がんの速やかな診断と治療方針決定を心がけ、進行期肺がんに対する抗がん剤治療に関しては日々進歩する化学療法の知見を遅滞なく導入し治療成績の向上に努めるとともに、多施設共同の臨床研究にも積極的に参加しています。緩和医療を含めた肺がん診療全般の質を向上させていくために日々努力してまいります。
初診外来 再診外来 専門外来
午前 篠﨑勇輔 △井上健男
鶴岡一
午後 △井上健男
鶴岡一
[COPD]
〇峯下昌道
午前 西由紘 森川慶
松澤慎
午後 森川慶
松澤慎
午前 沼田雄 △半田寛
阿座上真哉
午後 △半田寛
阿座上真哉
午前 上野純子 〇峯下昌道
木田博隆
午後 〇峯下昌道
木田博隆
午前 松島彩 石田敦子
村岡弘海
午後 石田敦子
村岡弘海
午前 木下康平(1,3)
上野純子(2,4)
午後

〇=部長、△=副部長、[非]=非常勤

都合により変更になる場合があります。

午後は原則再診のみ(予約制)

( )内の数字は第何週目かを示しています。

休診・代診のご案内

現在「休診・代診のご案内」はありません。

当科の気管支鏡検査について

肺悪性疾患疑いに対する経気管支肺生検(transbronchial biopsy: TBB)の診断率は、過去5年で平均91%と高い水準を保っております。
検査の事前準備として、十分に気管支の枝読みを行い(症例によりナビゲーションシステムを併用)、使用スコープや診断補助器具(EBUS-GS、クライオプローブ等)を気管支鏡カンファレンスで厳密に選定します。検査に際し下記手順の励行に加え、2020年から検査中の迅速細胞診(rapid on-site cytologic evaluation: ROSE)を導入し、現場で検体の質と量を評価し処置回数に反映するなど、検査内容の質を向上させております。また最高画質の気管支鏡(ハイビジョンスコープ)の導入により、これまでにない知見も収集しながら、安全性の高い検査を提供しております。

気管支鏡検査の様子

当科では、①安全性向上および低侵襲(楽な気管支鏡)、②検査の質の向上、③情報整理と集約の3項目を柱とし、引き続き研究内容の発信と実診療への還元に努めてまいります。
なお検査内容については下記からもご参照頂けます。

主な研究内容

  1. 気道狭窄に対するステント留置に関する研究
  2. 超音波気管支鏡(EBUS)の臨床研究
  3. 超音波ガイド下経気管支針生検(EBSU-TBNA)の臨床研究
  4. 肺癌の各種化学療法、分子標的治療に関する臨床研究
  5. 末梢型肺癌の診断に関する臨床研究
  6. CT画像情報を用いた閉塞性肺疾患の病態解析
  7. 気管支熱形成術に関する臨床研究
  8. COPD(肺気腫)の内視鏡的治療
  9. 難治性気胸の治療に関する臨床研究
  10. 局所肺機能測定用気管支鏡の開発
  11. レーダーを用いた肺機能検査に関する研究

機能的気管支鏡
(Functional bronchoscopy)について

当科は宮澤輝臣前教授の指導の下、中枢気道狭窄病変に対する呼吸器インターベンションを行ってきました。その過程において、治療方針の決定や治療効果判定のために局所肺機能の評価が極めて重要であることを経験し、呼吸器インターベンションにおける気管支鏡を用いた局所の呼吸機能評価する『機能的気管支鏡』の研究に取り組んでいます。従来行われている呼吸機能検査やCTによる術前評価に加え、当科では手術中に機能的気管支鏡で迅速に治療の効果判定を行い、追加治療の必要性を評価しています1,2)。気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患等への応用に向けて、今後も研究に取り組んでまいります。

1) Nishine H, Hiramoto T, Kida H, et al. Assessing the site of maximal obstruction in the trachea using lateral pressure measurement during bronchoscopy. Am J Respir Crit Care Med. 2012;185(1):24-33.

2) Nishine H, Hiramoto T, Handa H, et al. Assessment of Extensive Airway Obstruction Using Point-by-Point Lateral Pressure Measurements during Bronchoscopy. Respiration. 2021;100(7):611-617

肺癌の研究について

  1. 肺癌のDriver遺伝子異常の診断/
    治療開発についての研究

    現在は肺癌の診断において最も重要ことは、個々の患者さんのDriver遺伝子異常を確実に診断し、適切な分子標的治療治療に繋げることです。当科は2013年より国立がん研究センター東病院を中心としたLC-SCRUMの中核施設として参加し、肺癌診断における次世代シークエンサー(NGS)やマルチプレックスPCRの開発および新規Driver融合遺伝子の発見等の研究を行って参りました1)。当院は、『がんゲノム医療拠点病院(全国33施設)』にも指定されており、がんゲノム医療の更なる発展のための研究も継続しています。また、実地臨床で用いるNGSでは検出できないが、治療標的として有望である稀少遺伝子異常の診断・治療についても実績を有しております(図1)2)。稀少遺伝子変異を有する患者さんについては、当院腫瘍内科や国立がん研究センター中央病院/東病院とも連携し、適切な治験への紹介を積極的に行っています。

    1) Izumi H, Matsumoto S, Liu J, et al. The CLIP1-LTK fusion is an oncogenic driver in non-small-cell lung cancer. Nature 2021, 600(7888): 319-323.

    2) Furuya N, Matsumoto S, Kakinuma K, et al. Suitability of transbronchial brushing cytology specimens for next generation sequencing in peripheral lung cancer. Cancer Sci 2021, 112(1): 380-387.

    図1. 当院で診断された非小細胞肺癌(非扁平上皮癌)のDriver遺伝子異常の内訳

    非小細胞肺癌(非扁平上皮癌)のDriver遺伝子異常の内訳

  2. 肺癌の薬物療法についての研究
    薬物療法の分野においては、臨床試験グループ(TORG/NEJSG/WJOG)主導の多施設共同臨床試験、企業治験、医師主導治験を行っています。これまでにも肺癌診療ガイドラインに引用されるようEvidenceの確立にも寄与してきました3)。また抗がん薬物療法のみならず、制吐薬などの支持療法の臨床研究も行っております4)。

    3) Saito H, Fukuhara T, Furuya N, et al. Erlotinib plus bevacizumab versus erlotinib alone in patients with EGFR-positive advanced non-squamous non-small-cell lung cancer (NEJ026): interim analysis of an open-label, randomised, multicentre, phase 3 trial. Lancet Oncol 2019, 20(5): 625-635.

    4) Ito Y, Tsuda T, Minatogawa H, et al. Placebo-Controlled, Double-Blinded Phase III Study Comparing Dexamethasone on Day 1 With Dexamethasone on Days 1 to 3 With Combined Neurokinin-1 Receptor Antagonist and Palonosetron in High-Emetogenic Chemotherapy. J Clin Oncol 2018, 36(10):1000-1006.

気管支鏡検査について

当科では、①安全性向上および低侵襲(楽な気管支鏡)、②検査の質の向上、③情報整理と集約の3項目を柱とし、研究内容の発信と実診療への還元に努めてまいります。気管支鏡検査のご依頼は初診外来(月~土曜午前)で受け付けておりますが、緊急の際は当番医に直接お問い合わせください。

中枢気道狭窄症例に対する
内視鏡治療について

当院では中枢気道狭窄に対する内視鏡治療を積極的に行っています。まずは緊急性の有無を確認しますのでお手数ですが下記相談医に電話で連絡をください。緊急性が低い場合は地域連携を通して外来予約をお願いしていますが、緊急性が高いと判断した場合は即日転院などの調整を行います。

相談医
午前 半田
午後 半田
午前 鶴岡
午後 鶴岡
午前 鶴岡
午後 鶴岡
午前 半田
午後 鶴岡
午前 緊急当番医
午後 半田

定時処置日:火曜日午後、木曜午前(第1、3)

上記以外でも緊急対応可能な場合もあります。

「専門外来:RP外来(呼吸器)
(木曜午後14:00-16:30)」について

木曜日午後にリウマチ・膠原病・アレルギー内科で再発性多発軟骨炎(RP)の専門外来(RP外来)が行われておりますが、気道病変を有する患者様は呼吸器内科で介入が必要な場合は併診しております。
RPは気管気管支軟化症を発症することがあり、予後に影響を及ぼす病態ですので呼吸機能検査、胸部CTで気道病変の評価を行い、軟化症を発症している場合にはまず非侵襲的にマスク型の陽圧換気の適応の有無を判断します。必要時には気管支鏡による評価や気道ステント治療を検討します。

呼吸機能検査の画像

呼吸機能検査

鼻口タイプの陽圧換気の画像

鼻口タイプの陽圧換気

気管支鏡検査の画像

気管支鏡検査

各種検査の御説明

気管支鏡検査:
気管支腔内超音波(EBUS)

所要時間:20分
肺がん等の呼吸器疾患が疑われる患者さんを対象に、気管支鏡で病気の場所から組織や細胞を採ってくる検査です。採取した標本は悪性かどうかの判定や細菌の同定等に使用されます。末梢の病変には超音波ガイドシース法を用いて高い診断率が得られています。

経気管支リンパ節生検:
コンベックスタイプの超音波ガイド下針生検(TBNA/EBUS)

所要時間:20~30分
コンベックスタイプの超音波ガイド下針生検でリアルタイムに針が観察でき安全に縦隔リンパ節等、気管・気管支外の病変を穿刺することができる、肺癌の臨床病期分類等に非常に有用な検査です。その他サルコイドーシスなどの縦隔リンパ節が腫大する疾患の診断にも応用されます。

蛍光気管支鏡(AFB)
狭帯域光気管支鏡(NBI)

所要時間:10分
普通の気管支鏡ではわかりにくい早期中心型肺癌ですが、蛍光気管支鏡は自然蛍光の欠損によりこのような病変を検出することが可能で、早期治療に結びつけることができます。同様に狭帯域光気管支鏡は悪性疾患に伴う異常血管新生を早期に検出することができます。

気道拡張術:
気管・気管支ステント留置

所要時間:60~120分
気管や気管支が腫瘍性病変等により狭窄すると呼吸困難を来し、場合により窒息死の危険も生じます。この狭窄病変に対して気管支鏡を用いて、アルゴン・プラズマ凝固(APC)、バルーン拡張、スネアによる腫瘍切除、硬性鏡によるコアアウトを組み合わせて治療いたします。拡張を維持するため、ステントという筒を狭窄部位に留置することもあります。ステントはシリコン製と金属製とハイブリッドタイプがあり、一長一短があるので最も適したステントを選択して使用しています。硬性気管支鏡で全身麻酔下に施行する場合と局所麻酔下で気管支ファイバースコープを用いて治療する場合があります。

PDT(光線力学的治療)

所要時間:60~120分
光線感受性物質を注射後に腫瘍に集まった時に低出力レーザーを照射して壊死を起こさせる治療で、特に早期中心型肺癌の場合、光線力学的治療で完治を目指すことができます。外科的手術できない場合などの代替治療として有用です。

気管支熱形成術
(Bronchial Thermoplasty;BT)

所要時間:1回の治療は30-60分(3回実施)
重症持続型喘息患者を対象としたBTは経気管支鏡的に挿入したプローブで気管支平滑筋に熱変性を与える方法であり、喘息の発作を抑制し生活の質を改善させる治療です。18歳以上の内科的な治療でコントロール不十分な重症持続性喘息の治療として平成27年4月から保険診療での実施が可能となりました。3回の手技を3週間以上の間隔を置いて実施します。当院では原則として全身麻酔で治療を行っています。

気管支充填術

所要時間:30~90分
外科手術による治療が困難な難治性気胸や肺瘻に対して経気管支鏡的に気管支塞栓子(EWS)を用いて気管支を閉塞する治療です。必要により気管支造影で気漏部位を確認し、胸膜癒着術も併用します。

内科的胸腔鏡による診断

所要時間:30~120分
局所麻酔で胸壁を一カ所小切開して先が軟性である胸腔鏡を胸腔内に挿入し、直接観察しながら胸膜の病変部から組織を採取し診断を安全に行う検査です。

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