ブレスト&イメージングセンターは、乳腺疾患(乳がん等)に特化した診療施設です。

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乳がん情報

乳がんについてのQ&A

マンモグラフィで乳がんはどのように映るの?
マンモグラフィ検査とは、乳房専用のX線検査です。乳房を圧迫板という板ではさみ、乳房全体の乳腺や脂肪、血管などを映し出します。乳腺は白く、脂肪は黒く映ります。しこりも白く映り図のしこりは乳がんのしこりです(図1)。石灰化(乳腺内にできるカルシウムの沈着物)の白い粒々も映し出すことができます(図2)。この小さな石灰化は分布と石灰の一つ一つ形で良性と悪性の石灰化に分類します。2つの石灰化は典型的な悪性の石灰化です。
  • 図1
    図1
  • 図2
    微細石灰化像:区域性・多形成
    図2
  • 図2
    微細石灰化像:区域性・微細線状
    図2
超音波検査で乳がんはどのように映るの?
超音波検査は音の反射の様子を画像にして、からだの内部を検査する方法です。 原理的には、妊婦の時おなかの赤ちゃんを診る時に使う機械と同じものです。特にしこりを見つける時に有用な検査です。しこりの内部の様子までわかるのでどのような性格のしこりかを調べることができます。乳がんのしこりは厚みがあり辺縁がでこぼこしています(図3)。しこりの中に血管が豊富にあり、カラーで映し出すことも可能です(図4)。
  • 図3
    図3
  • 図4
    図4
乳腺症ってどんな病気?
乳腺症は、30-40歳代の女性に多く、乳腺の病気のなかで最も頻度が高いものです。しかし乳腺症と診断のつく状態は範囲が広く曖昧な病名でもあります。しこり・痛み・乳頭からの分泌が主な症状で、治療を行うことはあまりなく経過観察(保存的治療)が一般的です。痛みがひどい場合は痛み止めなどで対応することもあります。
乳腺症のマンモグラフィ像は乳腺が高濃度(白く)に映ることが多く、(図5)このような状態ではしこりがあっても見つけることが難しく、乳腺症の状態が強い人は超音波が有効です(図6)。
  • 図5
    乳腺が多いため乳房が白く写ります
    図5
  • 図6
    乳腺症の超音波:斑点状の黒い部分が多数あります
    図6
  • 図6
    乳腺症の超音波:しこりのように見えることがあります
    図6
どうして乳がんの診断にCTやMRIが必要なの?
がんの診断や位置や広がり、リンパ節の転移を見るためにCT検査を行います。図7のように体を輪切りにした画像から、図8のような立体的な画像をつくり位置や広がりをさらにわかりやすく映し出します。
MRIもCTと同様にがんの広がりを調べることが可能ですが、当院は従来のMRIより優れた高分解能MRIによる乳がんの広がり診断を行っています。イメージングセンターご案内のページで、キウイの画像を見てください。高分解能になったことで顕微鏡検査の広がり診断に迫る画像を得ることが可能になりました(図9)。その結果、手術前に乳頭ががんに侵されているかなど乳管内進展の評価がより正確に行えるようになり、手術での切除範囲の決定がより正確なものとなりました(図10)。
  • 図7
    図7
  • 図8
    図8
  • 図9
    図9

図10
乳頭への浸潤の有無な画像情報により、乳頭切除が温存を決定できる
図10

乳がんの手術はどんなものがあるの?
乳がんの手術は大きく分けて乳房切除手術(乳房全体を切除する手術)と乳房温存手術(乳腺の一部を切除し大部分の乳腺を残す手術)があります。全国では2003年に乳房温存手術の件数が乳房切除術を抜き主流の術式となりました。本学では1994年に乳房温存療法の本を出版し、早い時期より乳房温存手術を積極的に取り入れ1996年には乳房温存手術が乳がん手術の半数以上を占めるようになりました(図11、12)。
  • 図11
    図11. 聖マリアンナ医科大学における乳がんの手術術式の変遷 1974~2007年
  • 図12
    図12. 日本における乳がんの手術術式の変遷 Breast Cancer 15: 3-4, 2008
乳がんの術前化学療法はどれくらい効果があるの?
乳がんは化学療法(抗癌剤)がよく効く代表的ながんです。以前は手術後に抗癌剤を投与していましたが、世界的大規模な研究結果で抗癌剤の効果は手術前と後で変わらないことが分かりました。最近ではなるべく多くの乳房温存術を行うため、手術前に乳がんを小さくする目的で術前化学療法を行うことが増えています(図13、14)。
  • 図13
    図13. MR-マンモグラフィ
  • 図14
    図14. CT検査
センチネルリンパ節って?
センチネルの意味は「見張り」です。見張りリンパ節ともいいます。
乳がんのリンパ節転移で一番最初に転移するリンパ節がセンチネル(見張り)リンパ節です。以前は、乳がんの手術を行うときに腋窩のリンパ節郭清(わきのリンパ節を切除)をしていました。しかし術後にリンパ浮腫などの障害がでることもありました。そこで最近では、センチネルリンパ節を調べてがんの転移がない場合、腋窩リンパ節は残す方法がとられるようになりました(図15)。2007年聖マリアンナ医科大学では、75.6%の乳がん手術でセンチネルリンパ節生検を行いました。センチネルリンパ節は腋窩に2cm程の小さな創で取り出すことができ、ほとんど創が目立ちません(図16)。
  • 図15
    図15. 本学におけるセンチネルリンパ節生検施行状況
  • 図16
    図16