平成14年度から実施されている新カリキュラムの導入に伴い、昨年度までは新・旧2つのカリキュラムの学生教育にあたることとなり、特に学生実習に関して教室員の多大な苦労と混乱があった。本年度からは、1年生から4年生までは全て新カリキュラムの学生であり、講義時間や実習時間の配分にも慣れてきたことで、より充実した学生教育を行うことを念頭に担当者と教育内容を吟味している。微生物学が担当しているのは、生体防御コースの講義と実習の他、消化器コース、中毒・環境因子コース、感染症コースなどで感染微生物が病因となる領域である。その中で、細菌感染症や抗菌薬療法に関わる部分は主に竹村が、ウイルス感染症や抗ウイルス薬、生体防御機構に関する部分は中島が、検査法や薬剤開発に関する基礎医学領域は中島と三好が担当している。2年生に行う生体防御実習では、実地臨床に直結した内容で、細菌学検査法、ウイルス感染症の免疫学的検査法、分子生物学的検査法を教室員全員で担当して行っている。また、4年生の医療総論実習では、院内感染や針刺しなどの医療事故をテーマにした課題を作成し、中島、竹村、三好、金本、浅井と教育スタッフ全員が学生との議論に加わり、感染拡大防止や事故に遭遇したときの対応を理解させる工夫をこらした実習を行っている。その他、三好、金本、浅井が一般PBLのチューター、竹村が臨床PBLのチューターと5年生のBSLの細菌検査実習などの学生教育に携わっている。
中島が教授となった平成13年以降、ウイルス学研究に関する細胞培養設備を充実させてきた。そのために、P3およびP2レベルの実験室を設置した。研究内容は、抗HIV活性評価、抗HSV活性評価などを行っていたが、東海林が加わってから、新規薬剤候補物質のみならず機能性食品やサプリメントなどの抗ウイルス活性、脂肪代謝への影響、抗酸化作用などのin vitroおよびin vivoでの活性評価を行ってきている。さらに、以前から共同研究の関係にあった他大学の研究者との協力体制を強化し、平成16年度からは機能性食品の生物活性を科学的に立証することを目的としたワーキング・グループを立ち上げ、『NPO法人グリーンヘルス・プロジェクト』として研究活動を進めている。他には、竹村が種々の抗菌薬の作用機序と活性評価に関する研究、三好がRNAウイルスの宿主・病原関係の解明に関する研究、金本が歯周病菌や口腔細菌が心内膜炎などの全身性疾患に及ぼす影響の研究、浅井が新規抗ウイルス薬や遺伝子治療法の開発に関する研究を行っている。これらの研究において研究助成金も多数の交付を受けている。加えて、例年数件の民間企業との共同研究に関する助成金も受けており、今後さらなる研究の発展が期待される。
本来基礎医学教室として発足した微生物学教室であるが、病院内の感染制御と情報収集を業務とする感染制御部の部長を、竹村准教授が兼務している。また、病院内の感染症に関する議案を検討する委員会として感染委員会があり、委員長を中島が担当している。