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リハビリテーション科

リハビリテーション科

外来 入院棟6階西
対応疾患 脳卒中・脳外傷・脊髄損傷・脊髄炎・神経筋疾患・失語症・高次脳機能障害・新型コロナ感染後遺症など

ご挨拶

医学の進歩により様々な疾患の死亡率は軽減しましたが、一方で生活に支障を来す障害を有する人の数は大幅に増加しています。このような中で我々リハビリテーション科のニーズも年々高まっていると感じています。一般的なリハビリテーションに対するイメージは「体力回復」や「運動」かと思われますが、医療におけるリハビリテーション治療とはもっと総合的な治療概念であり、運動や認知的な刺激のみならず、投薬など様々な手段を用います。治療対象は病気や怪我だけではなく、それにより生じた様々な“障害”であり、育むのは患者様の“活動”です。

佐々木 信幸(主任教授)

診療部長

佐々木 信幸(主任教授)

診療内容

当科では反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)を用いた脳・脊髄症状に対する治療を体系的に行っており、特に最近ではCOVID -19感染後遺症(特にBrain fog)に対するrTMS治療について、多くの患者様をご紹介いただいております。
また、痙縮治療としてボトックス治療を地域の中核として外来で積極的に行っています。そして、大学病院のリハビリテーション医学講座として、常に現時点で最も有効と考えられる最新の治療を提供できるように、医師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師等チーム一丸となって取り組んでおります。

対象疾患

脳卒中・脳外傷・脊髄損傷・脊髄炎・神経筋疾患・失語症・高次脳機能障害・新型コロナ感染後遺症(特にBrain fog)など

初診外来 再診外来 専門外来
午前

○佐々木信幸

山徳雅人

午後
午前 ○佐々木信幸
午後
午前

○佐々木信幸

山徳雅人

午後
午前
午後
午前

○佐々木信幸

山徳雅人

午後
午前
午後

〇=部長、△=副部長、[非]=非常勤

都合により変更になる場合があります。

午後は原則再診のみ(予約制)

( )内の数字は第何週目かを示しています。

休診・代診のご案内

現在「休診・代診のご案内」はありません。

反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)を用いた
運動障害や高次脳機能障害の治療

運動や認知的活動は、脳表面の皮質という部分が活動してこそ機能を発揮します。脳卒中や神経筋疾患、脊髄損傷などの中枢神経疾患では、病変そのもののみならず、病変に関与する様々な中枢神経活動が変化してしまい、麻痺やパーキンソニズム、記憶・言語・注意などの高次脳機能の障害が生じます。反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)は、頭の上に設置した特殊なコイルから焦点的な磁場を脳内に照射することで脳皮質の活動性を変化させることができる革新的な治療的技術であり、現在世界中で様々な疾患に対する有効性が報告されております。患者様はリクライニング車いすに数分~数十分横になっていただくのみであり、強い痛みなどもありません。
保険診療としてはまだ一部の精神疾患にしか認められていませんが、当院では未承認医療機器を用いた自費診療治療として認められました。脳卒中麻痺であれば急性期はもちろん、発症から数十年経過した慢性期でも有効です。パーキンソン病や進行性核上性麻痺(PSP)などの類縁疾患ではわずか10分ほどの治療前後で劇的な変化をもたらすことも珍しくありません。その他、HTLV-1関連脊髄炎(HAM)や脊髄損傷の歩行障害、脳卒中・脳外傷による失語症・記憶障害・注意障害や、最近ではCOVID-19感染症の後遺症として考えられるBrain fogなど、様々な疾患・症候に驚くべき効果を発揮します。

高次脳機能障害の治療画像

ボツリヌス毒素注射を用いた
痙縮治療

脳卒中や脊髄損傷など中枢神経が障害されると、手足が固く動きづらくなるタイプの麻痺になります。これは脳から「今から動かす部位の緊張を解け」という指令が届かなくなることにより生じる“痙縮”という症状です。非常に治療に難渋する厄介な症状ですが、近年はボツリヌス毒素注射(BoNTA)により著明に緩和させることができるようになりました。
しかし、実はBoNTAのみでは効果は長続きせず元に戻ってしまうことも少なくありません。我々はBoNTAのみならず装具や前述のrTMS等も併用した総合的な痙縮治療を行います。痙縮は単に柔らかくすればいいというものではなく、あくまでも目指すのは機能、活動の改善ですので、身体の使い方全体を診て最適な治療を行います。

痙縮治療の画像

研究業績

  • Sasaki N, Mizutani S, Kakuda W, Abo M. Comparison of the effects of high- and low-frequency repetitive transcranial magnetic stimulation on upper limb hemiparesis in the early phase of stroke. Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases. 2013;22:413-8. doi: 10.1016/j.jstrokecerebrovasdis.2011.10.004. Epub 2011 Dec 15.
  • Sasaki N, Kakuda W, Abo M. Bilateral high- and low-frequency rTMS in acute stroke patients with hemiparesis: a comparative study with unilateral high-frequency rTMS. Brain Injury 2014;28:1682-6. doi: 10.3109/02699052.2014.947626. Epub 2014 Aug 20.
  • Sasaki N, Abo M, Hara T, Yamada N, Niimi M, Kakuda W. High-frequency rTMS on leg motor area in the early phase of stroke. Acta Neurologica Belgica 2017;117:189-194. doi: 10.1007/s13760-016-0687-1. Epub 2016 Aug 9.
  • Sasaki N, Hara T, Yamada N, Niimi M, Kakuda W, Abo M. The Efficacy of High-Frequency Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation for Improving Apathy in Chronic Stroke Patients. European Neurology 2017;78:28-32. doi: 10.1159/000477440. Epub 2017 Jun 3.
  • 佐々木信幸, 角田亘, 安保雅博.反復性経頭蓋磁気刺激療法 脳卒中発症早期における利用について. 内科 2013;111:925-930.
  • 佐々木信幸, 角田亘, 安保雅博. ペースメーカー埋め込み術に先行し反復性経頭蓋磁気刺激を施行した左房粘液腫由来の脳塞栓症患者. The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 2014;51:378-382
  • 佐々木信幸.急性期症例へのTMS. Modern Physician 2015;35:1501-1505.
  • 佐々木信幸.脳卒中麻痺治療の最前線 急性期脳卒中上肢麻痺・下肢麻痺に対する反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS). 医工学治療 2015;27:108-112.
  • 佐々木信幸, 角田亘, 安保雅博.脳卒中に対する反復性経頭蓋磁気刺激のさまざまな適用. Journal of Clinical Rehabilitation 2017;26:1079-1086.
  • 佐々木信幸, 安保雅博.非侵襲的脳神経刺激. リハビリテーション医学・医療コアテキスト, 第1版, 医学書院, 東京, 2018:290-292. (ISBN 978-4-260-03460-9)
  • 佐々木信幸, 安保雅博.運動療法. 神経疾患 最新の治療2018-2020, 第1版, 南江堂, 東京, 2018:323-326. (ISBN 978-4-524-25219-0)
  • 佐々木信幸.発症早期脳卒中におけるrTMSの効果. The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 2019;56:28-32.
  • 佐々木信幸, 安保雅博.診断と治療 脳卒中のリハビリテーション治療. 日本臨床 2019;77:1010-1017.
  • 佐々木信幸.片麻痺患者の痙縮治療. 総合リハビリテーション , 2020;48(7):623-629.
  • 佐々木信幸, 横山仁志, 樫田紘頌, 中田秀一, 韮澤光太郎. 重症COVID-19肺炎患者のリハビリテーション治療. CLINICAL REHABILITATION , 2020;29(13):1333-1340.
  • 佐々木信幸.反復性径頭蓋磁気刺激(rTMS)を用いたリハビリテーション治療. 脊椎脊髄ジャーナル , 2020;33(8):799-805.
  • 佐々木信幸. 脳卒中患者に対する反復性径頭蓋磁気刺激(rTMS)療法. 老年内科 , 2021;3(2):145-152.

学会発表(2022年度のみ)

国内学会

  • 佐々木信幸. 痙縮治療のプロフェッショナルを目指して. 第59回日本リハビリテーション医学会学術集会
  • 佐々木信幸. 脳卒中の予後予測に関する現状と課題. 第59回日本リハビリテーション医学会学術集会
  • 佐々木信幸. 「脳神経領域」の新アプローチ 機能回復を最大限引き出すrTMS~離床+反復磁気刺激で導く治療の進め方~. 第12回日本離床学会全国学術大会
  • 佐々木信幸. 脳疾患後の復職に向けて. 第12回日本脳血管・認知症学会総会
  • 山徳雅人, 萩原悠太, 長谷川大輔, 桑島規夫, 高田礼子, 山野嘉久. 脳神経内科における両立支援外来の重要性. 第63回日本神経学会学術大会

その他

  • 佐々木信幸. ボツリヌス療法の新たなステージ~上限拡大における再考~. 痙縮治療WEBセミナーin栃木
  • 佐々木信幸. Long COVIDのBrain fogに対するrTMS. 聖マリアンナ医科大学病院WEBセミナー【第40回】地域医療連携WEBセミナー
  • 佐々木信幸. 上・下肢痙縮に対する400単位超使用と院内連携. 痙縮治療WEB講演会
  • 山徳雅人. 脳神経内科における嚥下造影検査(VF)の活用方法. 第31回神奈川県嚥下研究会
  • 佐々木信幸. 上・下肢痙縮に対する400単位超使用と院内連携. ボツリヌス療法expert seminar in京都
  • 山徳雅人,小池英子. 神経内病の終末期における緩和ケアチームとの連携. 非がん疾患の緩和ケアを考える会

現在、新型コロナウイルス感染後遺症に対するrTMS希望者が非常に多く、外来を完全予約制にさせていただいております。
初診につきましては、当科への紹介状をお持ちの患者さんのみ予約にて受付いたします。紹介元の医療機関を通して事前にご予約のうえ、紹介状をご持参下さい。
受付時間::毎週月、火、水、金 午前中(11:30まで)

ボトックス注射については初診外来で注射日を予約し、次回外来で投与となります。

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