キービジュアル

病名検索

疾患・症状のご紹介

疾患概要

弁膜症

心臓内には4つの弁があり、その弁に何らかの障害が起こり、狭窄もしくは逆流する疾患を心臓弁膜症といいます。

弁膜症

エドワーズライフサイエンス社より提供

心臓弁膜症には狭窄と閉鎖不全の2つのタイプがあります。
「狭窄」は弁の開きが悪くなって血液の流れが妨げられる状態です。「閉鎖不全」は弁がうまく閉じずに、血流が逆流してしまう状態です。
中でも、大動脈弁と僧帽弁の問題が大半を占めており、年齢を重ねるごとに、その罹患率は増加するといわれています。また三尖弁閉鎖不全症も予後に影響を及ぼすことが明らかになってきており、当院では、このような弁膜症の患者さんに、適切なタイミングで適切な治療介入がご提供できるように努めております。
下記に、弁膜症の中でも多く問題とされている大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症について記載します。

  • 大動脈弁狭窄症
    左心室から、全身に血液を送り出す際に通過する大動脈弁が狭窄してしまう病気です。有効な血液が全身に供給されずに心不全症状を引き起こします。
  • 僧帽弁閉鎖不全症
    左心房から左心室に送り出された血液が閉じていない僧帽弁を逆流し左心房に戻ってきてしまう病気です。戻ってきた血液が左心房および肺に負担をかけ、心不全症状を引き起こすリスクがあります。
  • 三尖弁閉鎖不全症
    右心房から右心室に送り出された血液が閉じていない三尖弁を逆流し右心房に戻ってきてしまう病気です。戻ってきた血液が右心房および全身に逆流し、心不全症状を引き起こすリスクがあります。

原因・症状

心臓弁膜症は、無症状で健診での心雑音で見つかるケースもあります。
その他、息切れ、胸の痛み、動悸、足のむくみ、失神など、心臓弁膜症の症状は様々で、動いたときのみに息切れが生じる方もいらっしゃいます。心臓弁膜症は、しっかりと経過観察もしくは治療介入を行うべき疾患で心不全を引き起こすリスクファクターの一つです。

弁膜症

エドワーズライフサイエンス社より提供

検査

当院では心不全外来や、息切れ外来、むくみ外来、心雑音外来といった予約外外来を開設しており、問診および聴診に加えて、心エコー検査や心臓CT/MRI検査も用いて心臓弁膜症があるかどうか、およびその重症度をしっかりと診断します。動いたときのみに症状が出る方には、実際に運動をして頂く、運動負荷心エコー検査や心肺機能検査をすることもあります。

弁膜症

エドワーズライフサイエンス社より提供

治療

治療の第一は薬での心不全治療となります。
ただ心臓弁膜症の重症度が高度で薬での心不全コントロールが困難である場合には心臓弁膜症に対する外科的もしくはカテーテル的治療介入が検討されます。その際は下記の3つの選択肢が挙げられ、患者さんと一緒に治療方針を検討して参ります。

カテーテル治療

大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症に対してはカテーテル治療が検討されます。
心臓血管外科も含めた弁膜症チームで検討し、カテーテル手術での心臓の弁の修復や交換を行う外科的治療を提示させて頂くことがあります。
心臓を止めることなく、カテーテルを用いて弁を修復もしくは交換する治療です。

  • 大動脈弁狭窄症に対して
    経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)が検討されます。TAVIは、主に足の付け根から血管にカテーテルを挿入して行われます。開胸することなく弁置換ができる低侵襲治療です。
    当院は、TAVI指導施設に認定されており、多くの指導医が常勤しています。
    弁膜症

    エドワーズライフサイエンス社より提供

  • 僧帽弁閉鎖不全症に対して
    MitraClip™を用いた経カテーテル的僧帽弁クリップ修復術が検討されます。経カテーテル的僧帽弁クリップ修復術は、心臓の動きを止めることなく足の付け根の血管からカテーテルを挿入し、弁の治療を行うものです。接着面が減り逆流をする僧帽弁をクリップすることで弁の接着面を増やし、逆流を軽減させます。
    当院はAbbott Medical JAPAN合同会社に認定された指導医が常勤しております。

外科治療

心臓血管外科も含めた弁膜症チームで検討し、開胸手術での心臓の弁の修復や交換を行う外科的治療を提示させて頂くことがあります。
年齢や手術リスクも考慮して、しっかりと判断し検討して参ります。

弁膜症

エドワーズライフサイエンス社より提供

保存的治療

外科治療、カテーテル治療の両選択肢をご希望されない場合には薬で症状を緩和し経過観察を行う保存的治療がなされます。

近年、治療の選択肢が増えていますので、高齢だから、などと諦めずに、ご来院ください。
適切な治療介入をご提示させて頂き、全ての治療選択を理解した上でご自身の価値観や希望を加味し、一緒に治療を行っていければと思います。

対象の診療科

フリーワードで検索

カテゴリーで検索