医師を志す学生の皆さんに向けて、人間尊重の立場に立った医学教育を実践する聖マリアンナ医科大学の教育精神をご紹介します。
本学では、キリスト教的な愛の精神に基づき、プロフェッショナルとして、確かな専門知識を持っていることはもちろん、ひとの心の痛みがわかる、豊かな人間性を備えた医師の育成に力を注いでいます。
聖マリアンナ医科大学は6年間一貫教育による「グッドドクター養成カリキュラム」を採用しています。1年次から始まる専門教育、コース別講義、小グループ問題解決型教育、臨床実習において医療チームの一員となるクリニカル・クラークシップなど、教わるよりも自ら学ぶ力の養成に重点を置いた教育です。
最新の学習設備を備え、医学教育に必要なすべての機能を集結した「教育棟」をはじめとする聖マリアンナ医科大学の教育環境や、学生、教師の密度の高いコミュニケーションを生む理想的な医学教育環境をご紹介します。
実習や研究室配属で利用する施設をはじめ、大学院や付属研究所等をご紹介します。
在学生・卒業生のお手続きなど。

国際交流

 本学の創立者である故明石嘉聞博士は、無医村地区の医療に貢献し、東南アジアの発展途上国で働く医師の養成を念願されていました。この理念に基づき、平成24年度に韓国の高神大学と学生の相互派遣に関する協定を締結したことを皮切りに卒前医学教育国際交流委員会が設置され、本格的に国際交流事業が開始されました。海外大学への学生の派遣や留学生の受け入れを中心に、積極的に海外大学や施設、留学生との交流を行っています。発足当初は博士の願いを念頭に、アジア圏を中心に協定校を増やしていましたが、今後は英語圏へ留学したいという学生のニーズにも応えるべく、積極的に米国や欧州の大学等とも協定に向けた交渉を行っており、平成28年度にはハワイ大学医学部と医学教育交流プログラムに関する協定を締結しました。
 単位認定が認められる留学プログラムは6年次の選択制実習の臨床実習において行われます。一定の成績を収め、応募要件を満たした学生は海外の大学での臨床実習に参加することができ、また、協定校以外でも要件を満たすことができれば、自ら受け入れ先に交渉し、自主的に開拓した施設への派遣も認められます。

協定校一覧

大学名 所在地 協定締結年月
高神大学 韓国釜山市 平成23年12月
江原国立大学 韓国春川市 平成27年1月
同済大学 中国上海市 平成27年11月
ハワイ大学 米国ハワイ州 平成28年10月

非協定校への派遣実績

大学名 所在地
ヘルシンキ大学 フィンランド
トロント大学 カナダ

「ハワイ大学病院実習」

医学部医学科6学年 織原 梓

 私は6年次の1ヵ月間、ハワイ大学クアキニ病院にて実習を行いました。海外での臨床実習は入学当初からの夢であり、学内とハワイ大学の選抜試験を通過するために上級英語のクラスを取り、医学英語の力を磨いて臨みました。実習にあたっては日米の医療制度の違いや、英語での身体診察・問診を学ぶという2つの目標を持っていました。
 初めの1週間は日本人でアメリカの医師である渡慶次先生の熱血指導のもと、家庭医実習を行いました。毎朝4時から始まる渡慶次先生の実習はハワイ大学の学生の間でもハードなことで有名であり、英語での回診やカルテの記入、採血や救急対応など、非常に密度の濃い充実したものとなりました。また、自分に厳しく他者への思いやりにあふれる先生の医師としての姿勢には非常に感銘を受け、医学英語だけでなく様々な大切なことを教えていただきました。
 残りの3週間は病棟の内科チームに移って実習を行いました。クアキニ病院ではレジデントとハワイ大学の学生で構成されたチームが、重症度や疾患にかかわらずに患者さんを担当し、それぞれのチームが上級医に治療方針を確認する形で医療を行っています。学生が積極的に治療方針について発言し、チームの一員という意識を持って患者さんのために働いている様子が印象的でした。一方で保険の関係で高額医療を受けることができない患者さんがいることなど、アメリカ医療の問題点を目にすることもありました。
 慣れない環境で英語を使っての実習であり、初めは辛いことばかりでした。しかし、尊敬する先生に出会えたことや、アメリカの医療を実際に経験できたことなど、この場では書ききれない程に多くのことを吸収できました。先生方、事務の方々、家族に支えられて父兄会のご支援により、このような貴重な機会をいただけたことに感謝しています。この経験を生かして、患者さんの役に立てる一人前の医師になれるよう、さらに研鑽を積んでいきたいです。