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掲載日:2020年2月12日

大動脈瘤及び大動脈解離・解離性大動脈瘤に対する血管内治療(ステントグラフト内挿術)

胸部・腹部大動脈瘤及び大動脈解離・解離性大動脈瘤に対する治療は開胸・開腹下での人工血管置換術と低侵襲治療であるステントグラフト内挿術があります。当院では2011年よりステントグラフト内挿術を本格導入し、現在年間80余件の同手術を行っています。当院では人工血管置換術が第一選択でありますが、耐術能や解剖学的適応、社会的背景などを考慮し、高機能血管造影装置を手術室に配備したハイブリッド手術室において、ハイブリッド心臓大動脈センター内のステントグラフト指導医4名を中心に手術に精通したコメディカルによってステントグラフト内挿術を積極的に行っています。
ステントグラフトはバネ状になった金属に薄い人工血管が装着されているもので、そけい部を5cmほど切開し、その下にある総大腿動脈よりステントグラフトが内挿された太いカテーテル(シース)を大動脈の目的の部位まで挿入し、大動脈の内側から瘤や大動脈解離の亀裂部を塞ぐ形で留置するものです。
元来ステントグラフト治療は正常部と正常部を橋渡しする治療ですが、弓部大動脈の頚部分枝や腎動脈を覆う場合には、debranchingといって腋窩動脈や総頸動脈などを人工血管でバイパスを併用するhybrid手術や腎動脈に細いステントグラフトで血流を確保するchimney法を同時に行う場合もあります。
元来大動脈瘤・解離性大動脈瘤に対する治療は破裂を未然に防ぐ予防的手術であり、当院では、手術成績だけではなく、術後最高の生活の質(quality of life, QOL)を得られることを目標としています。
ステントグラフト内挿術は低侵襲で、人工血管置換術と同等の治療効果があるものですが、反面、大動脈自体の経年的変化も相まって、追加治療を必要とされることも少なからずあります。追加治療はステントグラフト内挿術そのものより高度の技術と豊富な経験が必要であり、当院では他院においてステントグラフト内挿術で治療された紹介患者を含め、積極的に治療に当たっています。

心臓血管外科01
心臓血管外科02
心臓血管外科03