Marianna Today
掲載日:2024年10月7日
抗がん剤治療中の患者さんを対象とした血液検査および診療フローにおける院内待ち時間の影響を評価する観察研究の開始について
武田薬品工業株式会社と共同研究契約を締結し、がん患者さんの待ち時間短縮を評価する観察研究を開始
更なる医療アクセスの向上に寄与できる可能性
聖マリアンナ医科大学病院(病院長 大坪毅人)は、このたび、がん患者さんを対象とした血液検査および診療フローにおける院内待ち時間の影響を評価する観察研究(以下、「本研究」)を開始しましたのでお知らせします。
本研究は、本学と武田薬品工業株式会社(代表取締役社長 CEO クリストフ・ウェバー)が共同研究契約を締結して開始されました。全身化学療法を投与予定または投与中の18歳以上のがん患者さんを対象に、 全身化学療法実施日前に協力医療機関において採血を実施し、採血結果を医師が事前に入手することにより、化学療法実施当日の患者さんの聖マリアンナ医科大学病院内での待ち時間の短縮に寄与することができるかを評価します。
本研究の主要評価項目は、事前採血医療機関の滞在時間と化学療法実施日の受付開始から診察開始までの待ち時間、副次評価項目は、事前採血医療機関の滞在時間と化学療法実施日の受付開始から化学療法開始までの待ち時間です。本研究の患者さん登録期間は2024年10月からを予定し、データ集計後、解析を行い、結果の公表を2025 年度中に予定しています。
定期的かつ長期間に及ぶ抗がん剤治療の通院において、患者さんは長い待ち時間がもたらす物理的・心理的ストレスを抱えています。聖マリアンナ医科大学病院腫瘍センターの抗がん剤治療でも、通院中の患者さんに長い待ち時間が発生しており大きな負担となっています。また、がん診療に携わる医療従事者においては、拠点病院に患者さんが集中しており、医師の働き方改革としてタスクシフト/シェア(医師の業務を複数の職種で分け合う「業務の共同化」)の推進が必要とされています。
本研究は、がん患者さんの通院治療における医療アクセスの更なる向上と、国の政策である医療DX、病床・機能再編、医師の働き方改革に沿った取り組みです。聖マリアンナ医科大学病院腫瘍センターの抗がん剤治療が円滑に行われ、通院治療中の患者さんの待ち時間が改善されることを目指しています。
以上
問合せ先
聖マリアンナ医科大学病院腫瘍センター / 腫瘍内科砂川優 044-977-8111(代表)