心臓内には4つの弁があり、その弁に何らかの障害が起こり、狭窄もしくは逆流する疾患を心臓弁膜症といいます。
エドワーズライフサイエンス社より提供
心臓弁膜症には狭窄と閉鎖不全の2つのタイプがあります。
「狭窄」は弁の開きが悪くなって血液の流れが妨げられる状態です。「閉鎖不全」は弁がうまく閉じずに、血流が逆流してしまう状態です。
中でも、大動脈弁と僧帽弁の問題が大半を占めており、年齢を重ねるごとに、その罹患率は増加するといわれています。また三尖弁閉鎖不全症も予後に影響を及ぼすことが明らかになってきており、当院では、このような弁膜症の患者さんに、適切なタイミングで適切な治療介入がご提供できるように努めております。
下記に、弁膜症の中でも多く問題とされている大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症について記載します。
心臓弁膜症は、無症状で健診での心雑音で見つかるケースもあります。
その他、息切れ、胸の痛み、動悸、足のむくみ、失神など、心臓弁膜症の症状は様々で、動いたときのみに息切れが生じる方もいらっしゃいます。心臓弁膜症は、しっかりと経過観察もしくは治療介入を行うべき疾患で心不全を引き起こすリスクファクターの一つです。
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当院では心不全外来や、息切れ外来、むくみ外来、心雑音外来といった予約外外来を開設しており、問診および聴診に加えて、心エコー検査や心臓CT/MRI検査も用いて心臓弁膜症があるかどうか、およびその重症度をしっかりと診断します。動いたときのみに症状が出る方には、実際に運動をして頂く、運動負荷心エコー検査や心肺機能検査をすることもあります。
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治療の第一は薬での心不全治療となります。
ただ心臓弁膜症の重症度が高度で薬での心不全コントロールが困難である場合には心臓弁膜症に対する外科的もしくはカテーテル的治療介入が検討されます。その際は下記の3つの選択肢が挙げられ、患者さんと一緒に治療方針を検討して参ります。
大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症に対してはカテーテル治療が検討されます。
心臓血管外科も含めた弁膜症チームで検討し、カテーテル手術での心臓の弁の修復や交換を行う外科的治療を提示させて頂くことがあります。
心臓を止めることなく、カテーテルを用いて弁を修復もしくは交換する治療です。
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心臓血管外科も含めた弁膜症チームで検討し、開胸手術での心臓の弁の修復や交換を行う外科的治療を提示させて頂くことがあります。
年齢や手術リスクも考慮して、しっかりと判断し検討して参ります。
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外科治療、カテーテル治療の両選択肢をご希望されない場合には薬で症状を緩和し経過観察を行う保存的治療がなされます。
近年、治療の選択肢が増えていますので、高齢だから、などと諦めずに、ご来院ください。
適切な治療介入をご提示させて頂き、全ての治療選択を理解した上でご自身の価値観や希望を加味し、一緒に治療を行っていければと思います。
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