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ハートセンター

ハートセンター

ご挨拶

原田 智雄(病院教授)

センター長

原田 智雄(特任教授)

聖マリアンナ医科大学病院ハートセンターでは、循環器内科、心臓血管外科の専門医およびさまざまなメディカルスタッフが協力して24時間体制で循環器系救急および慢性疾患の診断、治療にあたっております。20231月よりオープンした新しいハートセンター病床は新病院の7階に位置し西病棟、南病棟に48床ずつ稼働し、急性心筋梗塞・不安定狭心症などの虚血性疾患、様々な原因から発症する心不全、弁膜症、不整脈、大動脈血管疾患などに対して最新のカテーテル技術や外科手術を行うかの検討が日々行われています。当大学病院には救命救急センターが設置され、冠動脈疾患、急性大動脈解離や破裂、外傷性などの救急搬送例も多く、昼夜を問わず積極的に外科的緊急手術またカテーテル手術が行われ、数多くの患者が救命されています。新病院では、CCU急性期治療後、7階病棟で経過を見たのち併設された心臓リハビリテーション施設で社会復帰に向けリハビリを行うことが可能で全国的評価を得ています。当センターは、大学に付属する教育病院という性格もあり、若いスタッフが多数勤務し活気ある病棟です。「愛ある医療、患者さんのために」をモットーに、これらの医師・看護師スタッフが一丸となって、一刻を争う心臓病に対して、昼夜全力で戦っています。

業務の案内

心臓カテーテル検査

狭心症・心筋梗塞といった冠動脈疾患、心臓弁膜症、心筋症などに対して正確な評価をおこない、その後の適切な治療方法を決定するために、重要かつ必須な検査です。当センターでは、基本的には2泊3日の入院検査としておこなっています。また、緊急性がある場合には、24時間体制で施行可能です。

受付方法 心臓カテーテル検査の適応を確認してから施行します。したがって、まず循環器外来にいらっしゃって頂き、心臓のみならず、全身状態をチェックさせて頂いて検査予定を組みます。他院からご紹介がある場合は、その限りではありません。
担当科 循環器内科
施設・機器の紹介 東芝デジタルアンギオ装置、東芝フラットパネルアンギオ装置、CMS定量的冠動脈造影解析装置
担当表 平日は、毎日。緊急のカテーテル検査は、365日24時間体制で施行可能。

経皮的冠動脈形成術(PTCA、PCI)

直径が2mm前後の管(カテーテル)を用い、狭心症・心筋梗塞など狭くなった冠動脈を広げる治療です。風船(バルーン)や金属の網(ステント)を使用したり、動脈硬化自体を削りとったりします。ほとんどの方は、2泊3日の入院で治療可能です。

受付方法

当院で診断カテーテル検査を受けて頂いた方は、その時に治療予定を決定します。

他院からのご紹介の方は、紹介元の先生からのご連絡で日時を決めます。

担当科

循環器内科

施設・機器の紹介 高速回転式アテレクトミー 施設基準取得日本心血管インターベンション学会 研修認定施設、指導医2名在籍
担当表 待機的な治療は火・水・木・金。緊急のカテーテル治療は、365日24時間体制で施行可能。

心臓電気生理検査

不整脈の診断、および治療(薬物治療、カテーテル心筋焼灼術、ペースメーカ植込み術、植込み型除細動器植込み術)の適応を決めるために行う検査です。鼠径部の血管(静脈)から、心臓内に数本の電極カテーテルを挿入します。そこから得られる心内心電図を記録しながら、不整脈の誘発・停止、薬物負荷などを行います。局所麻酔で検査を行い、検査時間は約2時間。検査のために入院(約3日間)が必要です。

受付方法 予約制:循環器内科外来で、入院と検査の予約をする。
施行日:平日は、毎日。
担当科 循環器内科

カテーテル心筋焼灼術(カテーテル・アブレーション)

カテーテル心筋焼灼術(カテーテル・アブレーション)は、頻脈性不整脈(心房細動、WPW症候群、発作性上室頻拍、心房粗動など)に対する根治療法で、通常は心臓電気生理検査と同時に行います。心臓電気生理検査で不整脈を解析した後、鼠径部の血管(動脈または静脈)から心臓内に心筋焼灼術用カテーテルを挿入。高周波で不整脈の原因となる部分(心筋)を焼灼します。手術は局所麻酔で施行可能であり、手術時間は約2~4時間。手術のために入院(約3-5日間)が必要です。当科では2023年度に、カテーテル心筋焼灼術を322件施行(心房細動は254件)。

受付方法 予約制:循環器内科外来で、入院と手術の予約をする。
施行日:平日は、毎日。
担当科 循環器内科

ペースメーカ植込み術ペースメーカ交換術

ペースメーカは、主に徐脈性不整脈(洞不全症候群、房室ブロック)に対する治療法です。通常は左前胸部にペースメーカ本体を植込み、鎖骨下静脈から心臓内に電極リードを挿入(1本または2本)します。また2018年から右心室に直接リードのないカプセル型ペースメーカ(リードレスペースメーカ)を留置、胸を切らないペースメーカ植え込みが可能です。局所麻酔で手術可能であり、手術時間は約2時間。手術のために入院(約4―7日間)が必要です。当科では2023年度に、ペースメーカ植込み術・交換術を計145件施行(リードレスペースメーカ67件含む)。

受付方法 予約制:循環器内科外来で、入院と手術の予約をする。
施行日:平日は、毎日。
担当科 循環器内科

植込み型除細動器(ICD)植込み術

両心室ペースメーカ機能付き除細動器(CRTD)植込み術
ICDまたCRTD交換術

植込み型除細動器(ICD)とは、難治性の頻脈性不整脈(心室頻拍、心室細動)に対する治療法です。通常は左前胸部にICD本体を植込み、鎖骨下静脈から心臓内に電極リードを挿入(1本または2本)します。電極リードを介して不整脈の検出が可能であり、高頻拍刺激・ショックで停止させます。手術自体は局所麻酔で施行可能ですが、不整脈を誘発して作動の確認を行うため、静脈麻酔も併用します。CRTDではさらに冠静脈に電極リードを挿入します。手術時間は約3時間。手術のために入院(約7日間)が必要です。当科では2023年度に、ICD植込み術・交換術を計39件、CRTD植込み術は27件、CRTP植込み術は7件施行。

受付方法 予約制:循環器内科外来で、入院と手術の予約をする。
施行日:平日は、毎日。
担当科 循環器内科

経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)

高度大動脈弁狭窄症に対する低侵襲治療として経カテーテル的大動脈弁置換術(Transcatheter Aortic Valve Implantation ; TAVI)を2016年1月より導入しています。外科体手術が困難な患者さんに行うことができます。2023年度に、196件施行。

受付方法 循環器内科外来、弁膜症外来で入院と検査の予約をします。
担当科 循環器内科、心臓血管外科

経カテーテル的僧帽弁接合不全修復術(Mitra Clip)

高度僧帽弁併閉鎖不全症は高齢化に伴い増加し、心不全の病態を憎悪させます。従来の僧帽弁閉鎖不全症に対する外科手術がリスクが高く受けられない患者さんに対するカテーテル治療であるMitra Clipは安全かつ低侵襲僧帽弁閉鎖不全を減らすことができます。全身麻酔、経食道心エコーガイドで行います。2023年度に39件施行。

受付方法 循環器内科外来、弁膜症外来で入院と検査の予約をします。
担当科 循環器内科

経カテーテル左心耳閉鎖術(Watchmanデバイス)

心房細動は高齢化に伴い増加し、心房がはげしくふるえるため左心耳の中に血栓が発生して脳梗塞の原因となります。脳梗塞、血栓形成を予防するため長期間にわたりワルファリンや抗凝固薬を服用しつづけるため、患者さんは副作用の出血の危険性をつねに心配しないとなりません。左心耳をWatchmanデバイスで閉鎖すると抗凝固薬を中止し出血の危険がなくなり重篤な脳梗塞発症を予防することができます。全身麻酔、経食道心エコーガイドで行います。2023年度に20件施行。

受付方法 循環器内科、不整脈外来、弁膜症外来で入院と検査の予約をします。
担当科 循環器内科

経カテーテル心房中隔欠損・卵円孔閉鎖術(ASD/PFO)

ASD/PFOは心臓のなかの右心房と左心房の間の壁、「心房中隔」に欠損孔(あな)があり、あなの大きさ、位置をあらかじめ調べて適応があれば、カテーテル治療がまず検討されます。この欠損孔を放置しておくと心不全、不整脈また脳梗塞の原因となることがあり、あなを円形のデバイスで閉鎖することが予防につながることが学会などで報告されています。全身麻酔、経食道心エコーガイドで行います。2023年度に20件施行。

受付方法 循環器内科、弁膜症外来で入院と検査の予約をします。
担当科 循環器内科

心臓血管外科医による心臓開心手術

小児から高齢者までの心臓・血管の疾患に対して専門医が外科手術治療を行っています。その対象は先天性心疾患、弁膜疾患、虚血性心疾患、大血管から末梢動脈、静脈疾患です。最近では、高齢の患者さんなどのハイリスク症例が増加したので、できるだけ低侵襲手術を積極的に行っており、特に狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対しては、人工心肺を用いないで心拍動下に吻合を行う低侵襲冠動脈バイパス術に力を入れています。さらに足の静脈(大伏在静脈)よりも長期の開存性の良い動脈グラフト(内胸動脈、右胃大網動脈、橈骨動脈)を多用して、手術の効果が持続するように心がけています。また大動脈瘤や閉塞性動脈疾患に対してはカテーテルを用いた治療も行っております。弁手術では、特に患者さんの生活の質を大事にした術式の選択を行っています。僧帽弁閉鎖不全症に対しては、人工弁を使用しないで自己弁を修復する僧帽弁形成術を第一選択としており、後尖の逸脱のみならず、比較的難しい前尖の逸脱例に対しても積極的に形成術を行っております。また65歳以上の高齢者への弁置換術では、ワーファリンという抗凝固薬を服用する必要のない生体弁を第一選択としています。さらに不整脈(心房細動)を合併した症例には、不整脈を解消する手術(メイズ手術)も同時に行っています。2023年度緊急手術103件、定時手術257件、開心術総数は163件。

担当科 心臓血管外科

ステントグラフト治療、ステント治療

胸部大動脈瘤や腹部大動脈瘤に対して、手術治療が困難な方や御高齢などの理由で手術が困難な方などはステントグラフト治療が行われます。2011年4月より、専門の西巻博先生が赴任され、2023年度のステントグラフト治療は55例行われています。解剖学的にステントグラフト治療ができない場合もありますが、最近は困難な症例にも様々な工夫をしてできる症例もあります。動脈の狭窄が主体の場合は、カテーテルによる血管拡張を行い、ステント治療が行われます。

担当科 心臓血管外科

末梢血管病変に対する外科治療

先にも示した様に、最近の血管治療は身体の中心に近いところはカテーテル治療が行われることが多くなってきました。当センターでは下肢や上肢などの細い血管に対して、カテーテル治療も行われていますが、症例によっては手術治療が必要となる場合もあります。特に、下腿まで病変が進行し、カテーテル治療が困難な場合はバイパス治療が行なわれます。何れの場合も、当センターを中心に、関連する診療科で治療に関する検討を行っております。

担当科 心臓血管外科

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