研修・大学院

南極観測隊員としての活動(第57次観測隊)

西山幸子医師が第57次南極地域観測隊員(医療)として活動中です

昭和基地に到着しました

砕氷艦「しらせ」で16日間航海の末、昭和基地沖に停泊した船からヘリコプターを使って昭和基地へ入りました。

オーロラに遭遇しました!

写真に撮ると鮮やかですが、実際はもっと淡くてとらえどころがなく、重量感もないものでした。よく言われるように、カーテンのように動いていました。

一日中、太陽が出てこない日々です・・・

こちらでは5月30日を最後に極夜に入りました。
この日は日の出が12時04分、日の入りが12時34分。
隊員全員で外に出て、再開を楽しみに太陽をながめました。
写真はそのときのものです。
冬至をはさんで、太陽は7月12日にまた見られる予定です。
極夜がどのようなものか、そして久しぶりに出てきた太陽に自分がどんな気持ちにな
るかを楽しみにしてきました。

極夜がもたらす影響として、抑うつ気分や引きこもりになる人もいるということです。
自分が感じているのはまず眠気です。また些細なことが気になるというか、敏感に
なっている気がします。
自覚があるという点がなによりですから、うまい具合に対処していき、医師としての
役割を果たしたいです。
 

雪かきに始まり、雪かきに終わる

冬になり、ブリザードの強さや継続時間も増してきて、除雪に時間がかかるようになりました。

医療隊員は患者がいなければ表向きは定常業務がありませんので(機器の整備や訓練の段取りなどはありますが)、マンパワーとして期待されます。

今次隊は30人の越冬隊員のうち5人が女性で過去最多です。外仕事や力仕事の面で、どうしても落ちてしまうことを意識せざるを得ませんが、重機の運転であれば男性と同じ効果を発揮できるので、積極的に乗って貢献できるように心がけています。除雪の現場ではブルドーザー、パワーショベル、雪上車などが数台動いています。運転も慣れてきましたが、慣れた頃に事故が起こりますので、引き続き十分気をつけていこうと思います。


階段や建物のキワなど、重機の入れない狭いところはスコップでの雪かきとなりますが、腰などを痛めないよう徐々に要領よくなってきた気がします。
 

南極教室、ありがとうございました(^^)/

無事に「南極教室」を終えることができました。

たくさんの先生方、スタッフの本番中はずっと学生さんが映っていたので、「さようなら~」と手を振ったときに会場全体が見えて、たくさんの白衣の方たちが来てくれていたことに気づき驚きました。

南極行きを応援し続けてくれている救急医学のみなさま、聖マリアンナのみなさまにすこしでも恩返しができたかな?これからかな?とおもいつつ振り返っております。
 

ご無沙汰しております。西山幸子です。

昭和基地は大陸から4Km離れた「東オングル島」の上にあります。尚、今は使われていないみずほ基地、あすか基地、ドームふじ基地は大陸にあります。

10月8日~24日の17日間、凍った海を渡って南極大陸(沿岸から200Kmほど)に行って
きました。
目的は燃料の輸送(将来の内陸調査のため)、気象観測、雪尺観測、磁力観測機器の
保守、データ回収等です。
メンバー8人で4台の雪上車に分乗していきました。

観測をしつつ、燃料の入った橇を引きながらなので時速5Km程度でしか進めず視界が
さえぎられるブリザードの日は動けません。
基地で暮らしているとき以上に、南極の環境の厳しさを感じました。

 

さて徐々に日が長くなり一昨日から白夜に入りました。
基地周辺へのペンギンの来訪などもあり春が来て夏になったことを実感する日々とな
りました。
最近では気温がプラスになることもあり、屋外で液体の水を久し振りに見ました。2ヶ
月前は-30℃を下回っていたことを考えると、太陽の力を感じます。
凍傷などの低温による障害より、雪眼炎(角膜障害)、日焼けなどの紫外線による疾
病が問題となってきます。

太陽の出ない極夜はそれはそれで問題ですが、太陽が沈まない白夜は「一日の仕事を
終えて休むときに暗闇が得られない」という、結構な問題なのかもしれないなという
気がします。
闇というのは不安に感じることもありますが、安心、安楽でもあるのだなあなんて考
えます。
 

12月になるとわれわれと交代する58次隊がやってきます。


日本に帰ってからのことを考えるようにもなりました。


引き続き残りの日々も全員でしっかり安全に健康に過ごしていきたいと思います。
 

帰国しました!

 観測隊員はシドニーで船を下り空路で日本へ帰国しました(3/23)が、砕氷艦『しらせ』と海上自衛隊員は海路日本へ向かい、4/10晴海に入港しました。
 船に残した荷物を受け取りに大井埠頭へ行き、『しらせ』に再会しました。今後ドックに入るそうです。わたしたち隊員も人間ドックほどではありませんが帰国時健康診断を受けます。

 帰国後は、再び聖マリアンナ医科大学の救急医学で働きます。

 少しだけ増えていた体重も戻りましたよ~(^^)/