更年期でお悩みの方

　女性の閉経は平均50歳頃で、一般に更年期とは閉経をむかえる前後10年間を指します。この間にさまざまな体の不調が出てきて、快適に日常生活をおくることができない状態を更年期障害といいます。

　更年期障害の症状のなかでもっとも特徴的なものはhot flash（ホット フラッシュ）です。これは頭や顔など上半身が急にほてる現象で、脈拍数の増加や発汗を伴います。卵巣でのエストロゲン産生の減少や、それに伴う性腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモンの産生増加などが深く関係していると考えられますが、詳しいことはまだ分っていません。実際ホルモン値を測定してみると、卵巣はまだ充分働いておりホルモンを産生しているのに更年期様の症状が強い場合があったり、逆にホルモン値は完全に更年期の状態であるのに症状が無い場合があったりするからです。

　更年期障害はhot flashの他にもさまざまな症状をきたします。肩こり、疲れやすい、頭痛、腰痛、不眠、イライラ、動悸、うつ、めまい、など。気をつけなくてはいけないのは、こういった症状の裏に更年期障害以外の病気が隠れているかもしれないことです。「更年期障害」の一言で片付けてしまわないで、症状がひどい場合は医療機関を受診することをお勧めします。

　当科では、更年期障害を中心に中高年の女性の健康管理を目的とした専門外来「アゼリア外来」を設け、閉経期以降におけるQOL（quality of life）の向上を目指す医療を提供しております。