ご挨拶
One Teamで挑む、次世代の外科医療
― 信頼を礎に、より良い医療を―
消化器・一般外科 主任教授
民上 真也
聖マリアンナ医科大学 消化器・一般外科は、「優れた技術」と「高い倫理感」を兼ね備えた医師の育成を使命としております。
当講座は、消化器・一般外科領域の疾患を中心に臨床・教育・研究を三本柱に活動しています。
臨床では、食道から直腸・肛門に至る消化管疾患をはじめ、肝臓・胆道・膵臓・脾臓など幅広い疾患に対応し、腹部救急疾患から消化器悪性腫瘍まで多岐にわたる外科治療を行っております。
診療グループは、上部消化管、下部消化管、肝胆膵の3つに分かれ、それぞれが専門性を高めなが ら、横の連携を重視したチーム医療を展開しています。
外科治療においては、低侵襲手術である腹腔鏡下手術やロボット支援手術にも積極的に取り組み、日本内視鏡外科学会 技術認定医、日本肝胆膵外科 高度技能専門医や各専門領域の専門医などの取得を推進し、大学病院として高度で専門的な医療を提供しつつ、患者様一人ひとりに最適で安全な治療を提供することを第一に考えています。
また、腹部のヘルニアなど一般外科領域の手術や腹部救急疾患・腹部外傷の緊急手術にも多数対応しており、幅広い経験を積める教育環境を整えています。
教育においては、多職種連携による「チームの学び」を柱とし、互いの専門性を尊重しながら共に成長できる環境づくりを進めています。
若手医師に対しても、多様な専門職との協働を通じて視野を広げ、柔軟な思考を育む教育体制を整えています。研究では、日常診療から生じる疑問を出発点とした臨床研究に加え、基礎医学講座や他大学などの外部機関との連携も進め、臨床と基礎の融合を図っています。
「医師の働き方改革」に前向きに取り組み、労働環境の改善とともに、若手医師にとって魅力ある医局づくりを進めています。
次世代を担う外科医が安心して成長できる環境整備にも力を注いでまいります。
今後も「One Team」の精神のもと、診療・教育・研究のすべての領域で協働し、信頼と最善の医療を提供できるよう、教室員一同、日々研鑽を重ねてまいります。

理念・基本方針
聖マリアンナ医科大学 消化器・一般外科は、以下の理念に基づき、患者さん中心の医療を提供します。
- 患者さん中心の医療:患者さんの尊厳と権利を尊重し、個々に適した医療の提供を目指します。
- 科学的根拠に基づいた医療:安全性を重視し、根拠に基づいた医療を実践します。
- チーム医療の推進:多職種や他診療科と連携し、包括的なサポートを行います。
- 先進的な医療の追求:最新の知見や技術を積極的に取り入れ、新しい治療法の開発に努めます。
- 地域医療への貢献:地域の中核病院として、関連医療機関と連携し、地域全体の医療向上に取り組みます。
診療概要・特色
当科では、消化器および一般外科領域の幅広い疾患に対して、専門的な診断と治療を行っています。
患者さんの病状や生活背景を踏まえ、各専門領域の医師と多職種チームが連携し、安心して治療に臨んでいただける体制を整えています。
対象疾患/診療領域
| 食道 | 食道がん、胃食道逆流症、食道アカラシアなど |
|---|---|
| 胃・十二指腸 | 胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、GISTなど |
| 小腸・大腸 | 大腸がん、炎症性腸疾患、虫垂炎など |
| 肝臓・胆道・膵臓 | 肝がん、胆道がん、膵がん、胆石症、膵炎など |
| 乳腺 | 乳がん、良性腫瘍など |
| 内分泌 | 甲状腺腫瘍、副甲状腺機能亢進症など |
| 一般外科 | 鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア、腹壁ヘルニア、急性腹症など |
治療の特長
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低侵襲手術
(腹腔鏡手術)当科では、身体への負担をできる限り少なくするために、腹腔鏡手術といった低侵襲手術を導入しています。小さな切開から手術を行うことで、術後の痛みや回復にかかる時間を抑えられることが期待されます。症例ごとに安全性を十分に検討したうえで、開腹手術を含めた最適な方法を選択し、患者さんにわかりやすくご説明しています。
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集学的治療(手術、化学療法、放射線治療の組み合わせ)
消化器がんなどの治療では、手術のみならず化学療法や放射線治療を組み合わせる「集学的治療」を実践しています。消化器内科、腫瘍内科や放射線科をはじめとした各診療科と連携し、患者さんの病状や生活背景に応じた治療方針を検討します。一人ひとりに合わせて複数の選択肢を提示し、納得して治療に臨めるよう丁寧に説明を行っています。
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個別化医療への取り組み
私たちは、患者さん一人ひとりの病状や体力、社会的背景を踏まえた「個別化医療」を大切にしています。治療を進める際には、診断から術後のフォローアップに至るまで継続的に関わり、患者さんとご家族が十分に理解し、安心して治療を選択できるようサポートします。
インフォームド・コンセントを重視し、セカンドオピニオンの活用も推奨するなど、多角的な視点からより良い医療の提供を目指しています。
当科の特長・強み
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幅広い疾患に対応する診療体制
当科では、食道・胃・大腸・肝胆膵といった消化器全般から乳腺・内分泌疾患、さらにヘルニアや急性腹症まで幅広く診療しています。各分野に専門グループを設け、豊富な経験を持つ医師が連携することで、多様な病気に適切に対応できる体制を整えています。
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低侵襲手術の実績
患者さんの身体への負担を少なくすることを目的に、腹腔鏡手術などの低侵襲手術を積極的に導入しています。小さな切開から行う手術により、術後の痛みや回復の遅れを減らせることが期待されます。症例ごとに安全性を最優先に検討し、最適な術式を選択しています。
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救急対応と地域連携
急性腹症や腹部外傷など突発的に発症する救急疾患に対しても、24時間体制で迅速に診断・治療を行っています。救命救急センターや地域の医療機関とも密接に連携し、切れ目のない医療提供を実現しています。地域の中核病院として、安心して受診いただける体制を維持しています。
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チーム医療と周術期管理
外科医に加え、看護師・薬剤師・麻酔科医・リハビリスタッフ・栄養士など多職種が協力し、術前から術後のリハビリや栄養管理まで一貫してサポートします。周術期における合併症の予防や早期回復を重視し、患者さんとご家族に寄り添ったきめ細やかな医療を提供しています。
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研究と教育に基づいた診療
大学病院として最新の研究成果を臨床に取り入れるとともに、次世代の外科医育成にも力を注いでいます。新しい治療法や手術技術の開発・検証を行い、安全性を確保しながら日常診療に反映しています。学会活動や教育プログラムを通じて、医療水準の向上と社会への貢献を目指しています。
専門性・先進医療
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専門領域の紹介
肝胆膵 肝臓・胆道・膵臓の疾患に対して切除術や腹腔鏡下手術を実施しています。治療の前後には、医師・看護師・薬剤師・リハビリスタッフなどが連携し、周術期全体をサポートしています。 上部消化管 食道や胃の疾患を対象に、腹腔鏡を用いた低侵襲手術を行っています。また、消化器内科と連携し、腹腔鏡と内視鏡を組み合わせた合同手術(LECS)なども取り入れています。 下部消化管 大腸がんや炎症性腸疾患などに幅広く対応しています。治療にあたっては、症例ごとに安全性を十分に検討し、可能な限り肛門機能の温存を考慮した術式の選択を行っています。 -
新しい治療法への取り組み
- 新しい腹腔鏡下手術の導入
- 腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS、NEWS、CLEAN-NET など)
- 手術・薬物療法・放射線療法を組み合わせた集学的治療
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専門外来について
専門外来については以下よりご確認ください。
専門外来について
診療体制
当科では、消化器・一般外科の幅広い疾患に対応するため、各専門領域に指導医・専門医が在籍し、診療を担当しています。
診療は医師だけでなく、看護師・薬剤師・栄養士・リハビリスタッフなどの多職種が協力して行い、診断から治療、術後のサポートまで一貫した体制を整えています。
こうしたチーム医療を通じて、患者さん一人ひとりの病状や生活背景に応じた医療を提供しています。
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各専門領域の指導医・専門医
当科には、日本外科学会、日本消化器外科学会、日本内視鏡外科学会、日本肝胆膵外科学会、日本大腸肛門病学会、日本食道学会、日本腹部救急学会 など、各分野で学会が認定する指導医・専門医が在籍しています。資格を有する医師が診療を担当することで、疾患ごとに専門性を活かした診療体制を整えています。
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チーム医療体制
指導医・専門医を中心に、各科と連携しながら診断・治療を行っています。症例検討や治療方針の決定はチームで協議し、多角的な視点を取り入れることで、患者さんに適した治療方針を検討できる体制としています。
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多職種連携(看護師・薬剤師・栄養士など)
医師に加えて、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリスタッフ、ストーマ認定士など、多職種が協力して診療にあたります。術前から術後のリハビリや栄養管理まで一貫して支援し、患者さんとご家族に分かりやすく丁寧な説明を行うことを心がけています。
スタッフ紹介
附属病院・関連病院について
当科は、附属病院や関連病院と連携し、一貫した体制で医療を提供しています。専門領域や診療体制を共有することで、患者さんが安心して診療を受けられる環境づくりに努めています。各病院の基本情報や詳細については以下をご覧ください。
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附属病院
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聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 一般消化器外科ホームページ
- 所在地
〒241-0811 神奈川県横浜市旭区矢指町1197-1
- ご連絡先
TEL:045-366-1111
- 所在地
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川崎市立多摩病院 消化器一般外科ホームページ
- 所在地
〒214-8525 神奈川県川崎市多摩区宿河原1-30-37
- ご連絡先
TEL:0570-028-111
- 所在地
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関連病院
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社会福祉法人日本医療伝道会 総合病院 衣笠病院ホームページ
- 所在地
〒238-8588 神奈川県横須賀市小矢部2-23-1
- ご連絡先
TEL:046-852-1182
FAX:046-852-1183
- 所在地
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独立行政法人国立病院機構 静岡医療センターホームページ
- 所在地
〒411-8611 静岡県駿東郡清水町長沢762-1
- ご連絡先
TEL:055-975-2000
FAX:055-975-2725
- 所在地
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医療法人 積仁会 島田総合病院ホームページ
- 所在地
〒288-0053 千葉県銚子市東町5番地の3
- ご連絡先
TEL:0479-22-5401
FAX:0479-23-3613
- 所在地
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日本赤十字社 裾野赤十字病院ホームページ
- 所在地
〒410-1118 静岡県裾野市佐野713
- ご連絡先
TEL:055-992-0008
FAX:055-992-3770
- 所在地
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茅野市・原村・諏訪市組合立 諏訪中央病院ホームページ
- 所在地
〒391-8503 長野県茅野市玉川4300番地
- ご連絡先
TEL:0266-72-1000
FAX:0266-72-4120
- 所在地
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