本学医学部医学科一般入試に関する「監事監査報告書」の提言に対する本学の対応について
平成31年2月19日
受験生・関係者の皆様へ
聖マリアンナ医科大学
本学医学部医学科一般入試に関する「監事監査報告書」の提言に対する本学の対応について
過日の文部科学省高等教育局大学振興課入試室より実施された『医学部医学科の入学者選抜における公正確保に係る緊急調査』において、聖マリアンナ医科大学医学部医学科一般入試に「不適切である可能性が高い事案」があるとの指摘を受けました。さらに、『医学部医学科の入学者選抜における公正確保に係る緊急調査 最終まとめ』において「第三者委員会や内部調査委員会を設置し、不適切な事案の内容や大学の体制等に応じて、大学が適切に判断することが必要」との見解が示されました。
これを受けて本学監事より、私立学校法第37条第3項第1号及び第6号並びに本学寄附行為第17条第1号及び第6号に基づき、独立かつ客観的な立場から監事監査を実施する提案がありました。本学はこれを了承し、監事2名(弁護士・公認会計士)及び監事補佐2名(法科大学院教授・医師)の計4名の監査団による監査が約3週間にわたって実施され、平成31年1月末に本学に対し監事監査報告書の提出及び提言がなされました。
文部科学省から指摘された「不適切である可能性が高い事案」とは、平成30年度入学試験において、「女性より男性が、多浪生より現役生が高い割合で合格していることより、調査書等の評価において、性別や年齢等の属性により一律に取扱いの差異を設けているのではないか」という趣旨です。これにつきまして、監事監査結果では、男女あるいは現役・浪人等の属性に分け、その属性により一律に加点あるいは減点等を行った事実は認められなかったとの結論をいただいております。
しかしながら、同時にこの評価基準決定と評価を入試委員会のうちの少数の委員が担当していたこと等から上記評価結果の偏りが生じたと考えられ、本学入学試験の公正性・透明性について受験生を含めた社会の信頼性を損ねたことは否定できないとの趣旨の報告をいただきました。
そして、監事提言として、(1)入試委員会の独立性は尊重すべきであるが、委員長及び副委員長の交代を含め、入試委員会のあり方を早急に検討すべきである(2)入試委員会において、入学試験の評価基準につき、配点も含め検討すべきである (3) 入学試験要項を見直し、配点及び評価基準を可能な限り開示すべきである、との提言をいただきました。
本学といたしまして、同報告書と提言を真摯に受け止め、入試委員長及び副委員長を交代し、2名の女性教員を新たに入試委員として委嘱いたしました。
平成31年度一般入学試験については、第1次試験の合否判定以降を、新体制の下、実施いたしました。なお、面接、調査書等に基づく評価の配点及び評価基準について、入試委員会全員で慎重に審議を行い、決定することといたしました。さらに、来年度入学試験より、医学部医学科の入学試験要項の見直しを行い、評価基準などを可能な限り公表いたします。
今後も平成30年11月に公表されました全国医学部長病院長会議による「医学部医学科入学試験の規範」に基づき、公平性の確保及び良き医療人・医学者の確保という観点から、受験者をはじめとして社会からの一層の信頼を得られるように、入学試験システムを改善してまいります。
以上