MENU

Academic Achievements

  1. TOP
  2. Academic Achievements
  3. 汗中乳酸による非侵襲的モニタリングの可能性

掲載日:2019年8月9日

汗中乳酸による非侵襲的モニタリングの可能性

重篤な病態を管理する集中治療においては、血圧、脈拍、呼吸数、体温、血中酸素飽和度といった従来のバイタルサインのみではなく、末梢循環と臓器血流を維持し、臓器不全を未然に防ぐことが重要です。
血中の乳酸値は嫌気性代謝によって上昇するため、組織酸素代謝の指標として重要であり、集中治療における予後予測や治療の効果判定に有用とされています。しかし、血中乳酸値の測定には血液の採取が不可欠であり、頻回の測定は非現実的です。
われわれは、汗中の乳酸に着目し、明治大学との共同で汗中の乳酸測定を研究しています。
レジン製の測定部分には生理食塩水の流れるスリットがあり、皮膚に貼ることで、皮膚上に分泌される汗を取り込みます。生理食塩水は細いチューブを流れ、センサーを通過することによって汗中の乳酸が測定できます。
血中と汗中の乳酸濃度は近似した推移を示すため、測定機器の小型化や測定の安定化を実現することで、非侵襲的かつ継続的な組織酸素代謝のモニタリングを実現できる可能性があります。

汗中乳酸による非侵襲的モニタリングの可能性01
汗中乳酸による非侵襲的モニタリングの可能性02
汗中乳酸による非侵襲的モニタリングの可能性03

 

聖マリアンナ医科大学 救急医学