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  3. 希少疾患 CAEBV の国際シンポジウム開催に向けてクラウドファンディングプロジェクトを開始~日本発の診断・治療体制を世界へ~

掲載日:2025年11月25日
学校法人聖マリアンナ医科大学

希少疾患 CAEBV の国際シンポジウム開催に向けて
クラウドファンディングプロジェクトを開始
~日本発の診断・治療体制を世界へ~


学校法人聖マリアンナ医科大学(所在地:神奈川県川崎市、理事長:明石勝也)は、希少疾患「慢性活動性EBウイルス病(CAEBV)」の国際的な診断・治療体制構築に向けたクラウドファンディングプロジェクト「希少疾患CAEBVの診断と治療を日本から世界へ広げたい」を、本日公開いたしました。

本プロジェクトは、2026年3月に東京科学大学で開催予定の第1回CAEBV国際シンポジウム(CAEBV International Symposium 2026)の実施を支えることを目的としています。
本取り組みは、日本から世界へ CAEBV の正しい診断・治療指針を発信し、未来の医療を前進させるためのものです。
皆さまからの温かいご支援を心よりお願い申し上げます。

プロジェクト概要

タイトル:希少疾患CAEBVの診断と治療を日本から世界へ広げたい
公開開始:2025年11月25日 10:00
期間:59日(〜2026年1月23日)
目標金額:300万円
URL: https://readyfor.jp/projects/caebv
形式:寄付金控除型(All-in形式)
実行者:
 聖マリアンナ医科大学 血液・腫瘍内科学 主任教授 新井文子
 CAEBV国際シンポジウム実行委員長 特任教授 安井 寛


プロジェクトの背景:世界に認知されていない「日本発の希少疾患」

CAEBV(慢性活動性EBウイルス病)は、T細胞またはNK細胞にEBウイルスが感染して発症する極めて稀な疾患です。日本やアジアでは比較的多い一方、欧米での認知度は低く、国際的に統一された診断基準や治療指針が確立していないことが課題となっています。
聖マリアンナ医科大学では、国内外の研究者と協力しながら、レジストリ構築、新規診断技術の開発、分子標的治療・造血幹細胞移植治療の研究など、厚生労働省や文部科学省の科学研究費、AMED研究費等による研究事業を通じ、多くの成果を蓄積してきました。これらの研究成果を社会へ広く還元し、国際的な医療基盤の整備につなげるためには、世界中の医師・研究者が知見を共有する場の創出が不可欠です。
2026年3月には、世界の医師・研究者らが一堂に会する初の国際会議を開催し、日本発の診断・治療モデルを国際標準として発信していきます。

クラウドファンディングを行う理由

CAEBVは極めて稀な疾患で、国際的に継続的な議論を行う専門の研究会や国際学会が存在しないため、国際的な連携の基盤づくりから立ち上げる必要があります。
国際シンポジウム開催には、
・海外研究者の招聘
・若手研究者の参加支援
・会議運営・通訳・広報
など、公的研究費だけでは補いきれない費用が生じます。
そのため、国際的な研究・開発・診療体制を整備する第一歩として、広く皆さまからのご支援をお願いしております。
また、募集期間を通して、皆さまからのご支援と情報拡散がプロジェクト成功の鍵となります。
温かいご協力を心よりお願い申し上げます。

新井文子主任教授(プロジェクト実行者)コメント

「CAEBV は、患者さんの苦しみに対し、国際的な診断・治療体制が十分に整わない課題の大きな疾患です。日本から正しい知識と治療方針を世界へ届けるため、今回の国際シンポジウムは大きな一歩となります。皆様のご支援が、未来の医療を大きく前進させます。」

学校法人聖マリアンナ医科大学について

所在地:神奈川県川崎市宮前区菅生2丁目16番1号
設立:1971年
建学の精神:「キリスト教的人類愛に根ざした生命の尊厳」
コーポレートサイト:https://www.marianna-u.ac.jp/

【用語解説】

EBウイルス(Epstein–Barr virus:EBV)

ヘルペスウイルス科に属するウイルスで、多くの人が子どものころに感染します。
通常は一過性の感染で症状は軽いかありませんが、まれにウイルスが免疫細胞(B細胞やT細胞、NK細胞)に持続感染し、さまざまな疾患を引き起こすことがあります。
EBVは世界人口の9割以上が感染しているとされますが、その多くは無症候性です。

B細胞・T細胞・NK細胞(免疫を担う主要なリンパ球)

B細胞:抗体をつくり、細菌やウイルスなどの外敵を排除する役割を担う細胞。
T細胞:感染した細胞を直接攻撃したり、免疫反応全体を調整する「司令塔」となる細胞。
NK細胞(ナチュラルキラー細胞):がん細胞や感染細胞を即座に攻撃する、自然免疫の要となる細胞。

EBウイルスは、これらのうち特にT細胞やNK細胞に感染すると、慢性活動性EBウイルス病(CAEBV)などの重い疾患を引き起こすことがあります。

EBウイルスが関係する主な疾患

慢性活動性EBウイルス病(CAEBV): T細胞またはNK細胞にEBウイルスが感染し、発熱や肝障害、血球減少などを慢性的に繰り返す希少難治性疾患。

EBウイルス関連血球貪食症候群(EBV-HLH):感染細胞による過剰な免疫反応で、発熱・肝脾腫・血球減少が急激に進行する重症疾患。EBウイルスが主にCD8陽性T細胞に感染しておこるとされています。

移植後リンパ増殖症(PTLD):臓器移植後の免疫抑制状態で、EBウイルスが主にB細胞に感染して腫瘍化する疾患。

本件に関するお問い合わせ

プロジェクト内容に関するお問い合わせ

聖マリアンナ医科大学 血液・腫瘍内科学 新井文子
E-mail:ara.hema@marianna-u.ac.jp 

聖マリアンナ医科大学 血液・腫瘍内科学 安井 寛
E-mail:hiroshi.yasui@marianna-u.ac.jp 

国際シンポジウム運営に関するお問い合わせ

CAEBV国際シンポジウム実行委員会
E-mail:caebv2026@gmail.com