本教室について

教育・研究・診療・将来の発展に関して

(1)教育

 当教室では、より充実した学生教育を行うことを念頭に担当者と教育内容を吟味している。微生物学が担当しているのは、生体防御ブロック講義と生命機能実習3(感染と生体防御)実習の他、免疫ブロック、感染症シリーズなどで感染微生物が病因となる領域である。その中で、細菌・真菌感染症、抗菌薬療法に関わる部分は主に竹村主任教授が、検査法や薬剤開発に関する基礎医学領域は三好講師が担当している。2年生に行う実習では、実地臨床に直結した内容で、細菌学的検査法、分子生物学的検査法を教室印全員で担当して行っている。また、4年生のICMでは、竹村主任教授が感染対策をテーマにしたOSCEとして、個人防護具(PPE)の着脱を中心に指導を行っている。その他、竹村主任教授、三好講師、大神田講師がアカデミックスキルズ・実践医学の評価、竹村主任教授、大神田講師、越川助教が5年生のBSLでのグラム染色実習などの学生教育に携わっている。

2022年4月


(2)研究

 竹村主任教授が種々の抗菌薬の作用機序と活性評価に関する研究、三好講師がRNAウイルスの宿主・病原関係の解明に関する研究、大神田講師が薬剤耐性菌に対する併用療法を評価する研究、越川助教が真菌と細菌による相互作用の解明に関する研究を行っている。これらの研究において、多数の研究助成金の交付を受けている。また、P2およびP3レベルの実験室が設置されており、共同研究として他大学、研究機関、民間企業との協力体制を強化し、現在も研究活動を進めている。

2022年4月


(3)診療

 本来基礎医学教室として発足した微生物学教室であるが、病院内の感染制御と情報収集を業務とする感染制御部の部長を竹村主任教授が兼務している。また、院内における感染症に対する診断や適切な抗微生物薬の投与アドバイス、コンサルテーション等の実施、感染症地域ネットワークの拠点を担う感染症センターにおいて、副センター長を竹村主任教授が担当している。

2022年4月


(4)将来の発展

 本学は私学医科大学であり、当教室の目的も、良医を育成し、社会や病気に苦しむ個々の患者さんに還元できるよう、臨床医学に通じる基礎医学領域の研究、いわゆるトランスレーショナル・リサーチを推進することである。今後も、学内外との共同研究を進め、大学院生や研究生も本学出身者に限らず、広く多くの研究者に門戸を開き、ますます教室が発展していくことを目指している。

2022年4月


聖マリアンナ医科大学 医学部
微生物学
主任教授 竹村 弘