凍結療法‐DWIBS

凍結療法について

現在、乳がんに対する根治的手術は、乳房温存手術が半数以上を占めていますが、近年、整容性(手術のがん切除などで身体的な変形に対して姿や形が整えること)を求める声が多くなってきました。そのため一部の早期乳がんに対し、切除手術に代わり整容性が高い非手術的治療(超音波集束療法、ラジオ波熱凝固療法、凍結療法)が試みられています。
近年の乳がん画像診断が飛躍的に進歩したことにより、小さな非触知乳がん(触診ではわからない乳がん)の発見が増加しています。今後このような小さな乳がんに対する非手術的治療の必要性が高まると考えられます。
2014年より、米国で乳がんに対する凍結療法の臨床試験が開始されました。その試験の中間報告で、凍結療法が乳房温存手術と同等の治療成績であることを示すとともに、安全性の高い治療であると報告しています。
凍結療法は凍結そのものに鎮痛作用があるため、他の非手術的治療と比較して疼痛が少なく、局所麻酔下で施行できる利点があります。また乳房超音波を見ながら行うことにより治療対象の乳がんを確実に凍結することができ、この凍結療法は日帰り手術で行うことが可能です。日々の仕事や生活に多忙な日本女性にとって、日帰り手術で済む凍結療法は、小さな乳がんに対する治療の選択肢のひとつになると考えています。
2018年より当院では、早期乳がんに対して凍結療法を臨床試験として実施しました。その結果、凍結療法を行ったすべての患者さんの乳房に乳がん組織は残っていませんでした。また整容性も満足できるものでした。
この結果を踏まえ、小さな乳がんに対する凍結療法の自費診療を開始しました。

凍結療法イメージ動画

凍結療法の特徴

  • 整容性に優れている
  • 疼痛が少ない
  • 局所麻酔で行える
  • 日帰り手術

凍結療法の適応

適応になる方

  • 組織診断検査で浸潤性乳管癌と診断されている。
  • サブタイプ診断にてホルモン受容体陽性、HER2タンパク発現陰性(DNA増幅なし)かつKi-67が20%以下と診断されている。(ルミナルAに分類されるタイプ)
  • MMG、エコー、CT、MRIで乳がんが単発病変で、かつ病変の広がりが1.5cm以下の乳がん病変である。
  • センチネルリンパ節(SLN)が陰性と診断されている。
  • 凍結療法後の放射線治療が可能である(聖マリアンナ大学病院で放射線照射が可能である事)。
  • 十分な説明の後、書面にて同意を得られている。

適応にならない方

  • 遠隔転移が診断されている。
  • 浸潤性小葉癌、浸潤性微小乳頭癌と診断されている。
  • MMG、エコー、CT、MRIで乳管内病変や複数のしこりを認める。
  • センチネルリンパ節(SLN)が陽性と診断されている。
  • 乳がんが皮膚および大胸筋に近くにあり、凍傷の危険がある。
  • 造影MRIが行えない(腎機能低下、造影剤アレルギー、体内に金属が入っている等)。
  • その他、担当医が不適当と判断した。

凍結療法の費用

凍結療法は自費診療となります。
費用は495,000円(税込)です。

凍結療法をご希望の方へ

当院は予約制です。
凍結療法を検討されている方はお電話にてご予約ください。
予約方法の詳細については、初診・再診の方へのページをご参照ください。

パンフレット

凍結療法はご検討の方のためパンフレットをご用意しております。
ご希望の方は、下記のボタンからPDFをダウンロードしてください。

よくある質問

痛いですか?

凍結療法は整容性に優れていることだけでなく、凍結そのものに鎮痛作用があるため、他の非手術的治療のラジオ波熱凝固療法や超音波収束療法などと比較して疼痛が少ないことが特徴です。
したがって、局所麻酔下で容易に施行でき、日帰り手術も可能です。

合併症はありますか?

凍結療法において、アイスボールを形成する過程で皮膚、大胸筋の凍傷が懸念されますが、米国の臨床試験では重篤な合併症は報告されていません。自費診療で凍結療法を行っている亀田総合病院でも凍傷の報告はなく、一部の症例で皮膚のひきつれ等の軽微な合併症が報告されているのみです。

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