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掲載日:2020年9月7日

川崎北部での先進的な救急診療の取り組み

聖マリアンナ医科大学救急医学で力を入れている項目として、川崎北部での緊急救急症例に関して、Rapid Carで現場に急行して、診療をいち早く行っています。救急室では、Rapid Carの位置情報や現場での救急患者の情報がリアルタイムで通信できるようになっています。

救急医学01

そして現場で、心肺停止患者の、脳血液還流を数値で評価して、適切な蘇生ができているかという研究(近赤外線分光法(NIRS)を用いた心肺停止のモニタリング)を行っています。
救急医学02

その他、院内急変事例を早期に察知するために、バイタルサインをスコアリングした院内早期警戒スコアシステム(early warning scoring system)を導入し、聖マリアンナ医科大学法人の3施設のすべての入院患者のバイタルサインを経時的に評価して、能動的にバイタルサインが崩れそうなハイリスク患者に対応ができるようにしています。
救急医学03

血中の乳酸値は、組織酸素代謝の指標として重要であり、集中治療における予後予測や治療の効果判定に有用とされています。しかし、血中乳酸値の測定には血液の採取が不可欠であり、頻回の測定は非現実的です。そこで、汗中の乳酸に着目し、明治大学との共同で汗中の乳酸測定を研究しています。レジン製の測定部分には生理食塩水の流れるスリットがあり、皮膚に貼ることで、皮膚上に分泌される汗を取り込みます。生理食塩水は細いチューブを流れ、センサーを通過することによって汗中の乳酸が測定できます。
救急医学04

そして、COVID-19診療として、遠隔診療システムの導入をして、遠隔でベッドサイドで診療をしているスタッフに指示を出せるような仕組みを構築しました。現在は、聖マリアンナ医科大学法人の3施設を繋げて、ITを利用した効率のよい診療ができるになっています。
パンデミックに対応ができるアダプティブデザインを用いたCOVID-19国際多施設ランダム化比較試験と重症呼吸器感染症に対する臨床研究体制の基盤構築でAMEDの研究費を獲得して、新興・再興感染症の流行に際し、多数の施設から良質な臨床データを収集するネットワークの構築を立ちあげています。
一酸化炭素ヘモグロビン(CO-Hb)への可視光照射がHbからCOの解離を促進する原理を臨床応用し、CO中毒患者の新たな治療法として血液への光照射法を従来の高濃度酸素治療に加えることで、CO中毒の治療成績向上を目指しています。現在特許申請中です。

 

聖マリアンナ医科大学 救急医学