派遣留学生等Dispatched International Students and Researchers

2016年度

高神大学派遣学生 / Experience at Kosin University

高神大学派遣学生

私は大学に入学してからずっと留学に興味を持っていました。幸運なことに、2016年の4月の1ヵ月間、韓国の高神医科大学に留学することができました。留学を許可してくださった先生方にはとても感謝しております。
高神医科大学では、1週目に産婦人科、2週目に循環器内科、3・4週目に救急を回りました。病棟では日本との違いに驚くことばかりでした。大部屋では、基本的に患者さんのカーテンはすべてあけられており、回診ではみんなで其々の患者さんについての話を聞いているようでした。また、病室のベッドの上に自宅で作ったキムチの入った容器が積まれていました。更に小さなベッドが各々のベッドの脇にあり、親族の方などが宿泊できるようになっていました。
産婦人科では帝王切開を多く見学しました。婦人科のオペ室では、最新のK-POPが流れていました。執刀医の先生は術野から私に英語で説明をして下さいました。
循環器では4年生の授業にも参加しました。韓国語でしたが、スライドは殆どが英語でした。図が多く用いられていたので、どのテーマについて話しているのか理解することができました。その後、BSLの5人グループで突然、教授から英語での口頭試問が始まり、一人ずつ当てられ、私は冷や汗をかきました。
救急は患者数がとても多く、毎日廊下まで患者さんで溢れており、学生が主戦力として働いていました。学生の仕事は心電図、胃洗浄、直腸診、創部洗浄、縫合の準備、動脈採血、経鼻胃管挿入・抜去などです。患者さんが多く、BSLの中でも一番ハードな科だけれども、多くの手技を経験することができていいということでした。
今回6年の4月に海外で実習をしたのは116人中7人程度でした。4月の選択科は、興味のある科の理解を深めるとても良い機会だと思います。しかし、もしも海外留学に少しでも興味のある学生がいるのであれば、英語に自信がなくても海外の研修を希望するといいと思います。なぜならこの経験も、留学でできた友人関係も一生の財産となるからです。

江原国立大学派遣学生 / Experience at Kangwon National University

江原国立大学派遣学生

今回僕が一か月間実習を行った江原(Kangwon)国立大学は、ソウルから特急列車で一時間半揺られた先の山々に囲まれた地方都市、春川(チュンチョン)市にある。留学生第一号だったこともあり、どの様な実習になるか検討もつかず、当初は緊張で一杯だったことを覚えている。病院実習は産科のHwang教授に密着して行われ、手術があれば参加し手術のない時は超音波外来への同席やミニレクチャーが行われた。術中は“見学者”ではなく“助手”として扱われ、基礎的な処置を数多くやらせて頂いた。教授は医学的な説明の他、外科医としての在り方についても話され、「手術は基本的には“お作法”にそって行えば良いが、そこで満足するのではなく患者さんに負担の少ない効率的な方法を常に思考し、術式に組み入れ続け自分の流儀を確立することが大事だ。」という言葉が印象に残っている。帝王切開の際、胎児を取り上げるとき教授は必ず“I love you.”と言う。些細なことだが、僕は産科医の本質を垣間見た気がした。この他、病院スタッフに対して母校の医学教育について30分程度プレゼンする機会を与えられた。大勢の前で英語での本格的なプレゼンは初めてであったために非常に緊張したが、スタッフは興味を示してくれ和やかに終えることができた。江原の医学生とも積極的に交流でき、多くの学友ができたことも大きな財産となった。海外という特殊な環境に置き、母校ではできない体験を是非多くの人に経験してほしい。

同済大学派遣学生 / Experience at Tongi University

同済大学派遣学生

不安と期待を胸に上海空港に着くと、同済大学の医学生達が歓迎してくれました。その日は日本語を話せる彼女達が学校や病院を案内し、一緒に過ごしてくれました。「なんて快適なんだろう」という考えが甘いことに気付いたのは、実習初日でした。患者さんは中国語で、先生は英語で日常会話、専門的内容問わず私に話し掛けてきます。更に帰寮後、アメリカ人の医大生がルームメイトになることを知りました。確かに異国の地、人、医療を知り、医療者として人間として視野を広げることは私が望んだものでしたが、タフな留学生活が始まったことを実感しました。覚悟を決め、積極的に実習もコミュニケーションを取るよう心掛けました。
意外にも、私の出会った中国人で反日感情を持つ人はいませんでした。逆に親日家が多く、ここでも自分は何て浅薄なんだろうと感じました。中国の医療は日本と殆ど変りないように見えましたが、疎放な部分も若干ありました。ただ、気さくで明るい国民性からか、先生と患者さんの距離は非常に近く、良い関係が築かれていました。
実習以外にも、上海の街や食事も堪能でき、特に上海の夜景は言葉が出ない程美しかったです。こうして多くの人々の温かさに触れ、無事に留学を終える事ができました。お世話になった全ての方々へ感謝の気持ちで一杯です。今後、この経験が私にとって医療者としての道標となったことは間違いありません。