Academic Achievements
掲載日:2024年10月18日
川崎市立多摩病院におけるポリファーマシー(多剤併用)への取り組み
聖マリアンナ医科大学・川崎市立多摩病院 総合診療内科の家准教授らの研究グループは、米国医師会雑誌JAMAの姉妹誌であるJAMA Network Openにて、入院中の患者さんの多剤併用(ポリファーマシー)に対する処方適正化チームによる介入効果を検討したランダム化比較試験(MPEG試験)の結果を発表しました。本研究は、川崎市立多摩病院の内科病棟で、65歳以上で常用薬が5剤以上ある方を対象に実施されました。
MPEG試験の結果、多職種による処方適正化介入によって主要評価項目である再入院、救急受診、死亡は減少しませんでした。しかし、潜在的に不適切となりえる処方を受けている患者さんの割合が有意に減少し、この効果は1年後まで持続することが確認されました(12ヶ月時点: 介入群26.7% vs 通常治療群37.4%)。また、介入による有害事象の増加は認められず、介入が比較的安全であることが示唆されました。
この研究により、多職種連携によるポリファーマシー対策が潜在的不適切処方の減少に有効であることが示されました。引き続き、医療の安全性向上を目指した研究が求められます。
研究に関する詳細と要約データは、以下のリンクからご覧いただけます。
川崎市立多摩病院 総合診療内科