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掲載日:2020年1月14日

あきらめない肺がん治療

がんの統計 '18では、本邦における部位別がん死亡数では男女合わせて肺がんが最も多く2017年には年間7万人を超えています。また部位別がん罹患数(がんと診断された人数)では肺癌は年間11万人(2014年)を超え、計算では1年に11万人が肺がんに罹り、その多くの7万人がお亡くなりになるという難治性癌の代表であります。
また日本胸部外科学会学術委員会報告では2018年の原発性肺がん手術件数は4.5万件が施行されており、診断されて手術が可能な患者さんは4割しかおりません。がん治療には外科的治療、薬物療法、放射線治療、そして最近では免疫治療と4本の柱があります。しかし、残念ながら完治(治療後無治療で生存可能)が望めるのは一部の例外を除き、早期発見して外科的切除をした場合に限られます。
近年、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害などの薬物療法の進歩が目覚ましく、当科では多施設共同臨床試験、医師主導臨床試験、新薬開発臨床治験と多くの臨床試験を手掛けております。最近では進行肺癌に対して外科的治療の前後に抗がん薬物療法に免疫チェックポイント阻害を加える治療開発(MK-3475-091, MK3475-671)の国内主要施設として集学的外科治療の発展に寄与しております。
また昨今の高齢化社会において前述の学術委員会報告では、現在、肺がんで外科手術を受ける患者さんの約6割が70歳以上のご高齢の方であり、さらに14%弱は80歳以上の超高齢者の患者さんであります。当教室は日本呼吸器外科学会学術委員会企画である高齢者肺癌の外科的治療開発研究の事務局施設として、安全、確実な外科治療方法の確立を目指しております。
さらに当教室では、難易度の高い進行肺がんや高齢者肺がん手術を安全かつ確実に執り行うために、高画質3次元医療画像を用いた術前シミュレーション及び術中ナビゲーションの開発と導入も手掛けております。

呼吸器外科01