年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
2020年初頭からCOVID-19(新型コロナウイルス)流行の影響か、感染症や感染症による慢性呼吸器疾患の悪化による入院等が減少しております。
肺がんの減少傾向は認めず、最近では分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など、従来の抗がん剤とは異なる作用機序のお薬が導入されており、高齢であっても全身状態が良ければ十分に治療の対象になるため、気管支鏡検査やCTガイド下生検等の肺がん診断のための検査をお勧めしています。 3位の間質性肺炎の増加はピルフェニドンやニンテダニブ等の抗線維化薬導入に伴う入院や、急性増悪治療のための入院によるものです。 高齢化による嚥下機能の低下による誤嚥性肺炎は根本的な治療が難しく、口腔衛生や嚥下体操等による嚥下機能の維持が大切になります。 5位の慢性閉塞性肺疾患(COPD)は喫煙により肺気腫や慢性気管支炎を発症し、息切れや咳、痰の症状を呈する病気であり、当院ではリハビリテーション、吸入薬使用方法、療養、栄養等の指導、適応により在宅酸素療法の導入を目的とした教育入院を行っています。また感冒等を契機としたCOPDの病状悪化も病状により入院加療が必要となります。 循環器内科
心房細動は脳塞栓の原因となり得るため、循環器内科では根治的なカテーテル心筋焼灼術を積極的に行っています。頻脈性不整脈の入院期間は約5日です。
睡眠時無呼吸症候群は、いびきを契機に見つかることが多いですが、様々な疾患に合併することが知られています。適切な治療を行うことで生活の質の向上が望めるので、適切な診断と治療を行います。睡眠中の検査を行いますので、一泊の入院をしていただきます。 虚血性心疾患では、心臓を養う冠動脈に狭い箇所を有するため、虚血に関わる病変であればカテーテルによる冠動脈治療を行います。風船で広げるのみで終了する場合と、ステントを留置する場合があります。冠動脈造影と治療はいずれも4日程度の入院で行っています。 高齢化が進むことで、左心系弁膜症が増加しております。弁膜症(連合弁膜症を含む。)の治療である経カテーテル的大動脈弁置換術や経皮的僧帽弁クリップ術は、従来の心臓手術とは異なり、血管内から治療することが出来る画期的な方法です。通常の手術では治療困難な方に施されるため、高齢の方が対象となることが多いです。 消化器・肝臓内科
大腸の粘膜層の一部がイボのように隆起してできた病変を大腸ポリープといいます。
胆管結石とは、胆汁の流れ道にできる結石のことです。胆汁の流れを妨げ、黄疸を引き起こします。胆管炎とは、胆汁の流れ道である胆管に細菌感染を起こした状態です。胆汁の流れが悪いと容易に感染を引き起こします。 胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜層の細胞が何らかの原因でがん細胞となることを言います。がんが進行するにつれて、徐々に胃の外側へと深くかつ広く進行します。 肝細胞がんはウィルス肝炎などを背景に発生し、肝内胆管がんは正常の肝臓から発生します。治療は肝細胞がんの場合、手術の他、ラジオ波焼灼術、カテーテル治療(TACE)等が行われます。肝内胆管がんは手術であり、手術が難しい場合は抗がん剤治療が行われます。 大腸憩室とは、消化管の壁が腸の外側に向かって風船状に突出している状態です。憩室は炎症や出血を引き起こすことがあり、症状に応じて抗生剤加療や止血術を要します。 腎臓・高血圧内科
日本人の高齢化により、慢性腎炎に加え、糖尿病や高血圧・動脈硬化性疾患の最終像としての腎不全が、年々増加しています。実際、最新の日本透析医学会の統計調査では、日本の透析患者は32万人を超えたことが報告されました。腎臓高血圧内科のDPC病名として上位4位までが慢性腎不全や腎不全関連手術(透析用動脈形成術、吻合術)であることもそれを示唆するものです。さらに、高齢患者の増加は尿排泄機能低下の影響により、尿路感染症の増加ももたらし、5位にランクインしています。勿論、腎臓高血圧内科では従来の慢性腎炎に対する診断(腎生検)や治療も多く行っていますが、加えて、腎不全の進行を抑制することを目的とした慢性腎臓病教育入院の実施、透析を行うために必須である透析アクセスの造設や維持(それぞれ内シャント設置術、内シャント血栓除去術)のための外科的アプローチ、他科入院中患者も含めた急性腎不全の治療や予防、さらには尿路感染症への対応等、多岐にわたる腎疾患に対応しております。地域の腎臓病患者の方々の総合医・かかりつけ医としての役割を果たし、患者さんの利便性を高めるようにしております。
代謝・内分泌内科
糖尿病センターは、健診で初めて指摘された糖尿病予備群から急激に糖代謝が悪化する劇症1型糖尿病に至るまで、すべての糖尿病患者さんを診療する体制が整っております。とりわけ患者教育に積極的に取り組んでおり、医師、看護師、薬剤師、栄養士で構成されたチーム医療で生活習慣の改善指導、合併症の治療を行っております。また、糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群など、糖尿病の急性代謝失調における川崎市北部・横浜市北部の拠点として救急診療に当たっています。他病棟に入院していらっしゃる糖尿病患者さんに対しても周術期等における血糖管理を行うなど他科と連携医療を積極的に行い、入院加療における医療の質の向上に努めております。
内分泌疾患については近年、高血圧の患者さんにホルモンが関係する副腎疾患の精査を行うことが増えております。検査入院で内分泌機能試験、画像検査(CT、MR、シンチグラフィ等)、副腎静脈サンプリング等を実施して副腎疾患の的確な診断と治療に努めております。 脳神経内科
脳神経内科は、当院の脳卒中センターの一員として、急性期脳血管障害(脳梗塞や脳出血など)の患者を積極的に診療しており、高度な画像診断による正確・迅速な診断のもと、超急性期血栓溶解療法およびカテーテルによる機械的血栓回収療法など最先端の治療を提供しています。入院後は、脳卒中集中治療室(SCU;Stroke Care Units)で厳重に管理するのと並行して、多職種からなる脳卒中治療チームによりリハビリや再発予防の方針を決定し、入院から退院・転院までをトータルでサポートしています。
また当院は神奈川県内唯一のてんかんセンターとなっており、多くのてんかん患者(高齢者てんかん)が入院しています。 パーキンソン病もパーキンソン病治療センターとして様々な先進的治療や診断に取り組み、ドパミン製剤(デュオドーパ)の腸内持続注入療法や深部脳刺激療法も提供しており、よい治療成績が得られるようになっています。 その他、慢性炎症性脱髄性多発神経炎やギランバレー症候群などの免疫介在性末梢神経疾患患者のニーズも高く、血液浄化療法を含め免疫療法等で高い治療効果をあげています。 血液内科
血液内科では、悪性リンパ腫を診断時の病理組織標本に加えフローサイトメトリー法・染色体検査・FISH・遺伝子検査を用い総合的に診断しております。病理医と密に連携し、各々の患者さんに最適な治療法を選択しております。急性白血病の患者さんには、バイオクリーンルームを利用して、標準的な化学療法を施行しております。悪性リンパ腫に関しては強力な救援化学療法を行っている症例が多く、そのため平均在院日数が長くなる傾向にあります。急性白血病に関しても合併症のある症例の治療に積極的に取り組んでいることで平均在院日数が長くなる傾向にあります。
リウマチ・膠原病・アレルギー内科
膠原病などの全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患は、診断、病勢・重症度の把握、これに続く寛解導入療法、または外来治療経過中の再発のために入院を要することがあります。リウマチ・膠原病・アレルギー内科科では、迅速な診断、ステロイド減量を視野においた適切な免疫抑制薬併用の使用、並びに合併症予防策を行うことにより、入院期間を短縮するようにしております。関節リウマチは、生物製剤導入目的や、感染症、間質性肺炎、皮膚潰瘍などの合併症による入院が多くみられています。また、膠原病の代表的合併症の一つである間質性肺炎に対しても、薬物療法を積極的に行っております。
※「重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術:あり」は入院時併症、入院後発症疾患に対する手術も含んでいます 腫瘍内科
腫瘍内科では消化器がんを中心に、化学(放射線)療法や緩和治療など多くの治療を外来で施行しています。しかし、シスプラチンなどの長時間補液を必要とする治療においては、入院して治療を行うため、シスプラチンを用いた治療が標準治療である食道がんの入院が多くなっています。
また、膵がんでは、病態から内視鏡的処置を必要とする場合や、緩和治療を行うケースが多く、全身状態が悪い方や高齢者等に対して入院で治療を行う場合もあります。 大腸がんでは、高齢者の初回の治療は、3~4日の入院加療で行っています。当患者さんの生活の質(QOL)をなるべく下げることなく、がんの治療を継続することを目標とし、入院期間は患者さんの要望になるべく添う形で短期間の場合が多くなっています。 小児科
【小児科】
てんかんの患者さんは、てんかんセンター設置により受診数がさらに増加傾向となり、発作後の入院、診断確定、てんかん外科手術のためのビデオ脳波検査入院が増加したものと考えられます。 熱性けいれんは、一部で重積状態となり、急性脳炎脳症との鑑別のため慎重な経過観察が必要となる症例がしばしばみられます。 未熟児・新生児症例の応需は下記(新生児科解説)の通りですが、退院前の移行期や、様々な合併症等の診療継続のため、小児科と新生児科の連携を強化しております。 【新生児科】 当院は総合周産期母子医療センターであり、合併症や胎児の発育不良で紹介される母体が多くなります。その結果として、早産児や低出生体重児といった入院管理を要する新生児が増加します。低出生体重児が多い事については、近年全国的な傾向でもあり、当院での症例数が多い事もその反映であると考えます。 2500g以上の新生児の平均在院日数は全国平均と変わりありませんが、1500g以上2500g未満の新生児の在院日数は全国平均より短く、転院率は低いことから順調な経過で退院している新生児が多いと考えられます。 消化器・一般外科
消化器・一般外科では、消化器系(食道、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓、胆道、脾臓)の悪性および良性疾患、成人の各種ヘルニア、痔核、痔瘻など肛門疾患の手術を行っており、高難度の腹腔鏡手術も積極的に行っています。また、当院救命救急センターと連携し、高度外傷手術から急性虫垂炎や胆嚢炎に至るまで対応しております。
令和2年度の対象疾患は、1位 鼠径ヘルニア(ヘルニア手術等)、2位 虫垂炎(手術なし)、3位 結腸の悪性腫瘍(結腸切除術等)、4位 虫垂炎(虫垂切除術)、5位 胃の悪性腫瘍(胃切除術等)でした。 消化器・一般外科は良性疾患や悪性腫瘍の手術だけでなく、救急搬送され同日手術となる緊急手術まで幅広く取り組んでいる結果を表しております。 心臓血管外科
心臓血管外科が対象とする疾患は、冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞等)、心臓弁膜症、大動脈疾患(大動脈瘤、大動脈解離等)、末梢血管疾患(閉塞性動脈硬化症、静脈瘤等)です。冠動脈バイパス術は9割以上、心臓を止めないオフポンプバイパス術を行っております。傷んだ心臓の弁に対しては、弁形成術や弁置換術を行っておりますが、条件が合う患者さんには術後の早い回復が望める低侵襲心臓弁膜症手術を行っております。また、高齢者やハイリスクな患者さんには、ハイブリッド手術室においてカテーテル的大動脈弁置換術を積極的に行っております。大動脈疾患に対しては、人工血管置換術やカテーテルで人工血管を留置するステントグラフト内挿入術を積極的に行い、良好な結果を得ています。末梢血管疾患に対しては、バイパス手術、内膜剥離術、カテーテル治療等を積極的に行なっております。
呼吸器外科
呼吸器外科の治療対象疾患は原発性肺がんが最も多く、呼吸器内科医・呼吸器外科医・放射線科医等が参加する多職種カンファランス(Cancer Board)での検討に基づき治療方針を決定しております。手術適応と診断される場合には*根治を目指した外科手術を行っております。主に低侵襲機能温存を目的とした胸腔鏡手術を行っております。進行例に対しては適切な治療を選択し、術前に化学療法、放射線療法などの導入療法を行い、腫瘍を縮小させてから根治切除を行うこともあります。さらに症例によっては先端医療を導入した臨床治験にご参加いただき、最近では周術期に免疫チェックポイント阻害を加え、手術を行う集学的治療も積極的に行っております。また転移性肺悪性腫瘍には様々な癌腫があり、多くは他科からの依頼によって手術適応を判断することになります。原発性肺がん同様に低侵襲機能温存を目的とした胸腔鏡手術を行っております。
肺がんは他のがんと比較して予後不良であり、術後の再発リスクが高いという特徴があります。進行例では再発を予防する目的で術後に補助的抗がん剤治療を行うこともあります。また術後外来で定期的検査を行い、再発症例に対しては臨床治験も含めて積極的に薬物治療を行います。最近では、分子標的治療薬や免疫治療薬の開発が進み、その成績も向上しており、切除例では肺がんの各種遺伝子異常やタンパク質発現を検索し、再発の際に適切な薬剤選択が迅速にできるようにしております。 気胸は10代、20代の若年男性や肺気腫のある人に突然発症することの多い疾患です。肺の虚脱によって呼吸困難となることがあり、早急な対応が必要です。呼吸器外科では近隣の診療所からの紹介を常時受け付けており、緊急手術にも対応しています。 交通外傷等で肺や気管、気管支に損傷を認める場合にも対応しています。緊急手術も行いますが、多くは保存的治療で改善します。 肺の良性腫瘍は気管支、肺実質、血管、胸膜などから発生し、肺腫瘍全体の2~5%を占めます。主に診断的治療を目的とした胸腔鏡下肺部分切除術が行われ、また気管支形成を追加することにより切除肺を少なくする術式も行っております。 *根治…病気が再び起こらないように完全に治すこと。 小児外科
件数が一番多かった症例は、「鼠径ヘルニアの手術」の患者さんです。55人の患者さんに2泊3日もしくは1泊2日の入院で鼠径ヘルニア手術を行っています。従来の鼠径アプローチ手術と腹腔鏡手術の両方を行えます。
次いで、「虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等」で、腹腔鏡下虫垂切除術を行っています。平均在院日数5.78日間です。 3位の疾患は「その他の消化管の障害 手術なし」の患者さんです。消化吸収を担っている小腸が極端に短いために、口からの食事では十分な栄養が摂取できず入院して栄養剤の点滴治療を受けます。カテーテル感染を起こして入院することもあります。また、急性胃腸炎などのお腹の風邪で、食事を取れないお子さんが入院治療を受けます。手術だけではなく、腹部の消化器疾患の診療は小児外科医が中心となって診療をしています。 4位の疾患は「停留精巣 手術あり」です。26人が1泊2日の入院で精巣固定術を行っています。 5位の疾患は「男性生殖器疾患」です。陰嚢水腫や精巣捻転は手術となり、炎症が強い精巣上体炎でも入院治療を要します。 乳腺・内分泌外科
「乳がん」は現在本邦女性が最も罹っている癌種で、壮年期(30 代後半から60 代)の女性がん死亡1位の重大な疾患です。乳腺内分泌外科では診断・治療・ターミナルケアまで一貫した乳がん診療を実践しております。院内の複数の診療科で協働し、時には院外の医療機関とも連携しながら、ステージ(病期)、サブタイプ(乳がんの種類)、患者さんの背景によって、個々に最良の治療方法を選択する、個別化医療を提供しています。手術、放射線療法、化学療法(抗がん剤、分子標的薬)、ホルモン療法、などの集学的治療を、院内外のチーム医療で実践することによって乳がん克服を目指しております。
乳腺内分泌外科で扱う「胸壁腫瘍、胸膜腫瘍」の多くは乳がんが胸壁まで浸潤した腫瘍(主に手術後の再発)で、感染や出血をコントロールする目的の場合です。 脳神経外科
脳神経外科ではてんかんセンターと共同で幅広いてんかん診療を実施しています。脳神経外科では持続ビデオモニタリングを行い正確なてんかんの診断を行い、必要があれば薬物治療が奏功しない難治性てんかんに外科的治療をお勧めしています。
交通事故が減少しているものの、高齢人口の増加で高齢者の家庭内事故による頭蓋・頭蓋内損傷が急増しており、24時間体制で緊急治療に対応しています。 脳動脈瘤治療は、脳血管内治療すなわちカテーテルを用いた治療件数が増えています。しかし、カテーテル治療のみでは対応できない症例には精緻な顕微鏡手術を適用しています。脳神経外科には脳血管内治療の専門医と脳卒中の外科認定医が複数名在籍しており、患者さんに最適な治療を提供できる体制を24時間整えています。 整形外科
整形外科では、整形外科各領域(足、膝、股関節、脊椎、手)に専門性を有し、変性疾患やスポーツ障害、外傷など近隣地域よりご紹介を多数いただいております。
特に令和2年度は、“股関節・大腿骨近位の骨折”、“前腕の骨折”、“膝関節症”、“股関節症”が多い結果であります。整形外科では、このような外傷疾患は緊急手術を含め、早期対応をおこない、変性疾患はエビデンスに基づく治療を心がけ、早期機能回復に努めます。 形成外科
形成外科では顔面をはじめとして体表面のあらゆる変形を扱っており、先天性の変形から病気や外傷の手術後の後天性変形まで広く再建、形成手術を行っています。特に乳がん切除後の乳房再建では、自家組織と人工乳房の両方の手術を行っており、乳頭乳輪形成に至るまで独自の手術で、再建したと分からない美しい乳房の再建を目指して治療を行っています。
近年、自動車の安全装置(エアバック等)の発達で減少傾向の顔面骨骨折ですが、当院には二輪車・自転車の事故やスポーツ中のけがで受傷した顔面骨骨折患者が多く訪れており、手術を中心にした治療を行っています。 また形成外科では長年、培養表皮移植や多血小板血漿(PRP)治療などの先進医療に取り組んで来ており、皮膚の良性・悪性腫瘍に対して単に腫瘍を切除するだけではなく、できるだけ目立たない傷痕になる治療を行っています。 皮膚科
1位の膿皮症は蜂窩織炎や丹毒などといった皮膚感染症で、外来治療では不十分な重症患者さんを入院治療しております。抗生剤の点滴が主な治療であり、1週間から2週間の入院を要します。
2位の帯状疱疹も、よく見られる疾患です。抗ウイルス薬を連日点滴し1週間程度の入院治療を行います。 3位および4位の皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外)に対する治療としては皮膚悪性腫瘍切除術や局所皮弁術、植皮術が中心になります。 5位の水疱症は自己免疫疾患で、皮膚にみずぶくれが多発して、皮膚がただれてくる疾患です。ステロイド内服による治療が柱となっており、症状が治るのに一定の時間がかかることから、入院期間が長くなりがちですが、皮膚科ではこれらの治療にも力を入れております。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 腎泌尿器外科
1位と5位の前立腺の悪性腫瘍は前立腺がんが大半を占めます。前立腺がんは高齢者に認められ、近年は無症状で前立腺特異抗原という腫瘍マーカーが高値で、健診等で発見されることが多い病気です。確定診断は前立腺針生検という前立腺に直接針を刺して、前立腺組織を採取してがんの有無を確認します。
2位と4位の膀胱腫瘍は膀胱粘膜に発生する腫瘍で、肉眼的血尿で発見されることが多い病気です。最初の治療としては尿道より内視鏡を挿入し、膀胱腫瘍を電気メスで切除します。筋肉にがんが及んでいないタイプは再発を繰り返すことが多く、膀胱内に薬物を注入して再発予防を試みます。筋肉にがんが及んでいる場合の標準治療は膀胱を一塊として摘出する膀胱全摘術です。 3位の経尿道的尿管ステント留置を必要とする水腎症とは何らかの原因で尿路の通過障害を起こし、尿が腎臓の腎盂という場所にたまった病態です。その水腎症の原因には、尿路結石、尿路のがんや他の悪性腫瘍の尿管周囲への転移・浸潤、長期間にわたる排尿障害などがあります。水腎症は放置すると腎機能低下の原因となり得ますので、通過障害の部位を的確に診断し、それを解除することが重要です。 産婦人科
当院産婦人科は産婦人科診療の4本柱である「周産期」「生殖」「婦人科」「女性ヘルスケア」に加えて、「腹腔鏡手術」「遺伝子診療」の 6領域全てに対応することが可能なスタッフを有しています。
当院は日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍指導医・専門医が複数在籍しており、婦人科悪性腫瘍を中心とした婦人科診療に関しても県内トップクラスの症例数を有しています。その為、令和2年度も婦人科悪性疾患が病名トップ5に3つランクインしています(子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術:なし 手術処置等2:4あり 定義副傷病:なし、子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術:子宮悪性腫瘍手術等 手術処置等2:なし、卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術:なし 手術処置等2:5あり 定義副傷病:なし)。 また、日本産科婦人科内視鏡学会認定腹腔鏡・子宮鏡技術認定医も複数有しており、積極的に低侵襲手術を取り入れていることから、婦人科疾患の中でも良性疾患に対する腹腔鏡手術による手術数が増加しています(子宮の良性腫瘍 手術:腹腔鏡下腟式子宮全摘術等、卵巣の良性腫瘍 手術:卵巣部分切除術(腟式を含む。)腹腔鏡によるもの等)。同様に悪性腫瘍手術に対しても適応を見極めた上で、低侵襲手術を取り入れています。 眼科
白内障は、眼科ではDPC症例としては709件です。全身に合併症がある方でも対応できるように1~2泊の入院で行っており、例年1,000件以上の白内障手術を施行しておりますが、令和2年度はコロナ禍の影響で減少しました。多焦点眼内レンズ(選定療養)を用いた白内障手術にも対応しております。
眼科的に高度な技術を要する網膜剥離や網膜硝子体疾患に対する手術はDPC上位の疾患としては年間339件(その他の疾患を合わせると年間500件以上)、術後管理が難しいとされる緑内障手術は年間76件(その他の疾患を合わせると年間200件以上)施行しております。またこれらの疾患がいくつか併発しているような難治症例に対する併用手術なども積極的に行っております。 近年増加傾向にある加齢黄斑変性症に対しては最新型の光干渉網膜断層撮影装置(OCT)、造影剤を使用せずに脈絡膜の血流を評価できるOCT angiography(光干渉断層血管撮影)による正確な診断のもと、抗VEGF(抗血管内皮増殖因子)薬治療、光線力学療法を行っております。 耳鼻咽喉科
鼻汁や鼻閉、鼻ポリープを長期的に伴う様な慢性副鼻腔炎の手術は、術後の出血リスクを考慮し入院日数を約5日間と設定しておりますが、約3~4日の短期入院で手術を行う場合もあります。また、合併症リスクが高い症例などは、ナビゲーションシステムを用いて安全第一で手術を行っております。
咽頭痛や嚥下時痛、発熱等を生じる急性扁桃炎や急性咽喉頭炎は、外来治療で改善が乏しい方や経口摂取が困難な方には入院での治療を行います。扁桃周囲膿瘍まで進行した場合は、ほぼ全ての方に対し入院をお勧めしています。 急性扁桃炎を繰り返し生じる慢性扁桃炎に対する手術は、術後出血の合併症を早期に発見し対応するため、入院日数を9日間と設定しております。また、小児に対して手術することも多いため、平均年齢も他と比べると低くなっています。 難聴や耳漏を伴う慢性中耳炎、骨破壊を生じ頭蓋内への進行するリスクもある真珠腫性中耳炎に対する手術(鼓室形成)は入院日数を約5日間と設定しております。状況に応じて3~4日の短期入院とする場合もあります。また、症例によってはより低侵襲な内視鏡手術も行っております。 突発性難聴は軽症例を除き、9日間のスケジュールを基本として入院点滴治療を行っております。その他、患者さんの全身状態や既往症に応じて、ステロイド鼓室内投与を行う場合もあります。 放射線科
※放射線科では先天性血管奇形や心疾患の入院治療を主としていますが、上位5つの全て10件未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、非掲載としております。
総合診療内科
※総合診療内科での入院は救命センターと連携をとり、主にCOVID19(新型コロナウイルス)関連の症例を扱っております。
集計条件の都合上COVID19(新型コロナウイルス)は計上されないため、上位5つ全て10件未満となり患者さんの特定される可能性があるため、非掲載としております。 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発5大がんは令和元年と比べると、約150例少なくなっています。病院全体の患者数も前年と比べて減少が見られ、これらは新型コロナ感染の拡大により、健診を受ける機会が減ったり、自覚症状の軽い方が受診を控えたため、このような結果となった可能性があります。また、胃がんや大腸がんでは内視鏡による検査や治療が行われますが、新型コロナ感染拡大により検査の制限を行ったことなども影響していると思われます。
【胃がん】 胃がんは前年に比べると39例少なくなりました。(StageⅠ 96例、StageⅡ 16例、StageⅢ 25例、StageⅣ 30例、不明 19例)StageⅠ、Ⅱでは患者数は減少しましたが、反対にStageⅢ、Ⅳでは増加し、新型コロナ感染拡大の影響で健診や自覚症状の軽い方の受診控えなどが影響している可能性が考えられます。StageⅠは消化器・肝臓内科にて早期発見され内視鏡治療を行ったものや、その後に外科的切除を行った症例も含まれており、内科と外科が連携して治療を行っています。再発症例43例に対しては、腫瘍内科とともに抗がん剤治療や緩和治療を行っています。 【大腸がん】 大腸がんは前年に比べ39例少なくなりました。(StageⅠ 55例、StageⅡ 64例、StageⅢ 44例、StageⅣ 42例、不明 23例)すべてのStageで患者数の減少が見られます。新型コロナ感染拡大により検査の制限を行ったことなどが影響していると思われます。胃がん同様、StageⅠは内視鏡治療適応症例は主に消化器内科で切除を行っており、追加切除が必要な症例にはその後に外科的切除を行っています。大腸がんはStageⅣ症例に対しても、症状緩和や予後改善を期待して積極的に手術を行った後、抗がん剤治療を導入します。 【肝がん】 肝臓がんは近年C型肝炎ウイルスの治療の進歩により減少傾向ですが、依然再発症例は100例を超え治療を要しております。手術においては一括での切除不能症例も2期的手術や化学療法を併用した知慮などの高難度手術を行っています。内科でも再発治療や切除不能例にたいする焼灼治療を積極的に行っています。 【肺がん】 肺がんはStageⅠ 145例、StageⅡ 23例、StageⅢ 60例、StageⅣ 105例、不明 15例、再発転移227例でした。前年に比べると肺がんも27例減少していますが、StageⅣでは39例の増加となっています。コロナ禍で健診等の受診機会が少なくなった、あるいは受診控えから肺がんの診断が遅れ、重症化してから、当院に紹介されるケースが多くなったと予想されます。 StageⅠ~ⅡおよびⅢの一部に手術適応があり、主に胸腔鏡を用いた肺葉切除術およびリンパ節郭清を行います。それ以外の病期や再発転移症例には抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害などの薬物療法に放射線治療を追加したりする治療が行われます。さらに症例によっては新薬治験や術前導入療法を先行し腫瘍を小さくした後に外科治療を加える集学的治療も積極的に行っています。 【乳がん】 乳がんは初発乳がんでStageⅠ 276例、StageⅡ 223例、StageⅢ 27例、StageⅣと不明は10例未満でした。前年に比べると27例減少していますが、自己にて発見しやすいがんでもあり、他のがんと比べると減少の割合は低くなっています。StageⅠ~Ⅲに対しては手術療法に加えて、放射線療法や薬物療法を行い、根治を目指します。再発症例であっても、手術局所やリンパ節にがんがとどまる場合には、再度の切除手術を行い根治を目指しています。StageⅣや(骨・肺・肝などへの)遠隔転移を伴う再発には薬物療法を中心に治療を行います。その際の薬剤選択は乳がんの種類(サブタイプ)に応じて、ホルモン剤、抗がん剤、分子標的薬のどの中からエビテンス基づき選択します。 また乳腺内分泌外科では新規薬剤の治験にも数多く参加しております。患者さんにとっては治療の選択肢を増やすことにもなり患者さんと共にあすの標準治療を作ることを積極的に取り組んでいます。 *根治…病気が再び起こらないように完全に治すこと。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
近年の高齢化を背景に高齢者~超高齢者の肺炎が増加しています。特に80歳を超えるような高齢の方には肺炎による入院中に筋力や意欲の低下を来し、なかなか元の生活に戻れない方も多くみられます。入院治療により肺炎症状が軽快したら、速やかにリハビリを進め、御自宅や施設にお返しし、日常生活に戻れるような院内外を含めたネットワークづくりが必要です。肺炎予防方法としての新型コロナワクチン、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンの接種や口腔衛生の管理、嚥下訓練も普及が必要と思われます。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)流行に対する感染防御の取り組みの影響か、令和2年度は昨年度に比べて3/4の入院患者数になっていますが、大部分が80歳以上の高齢者で、昨年より年齢も入院期間も延長している状況です。病院間、病院と診療所の連携や介護保険の活用によりできるだけ早く日常生活に戻るステップを開始できるよう、地域医療の皆様との連携を更に深めていきたいと思います。 脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
当院は、超急性期血栓溶解療法およびカテーテルによる機械的血栓回収療法が24時間365日対応可能な、日本脳卒中学会により認定された一次脳卒中センター(Primary Stroke Center)です。脳卒中集中治療室(SCU:Stroke Care Units)を設置しており、常時、重度な合併症を有する脳卒中に対して治療可能です。先進の診断技術と多職種によるチーム医療により迅速に脳卒中診断を行い、病状が安定し次第、病棟内に備えられたリハ訓練室でリハビリテーションを開始し効果をあげています。病態が複雑かつ緊急性の高い院内発症脳卒中に迅速に対応できるように、当院では2018年5月より「院内発症脳卒中対応チーム(iSAT:in-hospital stroke action team)」を脳の専門家である脳神経内科、脳神経外科、脳卒中リハビリ認定看護師、脳神経病棟看護師で編成し、良好な治療成績を上げています。また、脳卒中の原因が潜在性心房細動や卵円孔開存症など心疾患の場合、脳神経内科医、循環器医からなるBrain Heart Teamで議論し慎重に治療方針を決定しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
1、4位について、悪性腫瘍や結核などの良性疾患による中枢気道狭窄は、病状の進展速度によっては救命のための緊急的な処置を必要とすることもある病変です。当科は中枢気道狭窄に対するステント留置術やレーザーによる腫瘍焼灼など、気管支鏡的治療をこれまで数多く実施しており、また多くの医療機関より症例の御紹介を頂いております。気管支鏡を使用した治療的介入は今後も引き続き力を入れていきたいと思います。
2、5位について、肺がんの治療は有効な薬剤、治療方法の革命的な進歩により、たとえ進行期でも生命の予後は改善しつつあります。一方、そのために長期の治療が必要となり、抗がん剤投与のための点滴ルート確保が難しくなる患者さんもいらっしゃいます。そのような場合に抗がん剤の漏出の危険性が低く安全に投与を継続するための点滴路として植え込みカテーテルを留置いたします。 3位について、気胸は通常ドレナージや手術で治療しますが、背景肺の状態が悪く、体力的にも手術に耐えることが難しい患者さんがいらっしゃいます。そのような時に気管支鏡的に気管支用充填材を用いて気胸腔とつながる気管支を閉鎖し治療する方法が気管支瘻孔閉鎖術で、当科では胸膜癒着術を組みあわせる等、治療効果を上げる工夫を積み重ねております。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示しいたします。 循環器内科
K5951 心房細動が起きていると思われる4本の肺静脈と左心房の間に心臓の内側から高周波もしくは冷却焼灼を行い、根本的な治療を目指しています。どちらの治療も体に目立った傷が残りません。
K5493 詰まっているもしくは詰まりかけた冠動脈を広げる治療法です。当院では外来の検査で必要と判断された方にのみカテーテルを用いた冠動脈造影検査を行い、虚血が証明された病変に対して風船で広げた後にステントという薄い金網を内張りします。ステントは血管が狭くなりにくい薬剤が塗布されたステントを使用することが多く、手術後2~3日で退院できます。 K555-22 固くなった大動脈弁に対して、開心手術という方法ではなく、通常のカテーテル検査や治療と同じやり方で、動脈血の流れに逆行させながら風船の上にたたまれた生体弁を適切な場所へ持っていき、留置する治療法です。外科的手術ができない患者さまにも行うことができ、また外科的手術のような大きな傷が残りませんので、手術後1週間ほどで退院できます。 K559-3 左心房と左心室の間にある逆流防止弁(僧帽弁)が何らかの原因で緩んでしまうと、心臓に過度な負荷がかかります。これを予防するため、僧帽弁をエコーで確認しながら、弁の前後をカテーテルの先端についた着脱可能なクリップで挟み、逆流量を減らすための治療を行います。全身麻酔で行いますが、外科的手術のような大きな傷が残りませんので、1週間ほどで退院できます。 K5952 心臓の中に通常のリズムとは異なる発電箇所や電気の通り道に対して、心筋の内側もしくは心臓の外側から高周波カテーテルを用いて焼灼する治療です。3〜4日の入院が必要です。 消化器・肝臓内科
内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術とは、スネア(投げ縄型の電気メス)と言われる輪になった針金などでポリープを切除する方法です。
内視鏡的胆道ステント留置術とは、悪性胆道狭窄や胆管炎に対する内視鏡的胆道ドレナージ術です。 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜)とは、早期がんに対して、胃カメラで消化管の内腔からがんを切り剥がし、病変を一括切除するという治療法です。手術を選択せざるをえなかった大きいがんの患者さんでも、おなかを切らずに治療することができます。 小腸結腸を含めた内視鏡的消化管止血術は、昼夜問わず緊急で行う内視鏡的治療です。 内視鏡的乳頭切開術とは、総胆管結石の摘出や内視鏡的胆道ドレナージ術の補助として、切開用電気メスカテーテルにより内視鏡下に十二指腸乳頭を切開する処置です。 腎臓・高血圧内科
血液透析患者さんにとって透析のための血管アクセスは命綱のような大切なものです。特に、高齢化により良好な血管アクセスが作製できない、あるいは血管アクセスのトラブルを頻回に起こす患者さんも多く、近隣の透析施設が大学病院に期待する治療として、血管アクセス関連手術(経皮的シャント拡張術・血栓除去術、内シャント設置術、上腕動脈表在化法、内シャント血栓除去術など)が適切なタイミングで安全に実施されることが重要な意味を持っています。
令和2年度については新型コロナウイルス感染症の蔓延により、これまで短期入院で行ってきた経皮的シャント拡張術・血栓除去術の多くを外来治療に変更しました。また、入院が必要な症例においても入院期間を短縮させることで平均入院日数は明らかに短くなりました。さらに、これまでX線透視下で行われてきた経皮的シャント拡張術については、豊富な経験を持つ医師の指導の下、高性能超音波装置を用いて施行する治療法を導入しました。これにより患者さんへの放射線被爆を回避することが可能となっています。当院では血管アクセストラブルを頻回に生じた症例を紹介いただくことが多いため血管移植術、バイパス移植術が徐々に増加しています。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 代謝・内分泌内科
※代謝内分泌内科では合併症等に対し、他科との連携により手術・処置が行われることがありますが、上位5つ全て10件未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、非掲載としております。
脳神経内科
脳神経内科では、脳梗塞の超急性期の患者に対する手術療法として、経皮的血栓回収術、経皮的脳血管形成術を実施しており、後遺症を極力少なくするようにしています。またパーキンソン病患者を対象とした手術療法として、ドパミン製剤(デュオドーパ)の腸内持続注入療法を行うための薬物投与用の胃瘻造設術や、深部脳刺激装置植え込み術を行っており、内服治療で効果不十分な患者にも最先端の治療を提供しています。その他の手術療法として、重度の呼吸筋麻痺を伴う場合は気管切開術を行うことがあり、また重度の嚥下障害を伴う場合は胃瘻造設術や喉頭気管分離術を行うことがあります。
※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示しいたします。 血液内科
※血液内科では他科との連携により手術・処置が行われることがありますが、上位5つの全て10件未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、非掲載としております
リウマチ・膠原病・アレルギー内科
※リウマチ・膠原病・アレルギー内科では合併症等に対し、他科との連携により手術・処置が行われることがありますが、上位5つ全て10件未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、非掲載としております。
腫瘍内科
腫瘍内科では消化器がんを中心に、化学(放射線)療法や緩和療法を行っています。手術手技として行われるものとしては、化学療法の投与目的や食事摂取不良に対する中心静脈栄養を目的とした植込型カテーテル設置が多く行われています。植込型カテーテル設置は緩和治療として行う場合が多いため、全身状態をしっかり評価してその必要性を見極めるために、術前の入院日数が長めになっています。
また、腫瘍による胆道閉塞・消化管閉塞・尿道狭窄に対するステント留置術を行っています。胆道閉塞・消化管閉塞・尿道狭窄に対するステント留置術は、緊急で行うことが多いため、術前の入院日数は短いです。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 小児科
【小児科】
小児先天性疾患・循環器疾患の中では、先天性心疾患が多くみられます。近隣からの紹介も増え、それに伴って手術件数も 増加しています。肺動脈絞扼術はその典型的な術式の一つです。先天性心疾患の開心術においては人工心肺を使用し、新生児・乳児重症例では、術後管理においても人工心肺・体外式膜型人工肺が使用される症例もみられます。その際、術中術後自己血回収術も積極的に行われ、輸血量を減らしたり自己血で完結する努力もされています。 心臓カテーテルは検査法としても治療法としても重要であり、経皮的肺動脈形成術・肺動脈弁拡張術はカテーテルを用いた術式です。また、こうした重篤な先天性心疾患の周術期管理や集中治療管理においては、新生児蘇生術が実施される局面もしばしばみられます。 【新生児科】 新生児仮死は、分娩前・中に状態が悪くなるために発生する病態です。当院は総合周産期母子医療センターでより重症な妊婦、新生児を管理していることを反映している結果と考えています。仮死第1度と仮死第2度は重症度の違いによる分類で、第2度はより重症な仮死である事を示します。 経皮的肺動脈形成術と経皮的肺動脈弁拡張術は、肺動脈のサイズが小さい場合又は肺動脈弁が狭くなっている場合に行う手術です。カテーテルで新生児に実施する手術で小児循環器科医が実施します。3kg程度の小さな児に実施する治療であり、繊細な技術を要求される手術です。 肺動脈絞扼術は、心室中隔欠損症などの、肺の血流が増加する先天性心疾患を有する児に対して状態を安定させるために行う手術です。心臓内に欠損を有する患児では、心臓を修復する*1根治治療を行うことは侵襲性が極めて高いです。そのため、まず心臓は治療せず肺動脈絞扼術といった*2姑息的治療で対応するといった症例があります。同治療は特に根治治療が困難な染色体異常を有する児に用いることが多く、同治療が多い事は様々な合併症を有する児を管理していることを反映している結果であると言えます。 当院では周産期総合医療センター、こどもセンターの経験豊富な医師、看護師が共同して術後管理にあたり、術後のお子様に細やかなTotal careが行われるよう心掛けております。 *1根治治療…病気が再び起こらないように完全に治すこと。 *2姑息治療…症状を緩和させ苦痛を和らげるための治療法。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示しいたします。 消化器・一般外科
消化器・一般外科では、消化器系(食道、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓、胆道、脾臓)の悪性および良性疾患、成人の各種ヘルニア、痔核、痔瘻など肛門疾患の手術を行っており、高難度の腹腔鏡手術も積極的に行っています。また、当院救命救急センターと連携し、高度外傷手術から急性虫垂炎や胆嚢炎に至るまで対応しております。
令和2年度に行いました手術は、1位 腹腔鏡下胆嚢摘出術、2位 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア)、3位 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術、4位 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)、5位 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)でした。消化器・一般外科におきまして、悪性の手術から緊急手術まで幅広く取り組んでいる結果を表しております。 心臓血管外科
傷んだ心臓の弁を生体弁や人工弁へ取り換える弁置換手術、傷んだ弁を治す弁形成術、胸部大動脈瘤に対する人工血管置換術などは人工心肺を使用して行っています。
腹部大動脈瘤や胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術も積極的に行っています。大動脈瘤に対して、小さな皮膚切開からカテーテルを使って血管内に人工血管を置く手術で、体への負担が少なく、高齢者等体力のない患者さんに適しています。 冠動脈バイパス術は9割以上、心臓を止めないオフポンプバイパス術を行っております。 お示しした手術以外で比較的多く行われる手術には、下肢の閉塞性動脈硬化症に対するバイパス手術があります。下肢静脈瘤に対しては、ラジオ波を用いたカテーテル治療の下肢静脈瘤血管内焼灼術を行っています。従来の下肢静脈瘤抜去術と入院日数は変わりませんが、術後の回復が早いことが特徴です。また日帰りの手術についてもご相談ください。 呼吸器外科
呼吸器外科で最も多い手術は原発性肺がんに対するもので、これに転移性肺腫瘍を加えた肺の悪性腫瘍に対し、腫瘍進行度と悪性度及び患者さんの耐術能を考慮した最適な手術術式の選択を心掛けています。すなわち、原発性肺がんで、肺機能をはじめとした全身状態に問題がない患者さんに対しては、標準手術としての肺葉切除およびリンパ節郭清術が行われます。一方、高齢者や肺機能をはじめ全身状態に問題のある患者さんに対しては、より身体への負担の少ない手術として、肺の切除範囲を縮小した肺区域切除術や肺楔状切除術(部分切除)を行っています。これら手術は胸腔鏡を使用して皮膚の切開創を小さくして行うことが多くなり、かつ手術の安全性を第一に考えて術式選択をしています。最近では完全鏡視下手術に加えて*Single port手術も導入しております。
また、若年男性や肺気腫患者さんに突発的に生じることが多い気胸に対する根治手術として、原因となる肺嚢胞を切除する胸腔鏡下肺切除術を行っています。 入院期間の短縮を心掛けていますが、肺がんは高齢者に発症することが多く、術後の回復に時間を要します。一人暮らしの方も少なくないため、術後の在院日数が予定より長くなることもあります。 * Single port手術…単一の小さい孔を開け、その孔だけで完了する手術です。 小児外科
小児外科では、鼠径ヘルニア、陰嚢水腫、停留精巣、臍ヘルニア(でべそ)など小児外科の一般的な手術だけでなく、急性虫垂炎や腸重積症などの救急疾患、新生児外科疾患、小児呼吸器外科疾患、小児悪性腫瘍に対しても手術を行っています。また手術の傷が目立たないように腹腔鏡手術や小切開手術に積極的に取り組んでいます。
最も多い手術は腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)39症例でしたが、虫垂周囲膿瘍を伴う急性虫垂炎の患者さんも含めると50症例を上回ります。小児の虫垂炎を行っている施設は少ないので、一施設でのこの手術数は全国でもトップクラスです。 次いで鼠径ヘルニア手術で、K6335鼠径ヘルニア手術とK634腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)を合わせたもので令和2年度は58人でした。例年と比べると約半分に減っていますが、これはコロナ禍で鼠径ヘルニア手術は不要不急の手術でないため、手術時期を見合わせているためです。女児は傷の目立たない腹腔鏡手術を行っています。男児は、従来の小切開で行っています。主に1泊2日で手術を行っています。 停留精巣固定術は停留精巣(睾丸)の患児に対して行われる手術で26症例に行いました。1泊2日で手術を行っております。 陰嚢水腫は1歳までに自然治癒することが大部分ですが、1歳を超えても治癒しないものに対して手術を行っています。10症例手術を行いました。1泊2日で手術を行っております。 乳腺・内分泌外科
乳がん(乳腺悪性腫瘍)に対する手術の入院日は通常合併症等がなければ、前日入院で行っています。乳房部分切除術(乳房温存手術)は術後入院期間も2.1日と短く、低侵襲な手術といえます。乳房切除術の場合は、皮下に排液用のドレナージ・チューブが入り抜去後退院ということで、術後5.6日程度の入院が必要です。整容性に配慮し乳頭乳輪を温存する術式(乳輪温存乳房切除術)も積極的に行っています。同時に乳房再建術を行う場合には、ドレナージ・チューブを抜去できるまで時間を要するため7日間程度入院期間が長くなります。また、腋窩リンパ節郭清が加わった場合には、ドレナージ・チューブ抜去までの期間が若干長くなるため、入院日数が1〜2日間程度長くなります。
脳神経外科
慢性硬膜下血腫は低侵襲な治療が可能な疾患です。脳神経外科は地域の中核病院として多くの紹介患者さんを受け入れています。術後早期からの症状回復が期待できるため短期間の入院で治療が完了します。ただし昨今は超高齢者の難治例も増えており、血管内治療の併用が必要な例が増加しています。血管内治療は切らずに脳の病気を治療できる画期的な治療法です。常に複数の指導医や専門医が在籍しており、年々実績が増加しています。
脳腫瘍の治療は高度な医療技術が要求されます。脳神経外科は高度医療機関病院として各種の先端医療機器の使用だけでなく、複数の診療部門から構成される包括的チーム医療を提供しています。術中の脳神経機能保護に重点を置いた術前検査を重視しており、良好な治療成績を収めています。また機能障害を有する症例では術後の療養を要することも多く、周術期からのリハビリテーションを実施して中長期的な病状回復に努めています。 近年脳血管障害の治療は、従来の開頭術による治療は減り脳血管内手術や経皮的頸動脈ステント留置術が増加しています。当院では最新の機材や技術を用いて高度の医療を惜しみなく提供しています。 側頭葉切除術は、薬物治療が奏功しない難治性てんかんに対する代表的外科治療法です。当院てんかんセンターと協力して良好な治療成績をあげています。 整形外科
整形外科では、整形外科各領域(足、膝、股関節、脊椎、手)の疾患に対し、各専門班が手術を担当しております。
令和2年度は、人工関節置換術が最も多い手術となっておりますが、これは一昨年から股関節、膝関節に加え、足関節の置換術も増加しており、また、高齢者の転倒による大腿骨骨折手術も多くなっている影響もあると思います。 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿)の平均術前日数が3.6日と一般病院に比してはやや長いですが、手術前に精密検査が必要な患者さんが多い影響と考えます。これと比べて骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨)では平均術前日数は1.56日、術後日数も5.40人と入院期間は短いです。 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕、下腿)の手術は、骨折の治療で骨に挿入した鋼線等を抜去する手術です。 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む)(後方又は後側方固定)は、椎間板ヘルニアで行われる手術です。平均術後日数も25.45日と長い傾向にありますが、これは比較的重症な患者が当院に紹介されるためです。 形成外科
形成外科では顔面の先天性、後天性変形に対する手術や、皮膚腫瘍、皮膚欠損に対する手術を多く行っています。特に乳がん切除後の乳房再建では、人工乳房(インプラント)と自家組織移植の両方の再建術を行っており、再建数とその仕上がりの美しさは日本でトップクラスの成績を誇ります。当院で行う乳房再建では、人工乳房と自家組織による再建のいずれでもパッチワーク状瘢痕を作らず、再建したことが分からない美しい乳房を再建することを目指しています。
この他、露出部の皮膚腫瘍切除術、顔面骨骨折の治療、外傷・熱傷の治療、傷あとの修整などでも多くの手術を行っており、いずれも良好な結果を得ています。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 皮膚科
1位の皮膚悪性腫瘍切除術は悪性黒色腫、基底細胞癌、有棘細胞癌などの皮膚がんであり、原則として手術前日に入院となります。単純切除や小さい皮弁や植皮の場合は平均術後日数6日強になっています。
2位の全層植皮術(25㎠以上100㎠未満)のように、再建に全層植皮を要するような場合では入院期間は12日程度とやや長くなります。 3位の女子外性器悪性腫瘍切除術は主に外陰部に生じた悪性黒色腫が対象になります。 4位の皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝以上6㎝未満)は大型の良性の腫瘍で症例に応じて入院手術を行っています。 5位の皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6㎝以上12㎝未満)は更に腫瘍径の大きいものが該当します。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示しいたします。 腎泌尿器外科
1位の経尿道的尿管ステント留置術とは、何らかの理由(結石・がん・その他)で尿管の通過障害を起こしている場合に、緊急処置として尿管の通過障害を解除するため、ステントと呼ばれる管を腎臓と膀胱の間に挿入することを言います。通過障害を放置すると腎機能の悪化を招くので、通過障害の解除は重要な処置です。
2位と5位の膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)は内視鏡を尿道より挿入し、内視鏡の先端についているループ状の電気メスで膀胱粘膜に発生した膀胱腫瘍を切除する手術です。治療の意味合いもありますが、同時に切除した組織を詳しく調べて腫瘍の深さ、悪性度、組織型などを確認します。筋肉に浸潤していない筋層非浸潤性膀胱がんは経尿道的膀胱腫瘍切除術のみでは再発する頻度が高く、再発予防目的に膀胱内に薬物注入療法を行うことがあります。その際も切除した組織の結果をもとに注入する薬物の種類や投与期間などを設定します。 3位の腹腔鏡下小切開前立腺悪性腫瘍手術は前立腺がんに対して行われる手術で、小さい切開創で行う手術です。この手術は従来の開放手術の安全性と、腹腔鏡手術の低侵襲性の両者の利点を取り入れた手術方法です。手術関連機材や術式は常に改良・発展がつづいており、当科ではこれらの進歩が患者さんの安全性の向上や侵襲性の低減につながっていくように考慮しつつ手術にあたっています。 4位の腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術は腎および腎尿管の悪性腫瘍に対して、腹腔鏡を用いて腎臓あるいは、腎臓および尿管を一塊として摘出する手術です。開放手術と比較すると、手術のキズが小さく、術後の痛みは少なく、入院期間が短いことが特長としてあげられます。 産婦人科
当院産婦人科は産婦人科診療の4本柱である「周産期」「生殖」「婦人科」「女性ヘルスケア」に加えて、「腹腔鏡手術」「遺伝子診療」の 6領域全てに対応することが可能なスタッフを有しています。
当院は、日本産科婦人科内視鏡学会認定腹腔鏡・子宮鏡技術認定医を複数有しており、積極的に低侵襲手術を取り入れていることから、婦人科疾患の中でも良性疾患に対する腹腔鏡手術による手術数が増加しています(K8882、K877-2)。 同様に悪性腫瘍手術に対しても適応を見極めた上で、低侵襲手術を取り入れています。さらに、日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍指導医・専門医も複数在籍しており、婦人科悪性腫瘍を中心とした婦人科診療に関しても県内トップクラスの症例数を有しております(K879、K867)。 また、小児・AYA世代がん患者に対する妊孕性温存療法を自施設で完結し安全に提供できる体制を整えており、子宮内膜増殖症や適応を有する子宮体癌に対する妊孕性温存療法を行っています(K861)。 眼科
水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他)は、白内障に対する標準的な手術です、当院にご紹介いただいた患者さんに対して手術を行っています。
眼科で行われる網膜硝子体手術は糖尿病網膜症、黄斑円孔、黄斑変性、網膜剥離、硝子体出血などをはじめとして、網膜硝子体疾患全般に渡っております。ほぼ全例で世界最小*27Gの手術を得意としており、論文作成などにより世界の潮流をリードしていると自負しております。また、網膜剥離などの緊急手術も紹介後速やかに対応するシステムになっています。 緑内水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他)障に関しては、低侵襲緑内障手術(Minimally Invasive Glaucoma Surgery:MIGS)から複数回の手術をされている難治性緑内障の患者さんまで多数ご紹介を頂いています。これらの術式ですべての緑内障病型に対応できます。また、近年よく見られるようになった眼内レンズ亜脱臼に対する眼内レンズ強膜内固定も増加傾向です。 *27G…眼球に開ける穴の大きさを表しています。27G=0.4㎜。 耳鼻咽喉科
内視鏡下鼻・副鼻腔手術(慢性副鼻腔炎の手術)や内視鏡下鼻中隔手術(鼻中隔弯曲症の手術)、内視鏡下鼻腔手術(肥厚性鼻炎等の手術)は入院日数を4~5日間と入院期間短縮を心がけております。また、合併症リスクが高い症例などは、ナビゲーションシステムを用いて安全第一で手術を行っております。
口蓋扁桃摘出術(慢性扁桃炎の手術など)は、術後出血の合併症を早期に発見し対応するため、術後日数が7日間(合計9日間)としております。また、小児に対して手術することも多いため、平均年齢も他と比べると低くなっています。 慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成手術は、約5日間の入院を基本としておりますが、2泊3日の短期入院で手術を行う場合もあります。また、症例によってはより低侵襲な内視鏡手術も行っております。 扁桃周囲に膿瘍を形成した扁桃周囲膿瘍に対しては、ほぼ全ての方に入院をお勧めしています。その上で、扁桃周囲を切開もしくは穿刺を行い、膿瘍を排出させます。入院期間は約1週間です。 声帯ポリープや喉頭乳頭腫などの喉頭微細手術(喉頭・声帯ポリープ切除術(直達鏡又はファイバースコープによるもの)や喉頭腫瘍摘出術(直達鏡))は約3日間の入院としております。頭頸部がんで、喉頭全摘術や再建を必要とする手術では1か月以上の入院となることがあります。咽頭の表在がんに対し、消化器肝臓内科と協力して経口腔手術を行っております。 放射線科
血管塞栓術とは、皮膚から直接血管内に挿入したカテーテルを通じて塞栓物質を注入し、標的の血管を詰める治療のことです。肺動静脈奇形の塞栓術では鼠径部の静脈から2㎜径程度のカテーテルを挿入し、肺動脈と肺静脈との交通の部分にコイルやプラグなどを留置し、交通を閉鎖します。通常一週間以内の入院で治療を施行します。体の表面に傷はほぼ残らず、合併症も少なく、体に優しい治療です。その他に四肢・軟部の動静脈奇形に対しても塞栓術を施行し、同様に動静脈の交通を塞栓物質で閉鎖します。
総合診療内科
※総合診療内科での入院は救命センターと連携をとり、主にCOVID19(新型コロナウイルス)関連の症例を扱っております。
集計条件の都合上COVID19(新型コロナウイルス)は計上されないため、上位5つ全て10件未満となり患者さんの特定がされる可能性があるため、非掲載とさせていただきます。 その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
肝損傷などの重篤な外傷や、肝臓がんや膵がん、肺がんあるいは心臓血管外科疾患などの大手術後に血液の凝固に異常をきたす播種性血管内凝固症候群がおこることがあります。また、様々な感染症などから血液中に病原菌が入り敗血症になりこれが原因で播種性血管内凝固が引きおこる場合もあります。
播種性血管内凝固症候群とは外傷や、がん、急性白血病、細菌による重度の感染症などの疾病をきっかけとして全身の細い血管に血栓が生じ過度の出血症状が見られたりする重篤な合併症です。当院は数多くの併存症を持った患者さんの手術を行っています。このためこれら手術後等に播種性血管内凝固症候群を合併することもあります。また当院は重篤な患者さんを主に受け入れる救命救急センター(3次救急)があり、他の病院で播種性血管内凝固症候群を合併した患者さんの治療目的で紹介され入院する場合も多くあります。 「入院契機と同一」とは、入院時すでに播種性血管内凝固症候群と診断された患者さんで、10名未満でした。一方、「入院契機と異なる」とは、入院した時には別の病気で入院しましたが、入院中に播種性血管内凝固症候群をおこし、この治療に多くの時間・医療費が必要であった場合で12名(発生率0.06%)の患者さんがいました。令和元年度と比べると0.03%の減少となっております。 敗血症の患者数は、入院した時から敗血症と診断された患者さんは52名であり、昨年度より若干名増加いたしました。一方で入院した時には別の病気で入院し、その後に敗血症をおこした患者さんは30名で、その発生率は0.16%でした。令和元年度と比べて0.04%増加することとなりました。 入院した時から真菌感染症と診断された患者さんは10名未満、入院した時には別の病気で入院したが、その後に真菌感染症をおこした患者さんも10名未満でした。 入院時から手術・処置等の合併症と診断された患者数は57名、発生率は昨年から0.70%減少しております。これは腎臓・高血圧内科の入院治療で、透析を行うために必要なシャントが血栓などで閉塞し使用できなくなる合併症が算定上、集計されなくなったためです。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 更新履歴
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当院では幅広い年齢層の患者さんが入院されますが、60歳以上の患者さんが令和元年度では58.94%でしたが、令和2年度では60.42%と6割を超える数値となりました。地域がん診療連携拠点病院としてがん治療を積極的に行っていることや脳卒中(脳血管疾患)、急性心筋梗塞などの循環器疾患(3大疾患)が60歳以上の患者さんで多く見られることにより割合が年々増加していることと考えます。
総合周産期母子医療センターを有する当院は小児医療も充実しておりますが、全世代の割合の中で10歳未満の-1.05%(454名)と最も減少した年齢層となりました。これは小児感染症の減少や受診控えが大きな原因ですが、一部の小児病棟を新型コロナウイルス感染症のための病棟へ変更し病床を確保したことや、コロナ重症患者受け入れ体制をさらに整えたこともその要因の1つと考えられます。しかしながら周産期の患児や一般の小児救急患者の受け入れを積極的に行い、また高度かつ先進的な医療を提供しているために、他医療機関と比較すると大幅な減少ではありませんでした。
※昨年度と抽出しているシステムベンダーが異なるため若干数値が異なっております。