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掲載日:2019年5月8日

令和元年、更なるカテーテル治療の進歩を目指して

循環器内科学 教授 明石嘉浩

我々の診療圏である川崎市北部地域は他に類を見ない長寿地域であり、それに伴い心臓弁膜症が爆発的に増加しています。カテーテル治療が適応される弁膜症はStructural Heart Disease(SHD)と言われ、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)と昨年から導入された経カテーテル的僧帽弁クリップ術がSHDカテーテル治療の代表です。これらの治療法は今までの外科的治療と異なり、開胸せずに低侵襲で弁膜症を治療することができます。ガイドラインで手術が推奨された弁膜症患者の半数以上が何らかに理由で治療を受けることが出来ず、アンメットニーズがここにあります。当科ではSHDに対するカテーテル治療を積極的に取り入れ、2018年1年間で、TAVIは132例、僧帽弁クリップ術は34例を数え、いずれも全国トップクラスの症例数を有しています。決して症例数だけではなく、治療成績も良好であり、地域を越えたニーズにも対応しております。当院には多職種からなる誇るべきハートチームがあり、術前画像診断から詳細な治療戦略を練っています。診療科を越えて、職種を越えて、病院全体が一丸となってSHDに対するカテーテル治療を実践します。

令和元年、新たに先天性心疾患に対するカテーテル治療施設として認定され、心房中隔欠損症に対するカテーテル閉鎖術が施行可能となりました。急性心不全に対する補助循環用カテーテルが使えるようにもなります。心房細動に対するカテーテルアブレーションは術者を増員し、症例数の増加にも対応出来るようにしました。カテーテル技術を用いた循環器診療は伸び続けることが予想され、特定機能病院として新しい治療法を取り入れるべく、教室員が日夜奮闘しております。研究と教育にも妥協することなく、多くのカテーテル治療術者を育成し、今後も「断らない循環器診療」を続ける循環器内科教室へのご支援のほど、宜しくお願いいたします。

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