薬物療法 treatment
乳がんの抗がん剤治療は通院で行います。大学での抗がん剤の点滴治療は「腫瘍センター」で、ブレスト&イメージングセンターでは「化学療法室」で受けていただきます。
抗がん剤は単独で用いるよりもいくつかの抗がん剤を組み合わせることで効果を増強します。これを「多剤併用療法」といいます。抗がん剤の頭文字を並べてFEC療法、TC療法のように表現されます。多くの場合は点滴で投与します。
抗がん剤は投与するとからだのダメージが大きく、一点の休薬期間を取りながら繰り返します。この間隔が短いとからだが回復しませんし、長いと抗がん剤の効果が弱まるので、薬剤によって適切な間隔が決められています。休薬期間も含めた1回の治療間隔を1「クール」、1「サイクル」とよびます。
FEC療法、TC療法ならば3週間に1回の投与が1クールです。
経口抗がん剤
化学療法の副作用には、白血球減少、脱毛、吐き気、胃腸などの消化器粘膜への影響(口内炎や下痢)、手足のしびれ、むくみ、爪の変化などがあります。これらの副作用の程度は薬剤によって異なり、また個人差があります。
当日 | アレルギー |
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当日~数日 | 吐き気、食欲不振、便秘、下痢、しびれ、倦怠感(だるさ)、関節痛・筋肉痛 |
数日~数週間 | 感染症、口内炎、皮膚発疹・口内炎、脱毛 |
数週間~数ヶ月 | 色素沈着、しびれ、浮腫(むくみ)、爪障害、涙目、味覚障害、心機能低下 |
当日 | |
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当日~数日 | |
数日~数週間 | 血小板減少(易感染)、血小板減少(易出血) |
数週間~数ヶ月 | 赤血球減少(貧血) |
化学療法は通常外来で行います。化学療法を予定通りに完了するうえで日常生活を平穏に暮らすことは極めて重要で、適度な運動や食事が必要です。また、ときには気分転換をすることで、ストレス解消にもつながります。
化学療法を安全に受けるためには患者さんご自身にも協力していただきたいことがあります。
化学療法を開始するときには薬剤師、看護師により改めてオリエンテーションを行います。
乳がん細胞の半数以上は女性ホルモン(エストロゲン)の影響で増殖するタイプです。内分泌療法はこのような女性ホルモンの影響を受けるタイプの乳がんに対して行われる治療です。
内分泌療法は、副作用が少ないという特徴がありますが、効果が出るまでに時間がかかります(1~3ヶ月位。)手術後、長期間(2~5年間、最近では10年間投与も報告されている)継続して治療することで、再発の予防効果が期待できます。
閉経前には主にタモキシフェン(内服)とLH-RHアゴニスト(注射)、閉経後にはアロマターゼ阻害薬(内服)を使用します。
ホルモン療法は、女性ホルモン(エストロゲン)を抑えることで効果を発揮します。
そのため、更年期障害と同様な症状が副作用として現れやすくなります。
ほてり・のぼせ・発汗 | からだの中のエストロゲン量が減少して対応調整ができなくなるために起こります。 |
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肩こり・頭痛・うつ状態 | 肩こり、頭痛、精神・神経症状が現れることがあります。 |
筋肉痛・関節のこわばり | 関節の痛みやこわばりなどが現れることがあります。 消炎鎮痛剤などで対処する場合もあります。 |
骨密度の低下 | 体内のエストロゲンの減少により骨密度が低下することがあります。定期的に骨密度測定を受けて骨の状態をチェックして、カルシウムやビタミンDを多く含む食品の摂取や適度な運動を心がけてください。 |
その他 | 生殖器症状(不正出血・膣炎)、子宮内膜増殖症(低頻度で子宮体がん)、血栓など。 |
乳がんの治療