画像診断 screening

画像診断

画像診断について

当施設には画像診断装置として、マンモグラフィ3台、超音波6台をはじめ、CT、MRI、レントゲン、X線骨密度があります。
これらの画像検査を組み合わせて、乳がんの検診、診断、治療法の決定、術後の経過観察を行っています。

マンモグラフィ

乳房を板で挟み、乳腺を薄く伸ばして重なりを減らすことで病変を見やすくします。また乳房の厚みを薄くすることは、X線の被曝線量を最小限にする効果もあります。
マンモグラフィは、しこりとして触れない乳がんの初期症状のひとつ、石灰化を見つけることが得意です。この石灰化はマンモグラフィで白く映りますが、乳腺も白く映ります。

乳腺情報を1枚の画像に表現する従来のマンモグラフィ装置(2D撮影)では、乳腺の重なりに埋もれて病変を見つけることが困難な場合があります。
当施設はトモシンセシス(3D撮影)機能を搭載したマンモグラフィ装置を導入しています。トモシンセシスは撮影装置が動いて複数の方向から撮影し、収集したデータを3次元的に再構成することで、乳房を細かなスライス画像として表現できます。

このため病変の見落としを防ぎ、より正確な診断の一助となります。
日本人に多い、乳腺濃度の高い高濃度乳房にも有効です。
乳房を板で圧迫するため、痛みを伴う場合があります。
乳腺が発達している授乳期や生理前は特に痛みが強く感じられるため、この期間を避けることで痛みの軽減につながります。
撮影にはX線を使用していますが、1回の検査で被ばくする線量は自然界で受ける被ばく量を超えることはありません。
妊娠中やその可能性のある方は医療被ばくに伴う不利益と、得られる検査情報による利益とを考慮します。
また胸にインプラントやペースメーカー、ポート等、人工器具を挿入されている方は、圧迫による破損や挿入位置のずれが生じる可能性があります。
妊娠中や、これらの方は、事前に申し出をお願いいたします。

CT(コンピュータ断層診断)

筒状の機械からX線をあて、体内の吸収率の違いを画像化して体を細かな輪切り状で観察する検査です。
乳がんが肺やリンパ節、骨、肝臓など他の臓器に転移していないかを調べます。手術前の転移の有無や、手術後の再発の有無を見つけることが得意です。

超音波

乳房超音波検査は、プローブという機械を通して胸に超音波をあて、跳ね返ってくる反射波を画像化して乳房内を観察する検査です。空気が入らないようにプローブと皮膚表面の間にゼリーを塗って行います。
手に触れない数ミリのしこりを見つけることが得意です。

被ばくの心配がないため繰り返しの検査が可能で、妊娠中やその可能性のある方、マンモグラフィを受けられない豊胸術後の方にも安心して受けていただけます。

MRI(磁気共鳴画像診断)

筒状の機械から発生する強力な磁気を利用して、体の中の水分から出る磁力を画像化する検査です。
放射線を使用しないので被ばくの心配はありませんが、検査時間が20分前後と長く、大きな音がします。

乳房MRIではうつ伏せの状態で、造影剤を用いて検査を行います。乳がんの大きさや広がり、化学療法の効果を正確に診断することが得意です。
筒状の中に入るため閉所恐怖症の方や、強力な磁気が発生するため体内に金属のある方、刺青やアートメイクがある方は検査ができない場合があります。

X線骨密度

乳がんの治療法のひとつに、女性ホルモンを抑制するホルモン療法があります。
定期的に骨密度の検査をすることで、事前にこのリスクを防止することが重要です。