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脳神経内科トピックス

脳卒中治療の地域格差

 脳梗塞になっても発症から4時間半以内に血栓溶解療法を受けることができれば、後遺症が少なくなります。しかし、このような治療を受けることのできない地域に、人口密度の高い都府県で18万人以上、人口密度の低い県でも1万人以上の国民が居住していることが、今井健助教らの研究で明らかになりました。
 今井助教らは、人口密度を考慮して5府県をえらび、各府県が公表している脳卒中救急医療を行っている病院まで、60分以上かかってもたどり着くことのできない地域と、そこに居住する人口をGeographic Information System (GIS)解析を用いて明らかになりました。24時間体制で血栓溶解療法に対応できない病院や、遠隔地の血栓溶解療法の実施には、遠隔医療技術の応用による病院間の連携が必要です。


 (図は神奈川県の例、赤は脳卒中急性期患者さん受け入れ施設。病院到達時間が30分以内の地域を青、60分以内の地域をピンクで示しています。白い部分は60分以上かけてもこれらの病院に到達できない地域です。Imai K, et al. Specific Needs for Telestroke Networks for Thrombolytic Therapy in Japan.J Stroke Cerebrovasc Dis. 2013 [Epub ahead of print])


高齢者の世帯構成の変化と脳卒中

 急速に進む高齢化とともに、都心部での独居または2人住まいの高齢者が増加しつつあります。できる限り早い専門医受診が脳卒中治療の原則ですが、脳梗塞患者さんの病院受診遅延に世帯構成がかかわっていることが脳神経内科萩原悠太助教の研究により明らかになりました。
 脳卒中を発症して病院を受診した人を「遅延受診」とすると、3人以上の世帯の人に比べ、独居の人は2.98倍、老老2人世帯の人は3.06倍遅延受診となりやすく、特に夜間発症の場合の老老2人世帯の受診遅延が顕著であることが分かりました。



特に都市部でこれらの世帯構成の更なる増加が予測されており、対応が求められます。
(Hagiwara Y, et al. Impact of Life and Family Background on Delayed Presentation to Hospital in Acute Stroke. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2014;23(4):625-9.)