本教室について

研究

  我々は臨床・教育・研究といった大学病院の使命を、高度医療の提供や病態解明の追求という形で実現させようとしています。血管炎の領域においては、尾崎教授が主任研究者を務めた厚生労働省の「難治性血管炎調査研究班」において、MPO-ANCA関連血管炎の標準的治療プロトコールの前向き臨床試験をはじめとする先進的治療の確立をめざしています。

 近年、関節リウマチでは生物学的製剤により、その治療体系は変わりつつあります。当科では早期診断はもちろん、早期寛解導入に重点をおき、プロトコールを作成し、その有用性を検証しています。膠原病に合併する間質性肺炎の分野では、自験例の解析結果から、HRCTを用いた予後予測分析と、免疫抑制薬の有用性を早くから提唱し、患者さんへ適切な治療の導入を目指しています。この他にも、強皮症、ステロイド抵抗性筋炎、Wegener肉芽腫症のB細胞抑制療法、ループス腎炎寛解後や免疫抑制薬投与患者の日和見感染症対策などの臨床試験を進めています。欧米でのエビデンスを臨床の場に応用するだけではなく、日本国内の独自の事情にあった治療を確立しようとこれらの臨床試験が行なわれています。