本教室について

教室の歩み

 本学微生物学教室は、吉田耕作教授を初代教授として昭和48年に開講され、研究・教育とも順調に発展してきていたが、平成2年の秋に突然、吉田教授がお亡くなりになるという不幸がおとずれた。翌年、平成3年4月に東京慈恵会医科大学第二内科から嶋田甚五郎教授が第二代教授として赴任された。嶋田教授が微生物学教室を担当なさるようになってからは、それまではブドウ球菌に関する基礎医学研究が教室の研究活動の中心であったものが、応用医学的色彩の濃い抗菌薬の作用や活性評価に関わる研究が加わり、研究内容も大きく変貌することになった。当時、吉田教授時代から引き続いて、大友俊充助教授(平成8年3月退職。その後、玉川大学教授・早稲田大学大学院教授)、一幡良利講師(平成8年3月退職。現、筑波技術大学・名誉教授)、碓井之雄助手(後に講師昇任。平成9年3月退職。その後、東京医療保健大学教授)、大島赴夫助手(平成6年9月退職。その後、食品薬品センター秦野研究所食品衛生事業部長)が、研究・教育など教室の運営に尽力されていた。さらに平成6年に金光敬二助手(平成13年3月退職。現、福島県立医科大学教授)が、平成7年7月からは賀来満夫助教授(平成11年2月に退職。東北大学教授を経て、現在東北医科薬科大学特任教授)が就任した。大友助教授、一幡講師の退職後、平成9年には山本啓之講師と竹村 弘助手が、平成12年には原田志津子講師(平成13年3月退職。その後、国立感染症研究所ウイルス第一部主任研究官)が就任し、教室の研究内容も臨床感染症学、環境微生物学、ウイルス学に関する研究と多彩になってきた。嶋田教授在職中は、日本感染症学会、日本化学療法学会など全国規模の学会長を歴任され、また学内においては大学病院の診療協力部門としての感染制御部を立ち上げるなどの、学内外での多大な貢献をされた。  

 平成13年3月に嶋田甚五郎教授が定年退職され、その後任として中島秀喜教授が第三代教授として同年5月に鹿児島大学から赴任された。これに伴って教室の研究テーマも、抗菌化学療法や臨床微生物学の研究に加えてウイルス学、特にエイズ治療薬の開発を目的とした研究が加わることになった。それ故に、研究室内にP2およびP3レベルの培養実験室を作ることとなり、また、細胞培養機器や解析装置、高速超遠心機など多くの実験機器の搬入が行なわれた。

 この時の教室構成員は、山本啓之助教授(平成14年9月退職。その後、海洋研究開発機構上席技術研究員)と竹村 弘講師(助教授、准教授、病院教授を経て、現在は第四代主任教授)、寺久保繁美研究技術員、高橋美穂秘書であった。その後、平成14年4月から東海林洋子講師(平成16年4月に助教授昇任)と草野秀一助手が、さらに平成15年4月には三好 洋助手(現在は講師)が就任した。加えて、山崎里美、乘松美貴がアルバイトの実験補助員として勤務し、大学院生、他大学や企業からの派遣研究員を迎えて、日々にぎやかに教育および活発な研究活動を行う教室に発展していった。その後、平成18年2月には草野助手が鹿児島大学助教授になり退職し、また東海林助教授も同年4月に退職した。それにともない4月から浅井大輔助手(平成29年12月講師、現在昭和薬科大学微生物学准教授)が、7月からは金本大成助手(平成19年10月講師、現在昭和薬科大学微生物学教授)が赴任することとなった。秘書の高橋の産休の間に中井梓が秘書として教室事務担当の代理を務め、また、山崎の退職に伴い、平成23年5月より中島二如(旧姓岡村、現在は研究技術員)が実験補助員として加わった。平成29年3月に寺久保研究技術員(現在は非常勤研究技術員)が退職、同年4月に金本講師が昭和薬科大学微生物学教授になり退職した。

 平成31年3月に中島秀喜教授が定年退職され、その後任として竹村 弘が第四代教授として同年4月より微生物学教室を主催することになった。令和2年1月から大神田敬助教(令和3年11月講師)さらに同年4月から越川拓郎助教が就任した。令和2年9月に浅井講師が昭和薬科大学微生物学准教授になり退職した。令和4年4月より以前当教室に在籍していた碓井之雄客員教授が本大学の形成外科再生医療学寄付講座より異動され、現在に至っている。

2022年4月


聖マリアンナ医科大学 医学部
微生物学
主任教授 竹村 弘