MENU

Marianna Today

  1. TOP
  2. Marianna Today
  3. 乳がん検診の疑問を解決しませんか?Vol.4

掲載日:2020年9月18日

乳がん検診の疑問を解決しませんか? Vol.4

乳がん検診に関する疑問について、お答えする「乳がん検診の疑問を解決しませんか?」の4回目です。ぜひ、お役立ていただければ幸いです。
※1回目はこちら(Vol.1)
※2回目はこちら(Vol.2)
※3回目はこちら(Vol.3)

Q.自分の乳房の構成を知っていますか?

乳房は主に乳腺と脂肪で構成されています。マンモグラフィでは乳腺と脂肪の割合を「乳房の構成」として評価し、乳腺の割合が少ない順に ①脂肪性  ②乳腺散在  ③不均一高濃度  ④極めて高濃度の4段階に分けます。


乳腺の割合が多い③不均一高濃度や④極めて高濃度は上の画像を見て分かるように乳房全体が白く写ります。そして乳がんなどのしこりも白く写るため、マンモグラフィでしこりが見つかる事がむずかしくなります。最近では③と④を合わせて「高濃度乳房(デンスブレスト)」と分類し、病気が見つかりにくいことがあると注意喚起するようになりました。

Q.もしあなたの乳房は「高濃度乳房(デンスブレスト)です」と言われたら??

高濃度乳房は病気ではなく、その人の体質であるため、過度に心配する必要はありません。高齢の方よりも若い方に多く、日本人の約4割が高濃度乳房と言われています。また妊娠・授乳、ホルモン補充療法などでも乳腺の割合が変化します。検診結果で「高濃度乳房」と言われても要精密検査にはなりませんが,高濃度乳房の場合、マンモグラフィだけではしこりが乳腺に隠れてしまい、見つかりにくいことがあります。

高濃度乳房と言われたことが心配な方は追加検査を考慮するのも選択肢の一つです。追加検査として超音波検査、乳房トモシンセシス、MRIが選択肢に上がります。これらの追加検査を受ける場合、高濃度乳房というだけでは保険診療外ですので自費検診となります。それぞれの検査の特徴を理解し、ご自身に合った検査をバランスよく判断することが大切です。

乳がん検診でマンモグラフィ検査を受けた際、ご自身の「乳房の構成」について知ることがとても大切です。川崎市の乳がん検診では結果の用紙に記載がされています(上図)。ほかの自治体の検診や人間ドック等の結果で「乳房の構成」が書いていない場合で、ご自身が知りたいと思われた場合は受診施設にお問い合わせください。


Q.高濃度乳房の方の追加検査について

マンモグラフィは、「乳房の構成」に関係なく乳がんの初期症状である石灰化を見つけることが非常に得意な検査であるため、高濃度乳房であってもマンモグラフィを受けることはとても大切です。「乳房の構成」が乳腺の割合が少ない「脂肪性」の方は小さい病気でも高い確率で病気が見つかるため、マンモグラフィだけで十分です。


[監修]

福 田 護   聖マリアンナ医科大学附属研究所ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニック院長

中島 康雄  聖マリアンナ医科大学 名誉教授

問い合わせ先