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臨床検査部トピックス

細菌検査の最新技術:『質量分析』による細菌検査

 臨床検査部は、血液検査や心電図などの各種検査を通して、病気の診断や治療効果の判定など、診療に不可欠な情報を臨床医に提供することを主要な役割としています。当院の臨床検査部は、採血室、血液検査、生理機能検査、緊急検査、細菌検査、超音波検査などの部門に分かれ、100名近いスタッフで運営されています。
 このうち細菌検査は、どんな菌がどこに感染を起こしているかを調べることを主な業務としています。その中で感染を起こしている菌名を診断する検査を同定検査と言います。検査結果は診断と治療に直結しますから、できるだけ早く検査結果を提供することが要求されますが、細菌の同定検査では検体(血液や尿、喀痰など)の採取から検査結果の判明まで、通常最短でも2~3日かかってしまいます。これに対して昨年、当院では神奈川県下の病院としては初のMALDI-TOF MSという最新の技術を応用した検査機器を導入しました。
 この装置は、2002年にノーベル化学賞を受賞された田中耕一先生の、『生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発』の原理を応用したもので、最大の利点は菌名の同定にかかる時間を大幅に短縮できるということです。これまで数日を要していた菌名同定が、この装置を使うことで数時間でできるようになりました。従来の方法に加えて、この機器による検査を行うことで、より正確で迅速な検査が可能となり、抗菌薬の選択など感染症の治療についての情報を臨床医により早く提供できるようになっています。
 臨床検査部では常に最新の技術の導入に心がけながら、今後とも病気の診断や治療に有用な情報を正確、迅速に提供できる体制づくりに向けた努力を続けてまいります。



図は、新たに導入したMALDI-TOF MS(Mayo Medical Laboratoriesホームページより引用、一部改変)