診療科・部門等一覧
小児科・新生児科
診療科所在地
■病棟 病院本館5階東、南
■外来 病院本館2階
ご挨拶

地域に根ざした基幹病院の小児科として地域とその住民の皆様の医療ニーズに応えることをモットーにしています。また、他の診療科およびコメディカルとの強い連携のもとに小児疾患の総合的な医療提供を目指しています。小児救急医療から専門性の高い臓器別医療を提供しています。具体的に小児科は総合周産期母子医療センター、小児内科系病棟、小児外科系病棟の入院部門と、一般外来、専門外来(小児神経、小児呼吸器・アレルギー疾患、小児循環器、小児悪性腫瘍、小児血液疾患、内分泌代謝疾患、小児腎臓病、予防接種、発達外来、育児相談、遺伝相談)から成り立っています。また、救命救急センターとの協力で川崎市の小児三次救急を引き受けています。小児救急については川崎市立多摩病院小児科とホットラインで結び、緊密な連携のもとに高度な救急医療を提供しています。

平成22年3月より当院にて総合周産期母子医療センター(新生児ベッド36床、内NICU加算:12床)が開設し、川崎市および神奈川県の周産期、新生児医療の3次中核施設として、その機能がより強化されました。県内完結型医療を目標とする上で産科との協力体制は言うまでもありませんが、母体、胎児、新生児の救命救急の更なるレベルアップには、内科、外科など他科との連携がこれまで以上に重要となります。附属病院である聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院(新生児ベッド:30床、内NICU加算9床)と協力し、小さくとも大切な命と、その命を見守る家族に優しい医療を提供していきたいと思います。
外来担当表
初診外来 | 再診外来 | 専門外来 | ||
---|---|---|---|---|
月 | 午前 |
宮本雄策 |
栗原八千代 |
[神経・発達・てんかん外来] |
午後 |
[乳児健診]
[発達児フォロー外来]
[成人先天性心疾患外来] [胎児診断・胎児治療(産科共同)] |
|||
火 | 午前 |
北東 功 部長 |
麻生健太郎 副部長 |
[小児難治てんかん外来] |
午後 |
[腎臓外来] [腫瘍外来] [在宅移行外来] [先天代謝外来] |
|||
水 | 午前 |
清水直樹 部長 |
中村幸嗣 |
[神経外来] [血液外来] |
午後 |
[感染症・予防接種外来]
[神経・発達・てんかん外来] |
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木 | 午前 |
松永綾子 |
宇田川紀子 |
[神経・発達・てんかん外来] |
午後 |
[アレルギー外来] [発達フォロー外来] [肝臓・消化器外来] |
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金 | 午前 |
栗原八千代 |
山本 仁 |
[神経・発達・てんかん外来]
[遺伝外来] |
午後 |
[心臓外来] [内分泌・代謝外来] |
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土 | 午前 |
栗原八千代(1) |
松永綾子(1) |
[在宅移行外来] [心臓外来] |
午後 |
午後は原則再診のみ(予約制)
( )内の数字は第何週目かを示す
特殊検査・処置・入院・手術のご案内
名称 | 所要日数(時間) | 説明 |
---|---|---|
長期入院患児への学習支援 |
入院期間中 | 川崎市立の分校として小学部・中学部の院内学級が開設されており、長期入院患児学習支援が行われます。 |
腎生検 |
4泊5日の入院 | エコーガイド下経皮的針腎生検を行います。乳幼児の場合は腎泌尿器外科による開放性腎生検になります。(2泊3日) |
小児腎不全の集学的治療 |
CAPD導入・維持は3~4週間入院。腎移植は腎泌尿器外科が担当(3~4週間入院) | 小児腎不全に対して透析(CAPD)導入・維持・家庭透析から腎移植まで、腎泌尿器外科と協力してトータルケアーの実現。 |
心臓カテーテル検査・冠動脈造影検査 |
2泊3日の入院 | 先天性心疾患の心臓カテーテル・造影検査及び川崎病の冠動脈瘤・拡張に対する冠動脈造影検査。先天性心疾患の心臓カテーテル検査ならびに治療及び川崎病の冠動脈後遺症に対する冠動脈造影検査ならびに治療。 |
低身長の診断と治療 |
2泊3日の入院 | 各種負荷テストによる成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断と、成長ホルモン療法の導入。 |
末梢血幹細胞移植・骨髄移植・臍帯血移植 |
2~3か月の入院 | 血液悪性腫瘍(白血病)、再生不良性貧血などに対し、根治的治療として行います。 |
小児糖尿病の診療 |
2週間~1ヶ月の入院 | 1型糖尿病、2型糖尿病に対するインスリン療法の導入や生活指導を行います。 |
小児固形腫瘍に対する集学的治療 |
2~3か月の入院 | 小児外科、放射線科など他科との連携による集学的治療を行います。また、心理療法士の協力によりトータルケアーを行っています。 |
先天性出血性疾患および先天性血栓性疾患の診断と治療 |
1~2週の入院 | 外来診療が主体となりますが、緊急時の入院応需。 |
後天性出血性疾患および先天性血栓性疾患の診断と治療 |
入院期間は基礎疾患により異なります | 外来診療が主体となりますが、緊急時の入院応需。 |
血友病の集学的治療 |
教育入院は1~2週 | 早期家庭注射(自己注射)を含めた教育と整形外科などとの包括的医療の実践。関節障害の治療として整形外科と併存して滑膜切除術などを行います。 |
超重度心身障害児医療 |
6か月以上の入院 | 人工呼吸器にて維持される超重度心身障害児に対する医療(6床の慢性呼吸器部屋配備) |
療育医療 |
急変時入院は1~3週 | 重度心身障害児に対する外来医療と急変時の入院応需。 |
アレルギー負荷試験 |
1泊2日の入院 | |
総合周産期母子医療センター |
入院期間は基礎疾患により異なります | 新生児期の重症疾患・低出生体重・新生児外科各種に対応。 |
百日咳の診断 |
数日 | 百日咳の遺伝子診断(LAMP法)を行なっています。 |
研究内容
1.小児における抗リン脂質抗体症候群の臨床的特徴に関する研究
2.血友病のQOLに関する研究
3.出血性疾患、血栓性疾患のトロンビンジェネレーション、ROTEMなどの包括的凝固評価
4.小児各種疾患における酸化的ストレスマーカー(8-OHdG)の測定と脳障害児での検討
5.各種腎炎における活動性ケモカインの検討
6.百日咳菌流行株の遺伝子変異解析
7.慢性肺疾患の病態解明と治療法に関する基礎的検討
8.「母体へのステロイド投与による胎児への心・肺機能の影響」の実験的研究
9.産後うつ予防による育児支援についての系統的研究
10.各種小児がんに対する多施設共同疫学研究・臨床試験
11.小児難治性白血病に対する新規治療法の研究
12.小児リンパ腫に対する早期治療開発
13.成長障害や性分化異常に対する分子内分泌学的検討
14.各種予防接種後に起きる局所反応の病理組織学的研究
15.小児気管支喘息における呼吸機能検査の有用性
16.小児食物アレルギーに対する負荷試験の検討
取り扱っている主な対象疾患
・ネフローゼ症候群、急性・慢性腎炎、急性・慢性腎不全、腎尿路異常、尿路感染症、夜尿症
・低出生体重児、新生児疾患、新生児外科疾患
・血友病、フォンヴィレブランド病、遺伝性血小板機能異常症、ITP、先天性血栓性疾患、抗リン脂質抗体症候群、遺伝性赤血球状赤血球症
・熱性けいれん、てんかん、発達遅滞、重症心身障害児(者)
・急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、脳腫瘍、神経芽腫など小児がん疾患
・先天性心疾患、川崎病、心筋症、不整脈
・気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー
・百日咳
・成長に関する疾患、先天代謝異常症、甲状腺疾患、副腎疾患、小児糖尿病、小児生活習慣病
■主な手術および検査件数(平成28年度実績)
手術名・検査名 | 件数 |
---|---|
腎生検 | 11件 |
心臓カテーテル検査 | 80件 |
造血幹細胞移植 | 2件 |
同種移植 | 2件 |
自家移植 | 0件 |
成人先天性心疾患外来設立のご案内
先天性心疾患に対する外科ならびに内科治療の飛躍的な発展により、現在では約90%の先天性心疾患の患者さんが成人に到達するようになりました。先天性心疾患では幼少期に無事に手術を終えた場合でも術後の遠隔期に生じる心不全、不整脈や弁不全に対し内科、外科治療が必要となることもあり、術後の経過が良好であっても成人期以後までフォローが必要となることが多々あります。更に成人期に到達すると原疾患に加齢に伴う問題が加わり多彩かつ複雑な症状を呈するようになります。また結婚、出産、遺伝などの原疾患以外にも多岐に渡る問題を抱えるようになります。これまで先天性心疾患患者の診療は主に小児科医、小児心臓血管外科の医師が担当してきましたが多くの患者さんが成人期に到達するようになり、幼少時から診療を担当していた診療科の医師だけでは対処が困難な問題に直面するようになってきました。このような患者さんの問題に対しては小児循環器医師や心臓血管医師のみならず成人循環器内科、産婦人科、遺伝科などが協力して総合的に診療にあたる必要があります。現在この分野の専門外来を設けている施設は未だ少なく患者さんもどの科を受診すべきであるのか困惑していることも多いかと思います。この問題に対処すべく私たちは成人先天性心疾患診療科を開設することにしました。大学総合病院の利点を生かし、各科が協力して成人先天性心疾患の患者さんに生じる様々な問題に対処できるようにしたいと考えています。
川崎地区てんかんネットワークについて
てんかんは、乳幼児から高齢者まで誰にでも起こりうる患者数の多い病気で、我が国の患者数はおよそ100万人とも言われています。その症状と治療法は様々で長期間に及ぶ医療・福祉ケアを必要とすることから、診療には小児科、脳神経内科、脳神経外科、精神科など様々な診療科の連携が必要とされています。しかし我が国では、地域でどの医師がてんかん診療を行っているのかも分かり難く、多くの患者さんが専門的な医療に結びついていない可能性が示唆されています。こうした中、厚労科学研究班は全国規模のてんかん診療ネットワークを構築し、これまで分かり難かったてんかん医療へのアクセスポイントを明らかにし、より効果的に診療連携を推進するための新しいてんかん地域診療連携システムを提案しています。(http://www.ecn-japan.com/)川崎地区てんかん診療ネットワークはこうした試みに賛同し、地域の患者さんに適切な医療を提供すべく、自主的に連携しております。
小児がん治療や造血幹細胞移植を受ける方への妊孕性温存のご案内
小児期がん化学療法や放射線治療、造血幹細胞移植を受ける患者さんでは、治療により将来の妊孕性(妊娠できる能力)が損なわれることがあります。当院では生殖医療センターと小児がん専門医の連携により、卵巣組織凍結保存や精子保存などにより妊孕性を温存する取り組みを開始しています。他の病院や施設で治療を受ける患者さんも妊孕性に関するご相談を受け付けます。小児科腫瘍外来(毎週火曜日午後)へご相談ください。