大学院概要

特別講義・セミナー

(1) 医学論文の書き方セミナー

 本邦の大学、特に医学部では rhetoric language arts 、communication skill の講義はない。
 言語によって情報や意見を明快にし、効果的に表現・伝達するための方法論が必要である。一言でいえば、科学的な文章表現の基礎となる教育である。科学論文は、最近、重点先行主義をとっており、「標題はもっとも短い抄録」とまで言われている。このことを踏まえ、昭和59年より、医学領域における学術論文の体裁(原稿の構成、本文の構成、標題、著者名、図、表、写真の適切な使用方法、文献の引用方法、用語の統一等)について春に年1回セミナーを行っており、大学院学生は、学位申請までに受講することが義務付けられている。

(2) 医学統計学セミナー

 医学的な研究結果の解釈や評価を適切に行うためには、統計学的なデータの処理が必要となることが多い。しかし、統計手法は多種多様で、実際に行った実験データについて何を用いるのが最適かを判断し、その計算を独力で実行するにためは、膨大な知識を取得することが必要であろう。
 このセミナーは、この現実を認識しつつも、適切な手法を選択するための要点をできるだけ簡単に講義することを目的とする。このために、統計学の最も基本的な考え方を確認した後、実例によって統計手法の説明と、結果の解説を行う。したがって、計算手技に関する話は省略し、研究室によくある統計プログラム・パッケージを便利な道具として、簡便に、しかし、適切に用いることを中心に述べる。

(3) 治験(GCP)・動物実験(GLP)および薬物乱用に関するセミナー

 人および動物を対象とした医学研究は高い論理性のもとに行う必要がある。その基準となるものがGCPおよびGLPであり、大学院生は在学中に1回受講する必要がある。秋に年1回(遅刻及び途中退席は欠席となる)開催される。

(4) 学術集会・医学教育講演会・生涯教育講演会・大学院附属研究施設が行なうセミナー、講演会等大学院研究科長が認めたセミナー、講演会等

※ 学位申請までに必ず4回以上必ず受講すること。
(ただし平成16年度入学生から実施、第4学年はできる限り受講すること)
※ 遅刻及び途中退席は欠席となる。

1) 組換えDNA実験セミナー

 諸疾患に関与する遺伝子やmRNAを研究対象とし、多数の組換えDNA実験テーマがP1、P2レベルとして登録され、特定の遺伝子のクローニングも進められている。「組換えDNA実験セミナー」を1985年に開始、年2回の公開セミナーを実施している。

2) 分子生物学的手法に関する大学院特別実験実習講習会

 最近の分子生物学の目覚ましい発展は、医学を含むあらゆる生命科学に大きな影響を与えている。この分野の発展の速度は、あまりにも急であるため、分子生物学を専門としない領域においてこれを取り入れようとすると、技術的な面で多少の困難がある。よって本大学院では、大学院附属先端医学研究施設分子生物学部門、組換えDNA実験安全委員会及びアイソトープ研究施設の共催で、1989年度より年2回、サザン、ノーザン及びウエスタン法ならびに組換えDNA実験の進め方等1コース約10日間をかけ、4~6人の少人数で実習を行っている。