新聞を見ると数えきれないほどの医療事故の報告が毎日紙面のどこかに掲載されています。患者さんの取り違え、手術時にガーゼを体内に置き忘れた、動脈瘤の破裂を心筋梗塞と誤診した、血液型を間違って輸血した、抗がん薬の投与量を間違った等々。本当にこんなことが起こるのかと考えさせられるようなことが現実に起こっています。しかし残念ながら、どのように気を付けても事故を完全に無くすことは出来ません。したがって、人間はミスを犯す動物であるということを十分認識し、引き起こされる事故の要因を検討することが必要になってきます。
図は「ルービンの盃」という有名な絵です。黒い部分に意識をおくと盃に見えますが、その背景となっている白い部分に意識を向けると向き合った女性の横顔に見えてきます。盃と顔の両方を同時に見ると背景である地はその中に溶け込んでしまいます。つまり、人間の脳はこの二つのものを同時に図にすることはできないということです。これが人間の脳の限界と考えられています。
人はいつでも過ちを起こし得ることを十分認識し、心を引き締め、慣れや気の緩みから引き戻ることが大切であり、これが、今後の医療事故減少に繋がると考えています。
室長 安田 宏(消化器内科教授)
以上のような業務を行なっています。
病院の方針に基づき、医療従事者の個人レベルの対策と病院全体の組織的な対策を推進することによって事故を防止し、患者が安心して安全な医療を受けられる環境を整備することを目標とする。
本指針で使用する主な用語の定義は、以下のとおりとする。
Morbidity & Mortality Conference(MMC)
何らかの事象が発生したときに、何が起きたか、なぜ起きたか、どのようにすべきであったか(どのような改善ができるか)という視点のもとに、院内の各部署が横断的に、医療の質、システムの改善を目的に行うカンファレンス。個人の責任を追及するのではない。MMCの実施に際しては、当該部署の診療部長・所属長および多くの職員の参加が必須であり、関連部署の他職種、医療安全管理室の参加も必要とする。
発生したインシデント・アクシデント・合併症の内容を診療記録に記載する。
本指針の改訂は、医療安全統括会議において行う。
策定 2000年4月1日
改訂 2024年4月1日
2023年度 年間報告件数 9,313件
(報告件数は、インシデント・アクシデント・合併症・オカレンスを含めた報告件数)
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