年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
平成30年度に当院を退院された患者さんは22,421名で、29年度と比べると825名増えています。1日あたりの平均は29年度と比べると2.3名増えて、61.4名の患者さんが退院されています。当院は幅広い年齢層の患者さんが入院されておりますが、最も多い年齢層は70~79歳で5,296名(23.6%)でした。少子高齢化の時代といわれておりますが、60歳以上の患者さんの割合は57.4%と、この数年変わりはありませんが、超高齢者の患者さん(80歳以上)は29年度と比べて308名も増えて、3,893名(17.4%)と年々増加しています。また総合周産期母子医療センターを有する当院は小児医療も充実しており、0~9歳の患者さんは2,005名と29年度と比べると88名増えています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
肺がんの患者さんは増加しつつあり、その中で75歳以上の患者さんが半分以上を占めています。高齢であっても全身状態が良ければ治療の対象になるため、診断のための気管支鏡検査やCTガイド下生検などの検査をお勧めしています。最近では分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など、従来の抗がん剤とは異なる作用機序のお薬が導入されており、効果が期待できる方には積極的に治療介入を行っております。2位の間質性肺炎の増加はピルフェニドンやニンテダニブ等の抗線維化薬導入に伴う入院や、急性増悪治療のための入院によるものです。3位の誤嚥性肺炎の増加は高齢者の増加に起因するものと考えられます。これからますます増加が懸念される誤嚥性肺炎に対しては、予防(歯科治療やリハビリ)、急性期の治療、炎症軽快後のリハビリや在宅治療等、地域全体での取り組みが今後重要となってきます。5位の慢性閉塞性肺疾患(COPD)は喫煙により肺気腫や慢性気管支炎を発症し、息切れや咳、痰の症状を呈する病気であり、当院ではリハビリテーション、吸入薬使用方法、療養、及び栄養等の指導を目的とした教育入院を行っています。また感冒等を契機としたCOPDの病状悪化も場合により入院加療が必要となります。
循環器内科
高齢化に伴い心房細動という不整脈疾患が増加し、これが脳塞栓の原因となり得るため、当科では発作性心房細動を中心にカテーテル心筋焼灼術を積極的に行っています。頻脈性不整脈の入院期間は4.6日です。脈が遅くなるタイプの不整脈に対する治療法は、適切な薬剤がないため、ペースメーカの植え込みが必要です。約1週間の入院期間を要します。
睡眠時無呼吸症候群は、いびきを契機に見つかることが多いですが、様々な疾患に合併することが知られています。適切な治療を行うことで生活の質の向上が望めるので、適切な診断と治療を行います。 虚血性心疾患では、心臓を養う冠動脈に狭い箇所を有するため、虚血に関わる病変であればカテーテルによる冠動脈治療を行います。冠動脈造影と治療はいずれも3日程度の入院で行っています。 弁膜症(連合弁膜症を含む。)の治療である経カテーテル的大動脈弁置換術は従来の心臓手術とは異なり、血管内から治療することが出来る画期的な方法です。通常の手術では治療困難な方に施されるため、高齢者が対象となることが多いです。 消化器・肝臓内科
当科に入院する患者さんのうち頻度の高い疾患は大腸ポリープ、胆管結石・胆管炎、胃がん(胃の悪性腫瘍)、大腸憩室炎(腸炎の一種)、肝がん(肝・肝内胆管の悪性腫瘍)です。当科ではこれらの代表疾患をはじめ様々な疾患に対して、消化管班、胆膵班、肝臓班の3つの診療グループが高い専門性をもった医療を提供しております。大腸ポリープや早期の胃がんに対する内視鏡治療は消化管班が行っています。胆管結石・胆管炎に対しては、胆膵班が待機的または緊急で内視鏡治療を含め診療しています。肝臓班では、外科や放射線科との協議のうえ肝がんに対する集学的治療を行っています。
腎臓・高血圧内科
日本人の高齢化により、慢性腎炎に加えて、高血圧・動脈硬化性疾患の最終像としての腎不全は年々増加しています。実際、最新の日本透析医学会の統計調査では、日本の透析患者は33万人を超えたことが報告されました。当科のDPC病名として最も多いのが腎不全や腎不全関連手術(動脈形成術、吻合術)であることもそれを示唆するものです。さらに、高齢化による*ポリファーマシー、腎機能低下症例の増加が急性腎障害(腎不全)の頻度もかなり増加させています。勿論、当科では従来の腎炎に対する診断(腎生検)や治療も多く行っていますが、加えて、腎不全の進行を抑制することを目的とした慢性腎臓病教育入院の実施、透析を行うために必須である透析アクセスの造設や維持(それぞれ内シャント設置術、内シャント血栓除去術)のための外科的アプローチ、急性腎不全の治療や予防など、多岐にわたる腎疾患に対応し、地域の腎不全患者さんの総合医・かかりつけ医としての役割を果たし、患者さんの利便性を高めるようにしております。
*ポリファーマシー…多剤服用の中でも、害をなすものを特にポリファーマシーと呼びます。単に服用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服薬過誤などの問題につながる状態。 代謝・内分泌内科
糖尿病センターは健診で初めて指摘された糖尿病予備群から、急激に糖代謝が悪化する劇症1型糖尿病に至るまで、すべての糖尿病患者さんを診療する体制が整っております。とりわけ糖尿病患者さんの教育に積極的に取り組んでおり、医師、看護師、薬剤師、栄養士で構成されたチーム医療で生活習慣の改善指導、合併症の治療を行っております。また、近年8人に1人の妊婦さんが妊娠糖尿病になる時代背景を見据え、病院内外の産婦人科と連携のもと安心した周産期、出産が行えるように栄養士による食事療法の指導やインスリン療法による血糖管理を行っています。
他病棟に入院されている糖尿病患者さんに対しても周術期等における血糖管理を行うなど他科と連携医療を積極的に行い、入院加療における医療の質の向上に努めております。 内分泌疾患については近年、高血圧の患者さんにホルモンが関係する副腎疾患の精査を行うことが増えております。検査入院で内分泌機能試験、画像検査(CT、MR、シンチグラフィ等)、副腎静脈サンプリング等を実施して的確な診断に努めております。 脳神経内科
当科において最も多い疾患は、発症3日以内の急性期脳梗塞です。血栓溶解療法や血栓をカテーテルで取り除く超急性期治療を行えば、後遺症を少なくすることができます。行った治療とその成績は、6か月ごとに検証し、*PDCAサイクルを回す活動を継続的に実施し質の向上に努めております。当院は神奈川県内唯一のてんかんセンターとなっており、昨年度と異なりてんかん患者さん(高齢者てんかん)の入院も多くなっています。進行期パーキンソン病であっても、ドパミン製剤(デュオドーパ)を直接腸内に持続注入する治療法や深部脳刺激療法でよい成績が得られるようになっています。人口の高齢化とともに脳梗塞、パーキンソン病等の神経疾患は増加しつつあります。次に多い疾患は慢性炎症性脱髄性多発神経炎やギランバレー症候群などの免疫介在性神経疾患で、免疫グロブリン大量静注療法等で効果をあげています。
*PDCAサイクル…Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって、生産管理や品質管理などの管理業務を継続的に改善していく手法。 血液内科
当科では悪性リンパ腫を、診断時の病理組織標本に加えフローサイトメトリー法・染色体検査・FISH・遺伝子検査を用い総合的に診断しております。病理医と密に連携し、各々の患者さんに最適な治療法を選択しております。急性白血病の患者さんには、バイオクリーンルームを利用して、標準的な化学療法を施行しております。また、特発性血小板減少性紫斑病をはじめとする各種の出血性疾患に関しても適切な検査・治療を心がけて対応しています。悪性リンパ腫に関しては強力な救援化学療法を行っている症例が多く、そのため平均在院日数が長くなる傾向にあります。急性白血病に関しても合併症のある症例の治療にも積極的に取り組んでいることで平均在院日数が長くなる傾向にあります。
リウマチ・膠原病・アレルギー内科
膠原病などの全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患は、診断、病勢・重症度の把握、これに続く寛解導入療法または外来治療経過中の再発のために入院を要することがあります。当科では、これに対し迅速な診断、ステロイドや免疫抑制薬併用の適切な使用、並びに合併症予防策を行っています。関節リウマチは生物製剤導入目的や感染症、間質性肺炎、皮膚潰瘍などの合併症による入院が多くみられています。また、膠原病の代表的合併症の一つである間質性肺炎に対しては、シクロホスファミドやカルシニューリン阻害薬などによる免疫抑制療法を行う場合もあります。
腫瘍内科
当科では消化器がんを中心に化学療法、放射線療法、緩和治療を行っていますが、昨今、ほとんどの治療が外来で施行可能となっております。従って、シスプラチンなどの長時間補液を必要とする治療のみが入院の対象となり、食道がんの入院が多くなっております。膵がんでは、強力な多剤併用療法を選択する場合に限り、初回のみ入院で治療を開始する場合もあります。当科では、患者さんの生活の質(QOL)をなるべく下げることなくがんの治療を継続することを目標とし、入院期間は患者さんの要望になるべく沿う形で短期間の場合が多くなっております。
小児科
【小児科】
急性肺炎・気管支炎は、乳児や基礎疾患のある症例で重症化しやすくなります。急性細気管支炎は、RS(respiratory syncytial)ウイルスやhMP(human metapneumo)ウイルスの感染によるものが多く、最近は夏期に大流行する傾向に変化し、かつ新生児・乳児で重症化して集中治療を要する症例が多くみられました。てんかん患者は、てんかんセンター設置により受診数がさらに増加傾向となり、発作後の入院、診断確定、てんかん外科手術のためのビデオ脳波検査入院が増加したものと考えられます。熱性けいれんは、一部で重積状態となり、急性脳炎脳症との鑑別のため慎重な経過観察が必要となる症例がしばしばみられます。未熟児・新生児症例の応需は下記のとおりですが、退院前の移行期や、さまざまな合併症等の診療継続のため、小児科と新生児科の連携を強化しております。 【新生児科】 当院は総合周産期母子医療センターであり、合併症や胎児の発育不良で紹介される母体が多くなります。その結果として、早産児や低出生体重児といった入院管理を要する新生児が増加します。低出生体重児が多いことについては、近年全国的な傾向でもあり、当院での症例数が多いこともその反映であると考えます。2500g以上の新生児の平均在院日数は全国平均と変わりありませんが、1500g以上2500g未満の新生児の平均在院日数は全国平均より短く、転院率は低いことから、順調な経過で退院している新生児が多いと考えられます。 消化器・一般外科
当科が対象とする疾患は、消化器系(食道、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓、胆道)の悪性および良性疾患、成人の各種ヘルニア、痔核、痔瘻など肛門疾患、また当院救命救急センターと連携し、高度外傷手術から急性虫垂炎や胆嚢炎に至るまで対応しております。
平成30年度における対象疾患は、1位 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む)、2位 鼠径ヘルニア、3位 虫垂炎(保存的治療)、4位 結腸(虫垂含む)の悪性腫瘍、5位 胆嚢水腫、胆嚢炎等でした。当科において悪性疾患から緊急手術が必要な症例まで幅広く取り組んでいる結果を表しております。 心臓血管外科
当科が対象とする疾患は、冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞など)、心臓弁膜症、大動脈疾患(大動脈瘤、大動脈解離など)、末梢血管疾患(閉塞性動脈硬化症、静脈瘤など)です。冠動脈バイパス術は9割以上、心臓を止めないオフポンプバイパス術を行っております。傷んだ心臓の弁に対しては、弁形成術や弁置換術を行っておりますが、条件が合う患者さんには術後の早い回復が望める低侵襲心臓弁膜症手術を行っております。また、高齢者やハイリスクな患者さんには、ハイブリット手術室においてカテーテル的大動脈弁置換術を積極的に行っております。大動脈瘤疾患に対しては、人工血管置換術やカテーテルで人工血管を留置するステントグラフト内挿入術を積極的に行い、良好な結果を得ています。
呼吸器外科
当科の治療対象疾患は原発性肺がんが最も多く、内科医・外科医・放射線科医などが参加する多職種カンファランス(Cancer Board)での検討に基づき治療方針を決定しております。手術適応と診断される場合には根治を目指した外科手術を行っております。主に低侵襲機能温存を目的とした胸腔鏡手術を行っております。進行例に対しては適切な治療を選択し、術前に化学療法、放射線療法などの導入療法を行い、腫瘍を縮小させてから根治切除を行うこともあります。さらに症例によっては先端医療を導入した臨床治験にご参加いただき手術を含めた集学的治療も積極的に行っております。また転移性肺悪性腫瘍にはさまざまな癌腫があり、多くは他科からの依頼によって手術適応を判断することになります。肺がん同様に低侵襲機能温存を目的とした胸腔鏡手術を行っております。
肺がんは他のがんと比較して予後不良であり、術後の再発リスクが高いという特徴があります。進行例では再発を予防する目的で術後に補助的抗がん剤治療を行うこともあります。また術後外来での定期的検査を行い、再発症例に対しては臨床治験も含めて積極的に薬物治療を行います。最近では、分子標的治療薬や免疫治療薬の開発が進み、その成績も向上しており、切除例では肺がんの各種遺伝子異常やタンパク質発現を検索し、再発の際に適切な薬剤選択が迅速にできるようにしております。 気胸は10代、20代の若年男性や肺気腫のある人に突然発症することの多い疾患です。肺の虚脱によって呼吸困難となることがあり、早急な対応が必要です。当科では近隣の診療所からの紹介を常時受け付けており、緊急手術にも対応しています。 肺の良性腫瘍は気管支、肺実質、血管、胸膜などから発生し、肺腫瘍全体の2~5%を占めます。主に診断的治療を目的とした胸腔鏡下肺部分切除術を行われ、また気管支形成を追加することにより切除肺を少なくする術式も行っております。 小児外科
件数が一番多かった症例は「その他の消化管の障害 手術なし」で、これは消化吸収を担っている小腸が極端に短いために、口からの食事では十分な栄養が摂取できない患者さんが入院して点滴治療を受けています。また、急性胃腸炎などのお腹の風邪で、食事を取れないお子さんが入院治療を受けています。手術だけではなく、腹部を中心とした外科疾患をフォローしています。
二番目に症例数が多いのは、鼠径ヘルニアの患者さんです。86名の患者さんに2泊3日もしくは1泊2日の入院で鼠径ヘルニア手術を行っています(平成30年度診療科別主要手術別患者トップ5参照)。 「虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等」で、腹腔鏡下虫垂切除術を行っています。平均在院日数5.4日間です。「停留精巣 手術あり」も、21名入院しており、2泊3日の入院で精巣固定術を行っています。 腸重積は、主に乳児に多く発症する病気です。平成30年度は21名が腸重積の診断をされ、高圧浣腸により治療が行われました。主に1泊2日で退院します。 乳腺・内分泌外科
乳がんは現在本邦女性が最も罹りやすいがんで、壮年期(30代後半から60代)の女性がん死亡1位の重大な疾患です。当科では診断・治療・ターミナルケアまで一貫した乳がん診療を実践しております。最新の乳がん診療のキーワードは個別化医療とチーム医療です。ステージ(病期)、サブタイプ(乳がんの種類)、患者さんの背景によって治療方法は異なります。それらの評価を正確に行い、手術、化学療法(抗がん剤、分子標的薬)、放射線療法、ホルモン療法などの集学的治療をチームで実践することによって乳がん克服を目指しております。線維腺腫など比較的若年性に多い良性腫瘍の切除手術も整容性に配慮し、実施しています。
脳神経外科
当科ではてんかんセンターと共同で幅広いてんかん診療を実施しています。当科では持続ビデオモニタリングを行い正確なてんかんの診断を行い、必要があれば薬物治療が奏功しない難治性てんかんに外科的治療をお勧めしています。
頭蓋・頭蓋内損傷は交通事故が減少しているものの、高齢人口の増加で高齢者の家庭内事故が急増しており、当科は24時間体制で緊急治療に対応しております。 脳腫瘍は手術で摘出する治療がすべてでなく、化学療法や放射線治療との複合治療が必要です。当科では化学療法の専門医がいる他、放射線科との緊密な連携ができています。術中モニタリングやナビゲーションシステムなど最先端の装備が整っています。 整形外科
当科は、整形外科各領域(足、膝、股関節、脊椎、手)に専門性を有し、変性疾患やスポーツ障害、外傷など近隣地域より紹介を多数いただいております。
救命救急センターを併設しているため、救急外傷も数多く搬送されてきます。特に、最近は近隣病院で手術困難な股関節周囲骨折の患者さんも多くなってきています。そのため平均在院日数はやや長くなる傾向はあります。 当科では、外傷疾患は緊急手術を含む、早期対応を行い、変性疾患はエビデンスに基づく治療を心がけ、早期機能回復に努めています。 形成外科
当科では顔面をはじめとして体表面のあらゆる変形を扱っており、先天性の変形から病気や外傷の手術後の後天性変形まで広く再建、形成手術を行っています。特に乳がん切除後の乳房再建では、自家組織と人工乳房の両方の手術を行っており、乳頭乳輪形成に至るまで独自の手術で、再建したと分からない美しい乳房の再建を目指して、治療を行っています。近年、自動車の安全装置の発達で減少傾向の顔面骨骨折ですが、当院には二輪車・自転車の事故やスポーツ中のけがで受傷した顔面骨骨折の患者さんが多く訪れており、手術を中心にした治療を行っています。また、当科では長年、培養表皮移植や多血小板血漿(PRP)治療などの先進医療に取り組んで来ており、皮膚の良性・悪性腫瘍に対して、単に腫瘍を切除するだけでなく、できるだけ目立たない傷痕になる治療を行っています。その他、高齢者を中心に、眼瞼下垂の症例が増加しており、症状に応じて種々の術式を駆使し、良好な結果を得ています。
皮膚科
1位の膿皮症は具体的には蜂窩織炎や丹毒であり、外来治療では不十分な重症患者さんを入院治療しております。大半の病院の皮膚科でも入院患者さんの多くを占めている疾患です。通常、1週間から2週間の入院を要します。2位の帯状疱疹も、よく見られる疾患です。抗ウイルス薬を連日点滴し1週間程度の入院治療を行います。3位の皮膚悪性腫瘍切除術は皮膚がんの手術で、当科には近隣より多くの患者さんが紹介されてきます。4位の自己免疫性疾患とは血管炎や膠原病であり、当科ではこれらの疾患も近隣より紹介されてきます。5位の疱疹はカポジ水痘様発疹症などの重篤なウイルス感染症などで、当科ではこれらの治療にも力を入れております。
※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 腎泌尿器外科
1位の前立腺の悪性腫瘍は前立腺がんが大半を占めます。前立腺がんは高齢者に認められ、近年は無症状で前立腺特異抗原という腫瘍マーカーが高値で、検診等で発見されることが多い病気です。確定診断は前立腺針生検という前立腺に直接針を刺して、前立腺組織を採取する検査をしてがんの有無を確認します。2、5位の膀胱腫瘍は膀胱粘膜に発生する腫瘍で、肉眼的血尿で発見されることが多い病気です。最初の治療としては尿道より内視鏡を挿入し、膀胱腫瘍を電気メスで切除します。筋肉にがんが及んでいないタイプは再発を繰り返すことが多く、膀胱内に薬物を注入して再発予防を試みます。筋肉にがんが及んでいる場合の標準治療は膀胱を一塊として摘出する膀胱全摘術です。3位の腎臓または尿路の感染症には、腎盂腎炎、精巣上体炎、前立腺炎などが含まれます。きちんと抗生剤の点滴加療を行わないと改善しない場合が少なくありません。4位の経尿道的尿道ステント留置を必要とする水腎症とは何らかの原因で尿路の通過障害を起こし、尿が腎臓の腎盂という場所に溜まった病態です。その水腎症の原因には、尿路結石、尿路のがんや他の悪性腫瘍の尿管周囲への転移・浸潤、長期間にわたる排尿障害などがあります。水腎症は放置すると腎機能低下の原因となり得るので、通過障害の部位を的確に診断し、それを解除することが重要です。
産婦人科
当科は産婦人科診療の4本柱である「周産期」「生殖」「婦人科」「女性ヘルスケア」に加えて、「腹腔鏡手術」「遺伝子診療」の 6領域全てに対応することが可能なスタッフを有しています。当院は日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医が複数在籍しており、婦人科悪性腫瘍を中心とした婦人科診療に関しても県内トップクラスの症例数を有しております。その為、平成30年度は婦人科悪性疾患が病名トップ5にランクインしています(子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等2-4あり 定義副傷病なし)。また、特に川崎市の周産期医療における最後の砦の施設であることから、平成30年度の病名トップ5に周産期関連の疾患がランクインしています(胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等、ならびに早産、切迫早産 手術なし 手術処置等2なし)。また、日本産科婦人科内視鏡学会内視鏡技術専門医も複数有しており、積極的に低侵襲手術を取り入れていることから、婦人科疾患の中でも良性疾患に対する腹腔鏡手術による手術数が増加しています(子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等)。同様に悪性腫瘍手術に対しても適応を見極めた上で、低侵襲手術を取り入れています。
眼科
白内障は、当科ではDPC症例としては915件です。全身に合併症がある方でも対応できるように1~2泊の入院で行っており、例年1,000件以上の白内障手術を施行しております。高度先進医療である多焦点眼内レンズを用いた白内障手術にも対応しております。また、眼科的に高度な技術を要する網膜硝子体手術はDPC上位の疾患としては年間324件(その他の疾患を合わせると年間500件以上)、術後管理が難しいとされる緑内障手術は年間142件(その他の疾患を合わせると年間200件以上)施行しております。またこれらの疾患がいくつか併発しているような難治症例に対する併用手術なども積極的に行っております。近年増加傾向にある加齢黄斑変症に対しては最新型の光干渉網膜断層撮影装置(OCT)、造影剤を使用せずに脈絡膜の血流を評価できるOCT angiographyによる正確な診断のもと、抗VEGF(抗血管内皮増殖因子)薬治療とした治療を行っております。
耳鼻咽喉科
急性扁桃炎や急性咽喉頭炎は外来治療で改善が乏しい方や経口摂取が困難な方に入院での治療を行い、扁桃周囲膿瘍はほぼ全ての方に対し入院をおすすめしています。
慢性副鼻腔炎の手術は、術後の出血リスクを考慮し入院日数を5日間程度と設定しております。また、患者さんの希望によっては、短期入院(3~4日)での手術を行う場合もあります。 突発性難聴は軽症例を除き基本的に9日間のスケジュールで入院点滴治療を行っております。改善が乏しい場合は点滴治療を6日間程度追加する場合もあります。 慢性扁桃炎の手術は、術後出血の合併症を早期に発見し対応するため、9日間の入院期間としております。また、小児に対して手術することも多いため、平均年齢も他と比べると低くなっています。 慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎に対する手術は、約5日間程度の入院を基本としておりますが、より侵襲度の低い手術の場合は、2泊3日の短期入院で手術を行う場合もあります。 放射線科
当科での入院治療の対象となる疾患は大部分が血管奇形です。主に肺動静脈奇形(瘻)、四肢・軟部の血管奇形などがあります。肺動静脈奇形は、毛細血管を介さず肺動脈から肺静脈へ直接交通をもつ先天的な血管形成異常です。自覚症状に乏しく、健診で偶然発見される場合も多いですが、脳膿瘍、脳梗塞や低酸素血症による労作時息切れ、チアノーゼなどが問題となります。四肢・軟部の血管奇形にはさまざまなタイプがありますが、血管の拡張・血栓形成・虚血などにより、疼痛・腫脹・出血・潰瘍などの症状をきたします。
この他、胸椎や腰椎の圧迫骨折に対する経皮的椎体形成術も行っています。圧迫骨折は骨粗鬆症をお持ちの方が階段でつまずくなどの軽微な外傷によって生じるものと、悪性腫瘍の脊椎転移によって起こるものがあります。前者は安静やコルセットによる固定などでの保存的治療が基本となりますが、痛みが長引く場合などにセメント注入(経皮的椎体形成術)が考慮されることがあります。後者に関しては症状出現時から放射線治療やセメント注入が考慮されます。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
【胃がん·大腸がん·肝がん】
胃がんは、StageⅠ 141例、StageⅡ 28例、StageⅢ 30例、StageⅣ 36例でした。StageⅠのうち82例が消化器肝臓内科にて内視鏡治療を行っており、早期に発見され治療が行われております。また、再発症例は56例でした。そのうち、腫瘍内科に紹介された35例は、抗がん剤治療が行われております。 大腸がんは合計242例でありました。Stage別に見るとStageⅠ 67例、StageⅡ 57例、StageⅢ 67例、StageⅣ 41例、不明10例となっております。StageⅣ症例に対しても積極的に手術を行ったのち抗がん剤治療を導入しております。また、再発症例は97例でした。そのうち、腫瘍内科に紹介された54例には抗がん剤治療が行われております。 肝臓がんは前年度69例と比較して50例まで減少しております。これは特にC型肝炎ウィルスの治療の進歩によるものと考えております。但し、再発症例は144例と昨年と比較して20例の増加を認めておりました。特に消化器肝臓内科では99例の症例を経験し、再発症例に対しても積極的な治療に取り組んでおります。 【肺がん】 原発性肺がんは5大がんの一角を占め、本邦における全がん死亡患者数の第1位を占めています(男性の1位、女性の2位であり、男女合わせて第1位です)。病期別にみると最も治療成績がよいのは完全切除が期待できるStageⅠAで、完全切除後の5年生存率は90%前後です。病期の進行とともに術後再発率が高まり、生命予後が悪くなります。診断時の病期がStageⅢA以上になると手術適応から外れることが多く、手術以外の治療に頼ることになります。最近では抗がん剤治療だけではなく、様々な分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬などの標的治療薬や個別化治療の開発が進み、進行肺がんに対する治療成績も確実に向上しております。 当院の症例でもStageⅢやすでに遠隔臓器への転移を認めるStageⅣが多いことからわかるように、診断時にはすでに進行例が多いことが治療成績を悪くする大きな原因になっています。症状がなくても健康診断を受け、胸部エックス線写真や、胸部CTで早期の肺がんを発見し、迅速に診断、治療を行うことが治療成績向上の鍵となります。 【乳がん】 乳がんの自覚症状で最も多いのは乳房内の腫瘤(しこり)です。乳房は体表面に位置するため、患者さんご自身でしこりを触知して発見される頻度が高くなっています。また、乳がん検診(マンモグラフィなど)の普及により、自覚症状が無く発見される症例も増えてきております。その結果、StageⅠ, Ⅱと比較的早期に発見される乳がんが大半を占める状況となっています。一方、当院では、他施設で治療(手術など)を受けられた後に再発した乳がん患者さんも受け入れ、薬物療法始め集学的治療を積極的に行っております。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
近年の高齢化を背景に高齢者~超高齢者の肺炎が増加しています。特に80歳を超えるような高齢者には肺炎による入院中に筋力や意欲の低下を来し、なかなか元の生活に戻れない方も多くみられます。入院され、抗菌剤等の治療により炎症が軽快したら、できるだけ速やかにリハビリをすすめご自宅や施設にお返しし、日常生活に戻れるような院内外を含めたネットワークづくりが必要と感じています。また在宅で安心して肺炎治療が受けることができるような環境整備も必要と考えています。
肺炎予防方法としてのインフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンの接種や口腔衛生の管理も普及が必要と思われます。 平成30年度は平成29年度より重症・超重症肺炎患者が増加しております。肺炎の治療のみならず、併存症の治療を必要とすることが多く、入院期間が長期に及ぶ症例がみられます。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
当院は、脳卒中集中治療室(SCU)を設置し、超急性期血栓溶解療法、カテーテルによる血栓回収療法には24時間365日対応し、高度の合併症を有する脳卒中にも対応可能です。先進の診断技術と多職種によるチーム医療により迅速に脳卒中診断を行い、病状が安定し次第、病棟内に備えられたリハ訓練室でリハビリテーションを行い効果をあげています。病態が複雑かつ緊急性の高い院内発症脳卒中に迅速に対応できるように、当院では2018年5月より「院内発症脳卒中対応チーム(in-hospital stroke action team: iSAT)」を脳の専門家である脳神経内科、脳神経外科、脳卒中リハビリ認定看護師、脳神経病棟看護師で編成し、良好な治療成績を上げています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
肺がんは増加傾向にありますが、有効な薬剤、治療方法の進歩により生命予後は改善しつつあります。一方、そのために長期の治療が必要となり、抗がん剤投与のためのルート確保が難しくなる患者さんもいらっしゃいます。そのような場合に抗がん剤の漏出の危険性が低く安全に投与を継続するためのルートとして植込カテーテルを留置いたします。
悪性腫瘍や結核などの良性疾患による中枢気道狭窄は呼吸困難を生じ、病状の進展速度によっては救命のための緊急的な処置を必要とすることもある病変です。当科は中枢気道狭窄に対する気管支鏡的治療をこれまで数多く実施しており、また多くの医療機関より症例のご紹介を頂いております。気管支喘息に対する気管支サーモプラスティも含めて、気管支鏡を使用した治療的介入は今後も引き続き力を入れていきたいと思います。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 循環器内科
K5951 心房細動が起きていると思われる4本の肺静脈と左心房の間に心臓の内側から高周波もしくは冷却焼灼を行い、根本的な治療を目指しています。どちらの治療も体に目立った傷が残りません。
K5493 詰まっているもしくは詰まりかけた冠動脈を広げる治療法です。当院では外来の検査で必要と判断された方にのみカテーテルを用いた冠動脈造影検査を行い、虚血が証明された病変に対して風船で広げた後にステントという薄い金網を内張りします。ステントは狭くなりにくい薬剤が塗布されたステントを使用することが多いです。 K555-22 年齢と共に固くなった大動脈弁に対して、開心手術という方法では無く、通常のカテーテル検査や治療と同じやり方で、動脈血の流れに逆行させながら風船の上にたたまれた生体弁を適切な場所へ持っていき、留置する治療法です。外科的手術のような大きな傷が残りませんので、1週間ほどで退院出来ます。 K5952 心臓の中の通常のリズムとは異なる発電箇所や電気の通り道に対して、心筋の内側からもしくは心臓の外側から高周波カテーテルを用いて焼灼する治療です。3〜4日の入院が必要です。 K6002 大動脈内バルーンパンピング法とは、大動脈の適切な場所に大きな風船をに置いて、心臓の動きと連動して風船内の空気を調整することで、心臓の負担を取り、冠動脈血流を増やす装置です。 消化器・肝臓内科
当科で高頻度に行っている手術は、大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術や、胆管結石や悪性胆道狭窄に対する内視鏡的胆道ステント留置術、乳頭切開術、胃潰瘍などによる消化管出血に対する内視鏡的消化管止血術、胃や十二指腸の悪性腫瘍に対する内視鏡的切除術です。内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術は、原則拡大内視鏡を用いて治療適応を正確に判断した後に切除を行っております。内視鏡的胆道ステント留置術は、悪性胆道狭窄や胆管結石、胆管に対する内視鏡的治療です。内視鏡的消化管止血術は昼夜問わず、緊急で行う内視鏡的治療です。ESDといわれる内視鏡的粘膜切除術は胃や十二指腸などの悪性腫瘍に対する内視鏡的手術です。これら内視鏡的治療は消化管班、胆膵班によって専門性の高い治療が行われます。
腎臓・高血圧内科
当科は透析患者さんの利便性向上および、かかりつけ医としての役割を果たすため、透析血管アクセス関連手術(経皮的シャント拡張術・血栓除去術、内シャント設置術、血管移植術、連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術、上腕動脈表在化法、内シャント血栓除去術など)を内科でありながら、外科(腎泌尿器外科)の協力・バックアップの下、積極的に行うようにしています。透析血管アクセスは、十分な透析を負担なく行うための患者さんにとって命綱のような大切なものです。特に、高齢化により良好な透析アクセスが得られない、あるいはアクセスの開通にトラブルを起こす患者さんが多く、近隣の透析施設が大学病院に期待する治療として、これらの手術が重要な意味を持っています。
※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 代謝・内分泌内科
糖尿病は血管合併症の病態であり、長期にわたり糖尿病を患うことで細小血管障害(網膜症、腎症、神経障害)、大血管障害(心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症)などを起こします。糖尿病センターでは、入院された患者さんの細小血管障害や大血管障害の進展の状況を把握するようにしております。
このため手術・処置においては糖尿病を基礎疾患に持つ患者さんが他の疾患を併発した場合に行われることがあります。糖尿病患者さんが緊急の重症な併発疾患を伴った状況において、救命救急処置として気管切開術(気管内挿管が長期に及んだ場合)、中心静脈注射用植込型カテーテル設置を行う場合があります。また、糖尿病、高血圧、脂質異常症を基点とした動脈硬化性の進行により生じた血管病変については循環器内科と連携のもと、大動脈バルーンパンピング法、経皮的心肺補助法等での循環動態の管理や、カテーテルを用いて経皮的に血管拡張術を行うことで血流の改善を図る治療を行っております。腫瘍や潰瘍性病変による消化管出血が生じた状況では、消化器肝臓内科と連携のもと、内視鏡的消化管止血術を行います。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示しいたします。 脳神経内科
当科で行われる主な手術療法は、入院患者数の多い脳卒中とパーキンソン病に対する手術で占められます。脳梗塞の急性期治療として経皮的血栓回収術、経皮的脳血管形成術は、日常的に行われています。脳卒中の患者さんや神経難病の患者さんの中には、高度の障害のため気管切開術を要する方や嚥下障害のため喉頭気管分離術を行う方もおられます。パーキンソン病には、薬物注入用胃瘻造設によるドパミン製剤(デュオドーパ)の腸内持続注入療法を行っています。特定機能病院である大学病院で他科、多職種のチームワークの下に行うことのできる医療で、進行期パーキンソン病の患者さんの運動障害改善に効果をあげています。また、パーキンソン病患者さんの中には、運動障害改善のため深部脳刺激が功を奏する方もおられ、深部脳刺激装置植込術や術後の調整を行っています。
※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 血液内科
当科の観血的手技・処置では、化学療法と高カロリー輸液のための中心静脈カテーテル挿入・留置が最多です。易感染性宿主の感染源とならぬよう、抗菌性皮膚貼付用テープを採用し、固定法を工夫しております。消化管出血にて緊急処置を要する症例に内視鏡的消化管止血術を施行しています。腫瘍による尿路圧迫などによる急性腎不全の患者さんには画像所見などを十分に検討した上で必要な場合には経尿道的尿管ステント留置術を施行しています。同様に鼻腔粘膜からの出血が通常の圧迫止血などでは困難な場合に鼻腔粘膜焼灼術を施行しています。悪性リンパ腫・骨髄腫の患者さんで65歳以下の場合には必要に応じて自家末梢血幹細胞移植術を施行しております。
※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 リウマチ・膠原病・アレルギー内科
当科では、呼吸管理のために行われた気管切開術が最も多い手術となりました。膠原病は時に重篤な呼吸器合併症を呈することが有り、長期の人工呼吸器管理が必要な状況では、気管切開術を施行することがあります。
また、血管病変やステロイド使用にともなった消化管病変による出血に対する処置も当科では多く経験しております。このため止血に関わる処置が次に多く行われました。経口での栄養摂取が困難な方には胃瘻造設術が行われています。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 腫瘍内科
当科では消化器がんを中心に、化学療法、放射線療法、緩和療法を行っていますが、手術手技として行われるものとしては、腫瘍による胆道閉塞・尿路閉塞に対するステント留置術、がんからの出血を内視鏡的もしくは放射線科的に止める手技、食事摂取不良に対する中心静脈栄養用植込型カテーテル設置が多く行われています。前2者は緊急で行うことが多いので術前の入院日数は短いですが、後者は緩和治療として行う場合が多いので、全身状態をしっかり評価してその必要性を見極めるために、術前の入院日数が長めになっています。また、外科や放射線科と連携し、当科入院中に手術や肝動注療法を行うこともあります。全身状態の回復を待って、在宅で安心して過ごせるように体制を整えてから退院するようにしていますので、術後の入院日数は長めになっています。
※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 小児科
【小児科】
小児先天性疾患・循環器疾患の中では、先天性心疾患が多くみられます。近隣からの紹介も増え、それにともなって手術件数も増加しています。先天性心疾患の開心術においては人工心肺を使用し、新生児・乳児重症例では、術後管理においても人工心肺・体外式膜型人工肺が使用される症例もみられます。その際、術中術後自己血回収術も積極的に行われ、輸血量を減らしたり、自己血で完結する努力もされています。心臓カテーテルは検査法としても治療法としても重要であり、経皮的肺動脈形成術はその典型的な術式のひとつです。また、こうした重篤な先天性心疾患の周術期管理や集中治療管理においては、新生児蘇生術が実施される局面もしばしばみられます。 【新生児科】 新生児仮死は、分娩前・中に状態が悪くなるために発生する病態です。当院は総合周産期母子医療センターで、より重症な妊婦、新生児を管理していることを反映している結果と考えています。仮死第1度と仮死第2度は重症度の違いによる分類で、第2度はより重症な仮死である事を示します。在院日数が長期である事もより重症である児が多い事を示唆しています。 動脈管は通常出生後速やかに閉鎖しますが、早産児や先天性心疾患で閉鎖しないことがあります。心不全を来す場合には直視下閉鎖術を行う必要があります。当院は総合周産期母子医療センターであり、早産児や先天性心疾患を有する新生児が数多く入院しているため、同手術が多くなります。 経皮的肺動脈絞扼術は、心室中隔欠損症などの、肺の血流が増加する先天性心疾患を有する児に対して、状態を安定させるために行う手術です。心臓内に欠損を有する児では、心臓を修復する根治治療を行うことは侵襲性が極めて高いです。そのため、まず心臓は治療せず、肺動脈絞扼術といった姑息的治療で対応するといった症例があります。同治療は特に根治治療が困難な染色体異常を有する児に用いることが多く、同治療が多いことは、様々な合併症を有する児を管理していることを反映している結果であると言えます。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 消化器・一般外科
当科では、消化器系(食道、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓、胆道)の悪性および良性疾患、成人の各種ヘルニア、痔核、痔瘻など肛門疾患の手術を行っております。また、当院救命救急センターと連携し、高度外傷手術から急性虫垂炎や胆嚢炎に至るまで対応しております。
平成30年度に行いました手術は、1位 腹腔鏡下胆嚢摘出術、2位 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2㎝未満)、3位 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア)、4位 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)、5位 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術でした。当科におきまして、悪性の手術から緊急手術まで幅広く取り組んでいる結果を表しております。 心臓血管外科
傷んだ心臓の弁を生体弁や人工弁へ取り換える弁置換手術、傷んだ弁を直す弁形成術、胸部大動脈瘤に対する人工血管置換術などは人工心肺を使用して行っています。
下肢静脈瘤に対しては、ラジオ波を用いたカテーテル治療の下肢静脈瘤血管内焼灼術を行っています。従来の下肢静脈瘤抜去術と入院日数は変わりませんが、術後の回復が早いのが特徴です。 腹部大動脈瘤や胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術も積極的に行っています。大動脈瘤に対して、小さな皮膚切開からカテーテルを使って血管内に人工血管を置く手術で、体への負担が少なく、高齢者など体力のない患者さんに適しています。 冠動脈バイパス術は9割以上、心臓を止めないオフポンプバイパス術を行っております。 呼吸器外科
当科で最も多い手術は原発性肺がんに対するもので、これに転移性肺腫瘍を加えた肺の悪性腫瘍に対し、腫瘍進行度と悪性度及び患者さんの耐術能を考慮した最適な手術術式の選択を心掛けています。すなわち、原発性肺がんで、肺機能をはじめとした全身状態に問題がない患者さんに対しては、標準手術としての肺葉切除とリンパ節郭清術が行われます。一方、高齢者や肺機能をはじめ全身状態に問題のある患者さんに対しては、より身体への負担の少ない手術として、肺の切除範囲を縮小した肺区域切除や肺楔状部分切除を行っています。これら手術は胸腔鏡を使用して皮膚の切開創を小さくして行うことが多くなり、かつ手術の安全性を第一に考えて術式選択をしています。また、若年男性や肺気腫患者さんに突発的に生じることが多い気胸に対する根治手術として、原因となる肺嚢胞を切除する胸腔鏡下肺切除を行っています。入院期間の短縮を心掛けていますが、肺がんは高齢者に発症することが多く、術後の回復が遅れやすかったり、ひとり暮らしの方も少なくないため、術後の在院日数が予定より長くなることもあります。
小児外科
当科では、鼠径ヘルニア、陰のう水腫、停留睾丸、臍ヘルニア(でべそ)など小児外科の一般的な手術だけでなく、急性虫垂炎や腸重積症などの救急疾患、新生児外科疾患、小児呼吸器外科疾患、小児悪性腫瘍に対しても、積極的に手術を行っています。また手術の傷が目立たないように腹腔鏡下手術や小切開手術に積極的に取り組んでいます。
最も多い手術は鼠径ヘルニアで、K6335とK634を合わせたもので平成30年度は95名です。女児は傷の目立たない腹腔鏡手術を行っています。男児は、従来の小切開で行っています。術後0.3日で退院とあるのは主に1泊2日で手術を行なっているからです。 次いで腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)35名で、小児の虫垂炎手術を行っている施設は少ないので、一施設でのこの手術数はトップクラスです。 腸重積は主に高圧浣腸にて整復しており、平成30年度は21名でした。 停留精巣固定術20名行いました。2泊3日で手術を行なっております。 乳腺・内分泌外科
乳がん(乳腺悪性腫瘍)に対する手術の入院日は通常合併症等がなければ、前日入院で行っています。乳房部分切除術(乳房温存手術)は術後入院期間も2.2日と短く、低侵襲な手術といえます。乳房切除術の場合は、皮下に排液用のドレナージ・チューブが入り抜去後退院ということで、1週間程度の入院が必要です。腋窩リンパ節郭清が加わった場合や乳頭乳輪を温存する乳房切除の場合には、ケアが若干増えるためか、入院日数が1〜2日間程度長くなる傾向があります。また、同時に乳房再建術を行うことで4〜5日間程度入院期間が長くなります。手術術式に関して乳癌学会の「全国がん患者登録調査報告」から全国の乳がん手術術式と比較すると、術式全体の中、乳房温存術は全国平均47.3%に対し、当院は56.6%であり、乳房温存術は多い傾向になりました。
脳神経外科
脳腫瘍や脳動脈瘤などの頭蓋内病変は高度な医療技術が要求されます。当科は高度医療機関病院として各種の先端医療機器の使用だけでなく、複数の診療部門から構成される包括的チーム医療を提供しています。術中の脳神経機能保護に重点を置いた術前検査を重視しており、高度な術前準備を行うことで良好な治療成績が得られております。また機能障害を有する症例では術後の療養を要することも多く、周術期からのリハビリテーションを実施して中長期的な病状回復に努めております。
慢性硬膜下血腫は低侵襲な治療が可能な疾患です。当科は地域の中核病院として多くの紹介患者さんを受け入れています。術後早期からの症状回復が期待できるため短期間の入院で治療が完了します。ただし昨今は超高齢者の難治例も増えており、血管内治療の併用が必要な例が増加しています。 水頭症は手術で治る認知症の一つです。シャント管を体内に埋め込む方法と内視鏡で治す方法があります。当科ではいずれの治療にも長けた専門医が複数在籍しています。臨機応変に穿頭脳室ドレナージ術で対処することもあります。 血管内治療は切らずに脳の病気を治療できる画期的な治療法です。常に複数の指導医や専門医が在籍しており、年々実績が増加しています。 脳梁離断術は、薬物治療が奏功しない難治性てんかんに対する代表的外科治療法です。当院てんかんセンターと協力して良好な治療成績をあげています。 整形外科
当科では、整形外科各領域(足、膝、股関節、脊椎、手)の疾患に対し、各専門班が手術を担当しております。昨年に続き最多手術となった人工関節置換術(股関節、膝関節)も年々増加しております。上位5位手術術式以外でも脊椎手術や、近隣では施行していない人工足関節置換術も行っております。大学病院という特性上、近隣病院では対応困難な重篤な合併症をもっている患者さんを受け入れている関係で、平均術前、術後日数がやや長くなっております。
形成外科
当科では顔面の先天性、後天性変形に対する手術や、皮膚腫瘍、皮膚欠損に対する手術を多く行っています。特に乳がん切除後の乳房再建では、人工乳房(インプラント)と自家組織移植の両方の再建術を行っており、再建数とその仕上がりの美しさは日本でトップクラスの成績を誇ります。当院で行う乳房再建では、人工乳房と自家組織による再建のいずれでもパッチワーク状瘢痕を作らず、再建したことが分からない美しい乳房を再建することを目指しています。この他、露出部の皮膚腫瘍切除術、顔面骨骨折の治療、外傷・熱傷の治療、傷あとの修整などでも多くの手術を行っており、いずれも良好な結果を得ています。
皮膚科
1位の皮膚悪性腫瘍切除術は悪性黒色腫、基底細胞がん、有棘細胞がんなどの皮膚がんであり、原則として手術前日に入院となります。単純切除や小さい皮弁や植皮の場合は平均術後日数も7日前後と短いですが、2位の全層植皮術(25㎠未満)や4位の全層植皮術(25㎠以上100㎠未満)のように、再建に植皮を要するような場合は入院期間はやや長くなります。また、3位の皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝以上6㎝未満)のように良性の腫瘍でも症例によっては手術の適応があります。5位の四肢の血管拡張術・血栓除去術は下肢の血流不全や血栓に伴う皮膚症状が強い場合に行われます。
※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 腎泌尿器外科
1位の膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)は内視鏡を尿道より挿入し、内視鏡の先端についているループ状の電気メスで膀胱粘膜に発生した膀胱腫瘍を切除する手術です。治療の意味合いもありますが、同時に切除した組織を詳しく調べて腫瘍の深さ、悪性度、組織型などを確認します。筋肉に浸潤していない筋層非浸潤性膀胱がんは経尿道的膀胱腫瘍切除術のみでは再発する頻度が高く、再発予防目的に膀胱内に薬物注入療法を行うことがあります。その際も切除した組織の結果をもとに注入する薬物の種類や投与期間などを設定します。2位の経尿道的尿管ステント留置術とは、何らかの理由(結石・がん・その他)で尿管の通過障害を起こしている場合に、緊急処置として尿管の通過障害を解除するため、ステントと呼ばれる管を腎臓と膀胱の間に挿入することを言います。通過障害を放置すると腎機能の悪化を招くので、通過障害の解除は重要な処置です。3位の腹腔鏡下小切開(尿管)悪性腫瘍手術は腎および腎尿管の悪性腫瘍に対して、また4位の腹腔鏡下小切開前立腺悪性腫瘍手術は前立腺がんに対して行われる手術で、小さい切開創で行う手術です。この手術は従来の開放手術の安全性と、腹腔鏡手術の低侵襲性の両者を取り入れた手術方法です。手術関連機材や術式は常に改良・発展が続いており、当科ではこれらの進歩が患者さんの安全性の向上や侵襲性の低減につながっていくように考慮しつつ手術にあたっています。5位の中心静脈注射用植込型カテーテル設置はポートという小型の接続部を皮下に埋め込むことによって、点滴をつなげるルートを体の中に作ります。必要な時に点滴をポートに刺して用います。
産婦人科
当科は産婦人科診療の4本柱である「周産期」「生殖」「婦人科」「女性ヘルスケア」に加えて、「腹腔鏡手術」「遺伝子診療」の6領域全てに対応することが可能なスタッフを有しています。特に川崎市の周産期医療における最後の砦の施設であることから、平成30年度の手術トップ5に周産期関連の手術がランクインしています(帝王切開術(選択帝王切開)、帝王切開術(緊急帝王切開))。また、日本産科婦人科内視鏡学会内視鏡技術専門医も複数有しており、積極的に低侵襲手術を患者さんに適応するべく良性腫瘍のみならず悪性腫瘍に対する内視鏡手術も行っています。そのため、子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの)が上位にランクインしています。また、適応によっては開腹手術を選択する必要性もあることから、子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹によるもの)がランクインしています。当院は日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医が複数在籍しており、婦人科悪性腫瘍を中心とした婦人科診療に関しても県内トップクラスの症例数を有しております。その為、平成30年度の手術トップ5に婦人科手術がランクインしています(子宮頸部(腟部)切除術)。
眼科
当科で行われる網膜硝子体手術は糖尿病網膜症、黄斑円孔、黄斑変性、網膜剥離、硝子体出血などをはじめとして、網膜硝子体疾患全般に渡っております。ほぼ全例で世界最小27Gの手術を得意としており、論文作成などにより世界の潮流をリードしていると自負しております。
緑内障に関しては、低侵襲緑内障手術(Minimally Invasive Glaucoma Surgery:MIGS)から複数回の手術をされている難治性緑内障の患者様まで多数ご紹介頂き、広い地域のラストホープとして機能していると考えています。また近年よく見られるようになった眼内レンズ亜脱臼に対する眼内レンズ強膜内固定も増加傾向です。 耳鼻咽喉科
内視鏡下鼻・副鼻腔手術(慢性副鼻腔炎の手術)や内視鏡下鼻中隔手術(鼻中隔弯曲症の手術)、内視鏡下鼻腔手術(肥厚性鼻炎等の手術)は入院日数を約5日間程度と入院期間短縮を心がけております。また、合併症リスクが高い症例などは、ナビゲーションシステムを用いて安全第一で手術を行っております。
口蓋扁桃摘出術(慢性扁桃炎の手術など)は術後出血の合併症を早期に発見し対応するため術後日数が7日間(合計9日間)としております。また、小児に対して手術することも多いため、平均年齢も他と比べると低くなっています。 声帯ポリープや喉頭乳頭腫などの喉頭微細手術は約3日間の入院としております。 頭頸部がんで、喉頭全摘術や再建を必要とする手術では1か月以上の入院となることがあります。咽頭の表在がんに対し、消化器内科と協力して経口腔手術を行っております。 放射線科
血管塞栓術とは、皮膚から直接血管内に挿入したカテーテルを通じて塞栓物質を挿入し、標的の血管を詰める治療のことです。肺動静脈奇形の塞栓術では鼠径部の静脈から2㎜径程度のカテーテルを挿入し、肺動脈と肺静脈との交通の部分にコイルやプラグなどを留置し、交通を閉鎖します。治療の1日前、あるいは当日に入院し、術後1~2日程度の入院で治療を施行します。体の表面に傷はほぼ残らず、合併症も少なく、体に優しい治療です。その他に四肢・軟部の動静脈奇形に対しても塞栓術を施行し、同様に動静脈の交通を塞栓物質で閉鎖します。
経皮的椎体形成術とは、圧迫骨折を起こした椎体(背骨)に皮膚から直接針を挿入し、セメントを注入して痛みを取る治療です。整形外科と連携して治療の適応を判断しており、現在では保存的治療(4~6週の安静)にて疼痛が軽減しない症例に対して施行することが多いです。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
肝損傷などの重篤な外傷や、肝臓がんや膵がん、肺がんあるいは心臓血管外科疾患などの大手術後に血液の凝固に異常をきたす播種性血管内凝固症候群がおこることがあります。また、色々な感染症などから血液中に病原菌が入り敗血症になり、これが原因で播種性血管内凝固症候群がおこることもあります。当院は数多くの併存症を持った患者さんの手術を行っています。このためこれら手術後等に播種性血管内凝固症候群を合併することもあります。また当院は重篤な患者さんを主に受け入れる救命救急センター(3次救急)があり、他の病院で播種性血管内凝固症候群を合併した患者さんの治療目的で紹介され入院する場合も多くあります。
「入院契機と同一」とは、入院時すでに播種性血管内凝固症候群と診断された患者数さんで、10名未満でした。一方、「入院契機と異なる」とは、入院した時には別の病気で入院しましたが、入院中に播種性血管内凝固症候群をおこし、この治療の方に時間・医療費が必要であった場合で27名の患者さんがいました。平成29年度と比べると若干増加しています。 敗血症の患者数は、入院した時から敗血症と診断された患者さんは42名でしたが、入院した時には別の病気で入院し、その後に敗血症をおこした患者さんは42名で、その発生率は0.19%でした。平成29年度と比べて発生率は0.14%減少することができました。 入院した時から真菌感染症と診断された患者さんは10名未満、入院した時には別の病気で入院したが、その後に真菌感染症をおこした患者さんも10名未満でした。 「手術・処置等の合併症」では369名が入院していますが、これは腎臓・高血圧内科の入院治療で、透析を行うために必要なシャントが血栓などで閉塞し使用できなくなり、その治療(経皮的シャント拡張術・血栓除去術)を行う患者さんが多いためです。 ※上記一覧表では10名未満の場合には患者さんが特定される可能性があるため、人数を記載せず「-」でお示ししています。 更新履歴
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