当センターの特徴

早発卵巣不全(POI)

早発閉経(POI)とは

早発卵巣不全(POI:Premature Ovarian insufficiency)とは、40歳未満の早い時期に月経が来なくなることを言います。
原因として明らかなものは1~2割程度です。当院の統計では、自然発症POFのうち、自己抗体を保有している人が50%、自己免疫の人が20%、染色体異常の人が15%、遺伝子異常の人が3%で、医原性(卵巣の手術や化学療法・放射線治療を受けたことによる発症)を原因とする人がほぼ同数います。また、甲状腺や副腎の病気がある方に多い傾向を示しています。
早発卵巣不全を招く卵巣機能不全の初期症状に月経不順があります。月経不順が気になったら早めの産婦人科受診をお勧めします。

治療について

早発卵巣不全は、妊娠することが非常に難しいといわれていて、不妊治療を断られてしまう患者さんもいます。卵巣内に残っている卵子の数が非常に少なく、どんな排卵誘発にも反応しにくいからです。当センターでは、ホルモン補充を行いながら強い卵巣刺激を行うことで、卵胞発育率が数%と言われていた早発卵巣不全の卵胞発育率を20%にあげることができました。卵胞が発育した後も、無事卵子が採卵でき正常に受精して、良好な胚を移植して妊娠に至るという過程で、成功のために乗り越えなければならないことはたくさんあります。治療を続けることはたいへんだと思いますが、それぞれ患者さんの状態を診ながら最善の治療をいたしますのでぜひ頑張って通院してください。

また、妊娠を希望しなくても、治療(女性ホルモン服用)は少なくとも平均的な閉経年齢(50歳前後)までは続けてください。なぜなら、月経がない(無月経)ということは、女性ホルモンが出ていない状態が続いているということで、それにともなって骨粗鬆症・心筋梗塞・脳梗塞といった病気が増加することがわかっているからです。女性ホルモンを服用することに抵抗をお持ちの方も多くいらっしゃいます。しかし、女性ホルモンを投与することで、本来分泌されるべき女性ホルモンが補充されて正常な女性ホルモンレベルとなり、同世代の女性と同じように、女性ホルモンが体を守ってくれるのです。

早発閉経の外来診療について

《早発卵巣機能不全外来 初診 予約手順》  平日:8:30~17:00
1.現在通院中の病院から聖マリアンナ医科大学病院 地域医療連携室にFAXしてもらう(FAX:044-975-0608)
※産婦人科宛で診断名に早発卵巣機能不全(POI)と明記してください。
2.地域医療連携室から約30分程度で予約日時が記載された予約票を現在通院中の病院宛にFAXで返信させて頂きます。
3.予約日時に紹介状と予約票、保険証をお持ちの上、ご来院下さい。
 予約変更の際は予約票を手元にお持ちの上、聖マリアンナ医科大学代表(TEL:044-977-8111)にお電話下さい。地域医療連携室にて、予約変更を承っております。