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掲載日:2020年6月23日

気管支鏡検査と肺癌診断の進歩

当院の呼吸器内科で行う気管支鏡検査は、経験豊富な指導医・気管支枝読み等の入念な準備・充実した導入機器により高い診断率を誇ります。肺癌疑いで気管支鏡(経気管支肺生検)を行った成績は、2017年度88.8% (103/116)、2018年度 93.8% (136/145)、2019年度 90.1% (118/131)と、過去の他施設での報告と比較しても非常に高い診断率を維持しております。一般的に診断が難しい20mm以下の病変や、近年増加する超高齢者(85歳以上)に対する検査でも診断率はほぼ変わりません。
2019年には凍結生検(クライオバイオプシー)を導入しました。従来の手法と比較し数倍~数十倍の大きさの検体採取が可能となります。国内で先駆的に導入したガイドシース併用超音波断層法(EBUS-GS)と組み合わせることにより、安全かつ高い診断精度のまま、十分な大きさの組織検体を採取することが可能となり、肺癌の遺伝子変異一括検査(オンコマインCDxシステム)においても高い解析成功率となっています。
一方で、凍結生検ができない場合や細胞診検体しか採取できない場合もあり、より少ない細胞数で肺癌遺伝子変異を一括検査できる研究も進めています。これが実現すればより低侵襲かつスピーディーに診断がつき、早期の治療開始が可能になると考えています。
呼吸器内科では気管支鏡検査に関する他施設からのご相談、研修、見学など随時受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。
問い合わせ先:m-mine@marianna-u.ac.jp(峯下教授)

呼吸器内科01

凍結生検で採取した組織(左, 長径約1cm)と通常生検組織(右, 2-3mm)の大きさの比較

呼吸器内科01

凍結生検で採取した組織(左)と通常生検組織(右)の病理像の比較(同倍率)
凍結生検では原発性肺癌の組織亜型まで推定できる場合が多い。