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会長挨拶

会長挨拶

会長 岡田智幸   聖マリアンナ医科大学 総合診療内科学 特任教授 (保健管理センター長)

 

会長 岡田智幸

会長就任3期目のご挨拶を一言申し上げます。
聖マリアンナ医科大学医師会は2019年8月に発足し、初代会長として「驕らず、飾らず、誇らず、そして有脚陽春」をMottoに掲げ、特に川崎市北部医療圏の充実した地域医療ネットワークを構築することを目指し、学術研究とその助成に力を注いでまいりました。
本医師会の立ち上げから今日に至るまで、役員および会員の先生方、事務局には多大なご支援とご協力を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。
さて、医療は「不易流行」であり、「本当に大事なものは隠れて見えない」=人を思う心(患者さんへの思いやり)=「医の心」であることを忘れてはなりません。また、地域に根ざした医療の展開には地域医師会の先生方とは「顔の見える医療連携」が必要と考え、地域医師会ならびにその主催あるいは後援する研究会などに足繁く参加してまいりました。
本医師会発足約半年後からコロナ禍に翻弄されましたが、奇しくもこのPandemicが世論を動かし、「命を救う医療」と「医師会の存在意義」に敬意が評され、感染予防策の「三密」の一方では、医療人と一般の方々との「信頼」という「心の密」は、このコロナ禍で形成されてきていると思われます。おかげさまで「医師会の意義や重要性」を直に伝えることにより賛同を得て、本医師会の会員数は180名(2023年6月21日現在)を超え、川崎市医師会理事1名(代議員数11名)、神奈川県医師会代議員数2名を数えるまでに至り、益々、地域医療における本医師会への期待とその重責を痛感しております。
Post-pandemicを迎えるにあたり、本医師会は、引き続き神奈川県医師会、川崎市医師会そして周辺地区医師会との活動の交流を重視し、今まで以上に強固な連携を図りたいと考えております。地域医療の原点は、‘From the cradle to the grave’と言われておりますが、これからの地域医療は少子化対策などの難問、不妊治療などの最先端医療も考慮に入れ、「胎児から地域(大家族)ぐるみで取り組む健康長寿のための医療」であること。地域医療には、それぞれの地域に合ったBeyond EBMとも言える工夫が必要であると思われます。その心は、統計的には同じようなことを行っていても、健康長寿には地域差があること。そして前述のごとく「本当に大事なものは隠れて見えない」と考え、私共大学医師会員も地域(大家族)の一員であり、頼れる、そして頼もしい医師像を目指し、いつでもどこにいても「顔の見える医療と周辺地区医師会との支え合う連携」を心掛け、皆幸福な人生を送れるよう、地域周辺医師会、同門会および聖医会を通じて諸先生方にもご教示いただきながら、粛々と「一隅を照らす」ことを本分と心得、この大任を全うしたいと考えております。
本医師会会員の要望の一つに産業医資格維持に関するものがありました。具体的には、「産業医活動を行っているが、コロナ禍の影響もあり産業医更新ための単位取得が困難である。」とのご意見がございました。本医師会発足当時からの懸案事項であった本学での産業医講習会開催が、川崎市医師会産業医部会総会で承認され、漸く具現化される運びとなります。これからも本医師会会員からのご意見・ご提案も積極的に取り入れたいと考えております。そして、本学スタッフならびに若手医師の本医師会への参加を啓発しつつ、「未来の医療を考える」本医師会役員の育成にも努めてまいりたいと存じます。
改めまして、医療は「不易流行」であります。衆知の結集によりAI(人工知能)が医療現場に登場し、目まぐるしくさらに目覚ましく医療の革新・変貌が周知された感があります。しかしながら、Empathy(思いやり)のある医療を具現化する未来を約束すること、これこそが「未来の医療の使命」であり、本学の建学の精神 ‘Love for Others, Dignity of Life(人類愛と生命の尊厳)’であると確信しております。
本医師会会員ならびに本学教職員のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、3期目の就任挨拶とさせていただきます。