St. Marianna University Graduate School of Medicine

理事長ご挨拶 

聖マリアンナ医科大学 理事長 明石 勝也

学校法人 聖マリアンナ医科大学理事長 明石 勝也

2021年、聖マリアンナ医科大学は創立50周年を迎えます。これもひとえに皆様方からのご支援の賜物と心より感謝申し上げます。
本学は、敬虔なカトリック信者であった明石嘉聞博士の強い思いから、1971年に日本で唯一のカトリック系医科大学として創立されました。創立以来、「キリスト教的人類愛に根ざした『生命の尊厳』を基調とする医師としての使命感を自覚し、人類社会に奉仕し得る人間の育成、ならびに専門的研究の成果を人類の福祉に活かしていく医師の養成」を建学の精神として医学教育を実践し、すでに5000名近くの医師、4000名近くの看護師が養成されております。
今ここに創立から50年の節目を迎え、私たちがこれから何をなすべきか、本学が目指すべき姿をじっくりと考える時を迎えたと言えるでしょう。そのためには、これまでに積み上げた歴史、築き上げたものは何か、各自がしっかりと見つめなおし、語り合い、これを共感・共有することが未来へのスタートラインであります。
2020年は新型コロナ感染症によるpandemicが世界に襲い掛かりました。私たちはこの危機に本学附属病院を中心に、全学を挙げて全力で医療者としての使命を全うすべく立ち向かうことができました。これも50年の時を経て築き上げられた建学の理念の具現化に他なりません。蓄えられた力は未来への希望の源です。
理念の実践者たちの胸に宿るmarianna spiritsは永遠であり、この輝きを増し、光り続けるために、本学がこれから目指すべき未来に向かう創立50周年でありたいと思います。

学長ご挨拶 

聖マリアンナ医科大学学長 北川 博昭

学校法人 聖マリアンナ医科大学学長 北川 博昭

今から50年前に遡ると、そこは1970年(昭和45年)になります。この時代は海外に出かける人が増え、今までの2倍の乗客を一度に運べるジャンボジェット機が羽田空港に降り立ちました。その後、航空業界は音速の2倍で飛行するコンコルドがニューヨーク~ロンドン間日帰り出張が実現されました。
国内では大阪府吹田市で日本を象徴する万国博が開催され、アジアで初の高度経済成長を遂げました。テーマは「人類の進歩と調和」であり、コンセプトは「規格大量生産型の近代社会」でありました。183日間の会期中、日本人口の6割が来場したこととなります。開催前は赤字が見込まれましたが、最終的には192億円の黒字となりました。この時代の1971年(昭和46年)に聖マリアンナ医科大学は、第1回生を迎え医学の道に進む学生が社会に貢献出来る医師を育てることを目指しました。50年経過した今、そのコンセプトは実現され、日本におけるコロナ禍での診療実績がそれを物語っています。
経済評論家の堺屋太一氏によれば万国博は「テーマはただのキャッチフレーズ、大事なのはコンセプト、何をするか、何を見せるか」だと述べていました。大阪のコンセプトは「規格大量生産型の近代社会」であり、あの万国博の時から自動車やカラーテレビを世界に輸出して、日本は大きく発展しました。 過去を見直せば44年間でジャンボ機は日本の空から消え去り、高度経済成長の大量輸送時代が終わりを告げました。コンコルドはわずか30年で世界の空から消え去りました。騒音などの環境問題、オイルショックも打撃となり、ファーストクラス並みの高価な運賃など商業的な失敗を招いたことが原因です。現在は低燃費、騒音の少ない環境に優しいコンパクトなボーイング787が主流となりました。わずか半世紀の出来事です。
私たちの大学のこれまでの50年を振り返ってみると、困難に立ち向かうキリスト教的人類愛のスピリッツが時間を超えて引き継がれ、そして今や誇れる文化として定着しました。
今後は、医療系単科大学の強みである機動力を駆使し、羽田に隣接した川崎市の地の利を生かした国際的産学連携や様々なベンチャー企業との協業の充実など、「夢あるテーマ」を描いて邁進する大学を目指します。
私が医師となった当時の急患対応に使ったポケットベルは携帯電話に進化し、その後スマートフォンにさらなる進化を遂げました。次の50年は人工知能(AI)を用いた作業のスピード化と車同様に安全機能を備えた自動運転手術も夢ではありません。AIをはじめとした新しい技術を巧みに駆使しながら、患者さんの気持ちにしっかり寄り添える医師の養成が、我々が次の50年先に目指す姿となります。教育の方向性をしっかりと見据えながら、この先のグローバルな社会に通用する「良き医師」を育てていきます。

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